特集 2023年12月16日

冬場に片手袋と出会いたいなら注目すべき場所 ベスト3(選者:石井公二)

 

【第1位】

困ったらとにかくここを見て!ガードレール系片手袋
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石井:読んで字の如く、拾われてガードレールに置かれた片手袋です。

――特に収集していない僕でも、これは何度も見覚えがあります。

石井:これは介入型片手袋の中でダントツ数が多いタイプです。冬場に介入型片手袋を見たかったら、とりあえずガードレールに注目していれば発見できると思います。

片手袋を拾ってあげても、適切な置き場所って都会では意外に見つけにくいと思うんです。落とし主が見つけやすいような目立つ場所、且つ人の邪魔にならない場所。その点、ガードレールはそのどちらの条件もクリアしている上に、どこにでもありますからね。量が多いのも理解できます。

――たしかに。僕も自分が道で手袋拾ったらこうするだろうなと思います。

石井:大抵は支柱に挿さっているんですけど、よく観察してみるとガードレールの使い方にバリエーションがあって面白いです。

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「そこを利用したか!」っていう技ありタイプも

石井:一口に「ガードレール系片手袋」と言っても、そこからさらに細かく見ていくことで拾った人のプロファイリングまで出来そうです。ビニール袋を使ってぶら下げてあげた人なんて、相当優しい人だと思います。

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石井:しかもよく見ると介入型には珍しい軍手。軍手ひとつにここまでしてあげる人がいるとは。

――オーソドックスで件数が多いだけにバリエーションも多く生まれるということですね。観察しがいがあるな。

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――片手袋研究のさわりだけ見せていただきましたが、あらためて片手袋の面白いところってどんなところですか?

石井:大都市は人間関係が希薄で、人と人との距離が遠いイメージがあります。また都市空間は人間の意志や意図や思惑、法律やルールでびっしり埋め尽くされていて、我々が自由に活用して良い遊びの部分などないようにも思えます。

でも冬場の介入型片手袋を観察してみると、都会であっても人間の優しさって意外にそこら中に存在していることが分かります。それに厳密に言えば三角コーンやガードレールも個人や行政の管理物であるはず。しかし、介入型片手袋を見て「けしからん!」と激怒する人はそんなに多くないでしょう。誰の目からもフッとこぼれ落ちてしまうような「都市の余白や油断」も、介入型片手袋によって可視化されますよね。

片手袋研究の面白さはこういう固定概念が覆されるところにあります。今回挙げたような場所に注目してもらえれば誰でも発見できると思いますので、これからの季節、皆さんも是非挑戦してみて下さい。ただ町を歩いているだけでも、なんだか面白くなってきますよ。

――どうもありがとうございました!

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