ほりさんが選ぶ「面白すぎて相手と険悪になってでもやりたいボードゲーム」ベスト3
――ほりさんは、ボードゲームをやるだけでなく自作するほどのゲーム好きですね
ほり:大学時代にカタンというボードゲームにはまったのがきっかけで、のめりこんでいきました。今ではオリジナルのカードゲームを作ってゲームマーケットで販売もしています。(もの好きカラス、商店街ブラックジャック)
想像以上に売れてかなりうれしかったです。でもまだ自宅に在庫があるので買っていただける方はDMください。
――今回のテーマ「面白すぎて相手と険悪になってでもやりたい」というのはどういうことですか?
ほり:そもそもほとんど全てのボードゲームに「最悪の場合険悪になるかもしれない」という要素があります。なので「ボードゲームを楽しもう」というマインドが大事なのですが、そうは言ってもとくに険悪になりやすいボードゲームがあるのもまた事実です。
――いきなりボードゲームのネガキャンになってませんか?
ほり:そんなことないです!えてしてそういうゲームの方が、気心の知れた友人とであればより一層楽しめたりするんです。
冗談の通じる相手だからこそ強めに言っても許されるノリってあるじゃないですか。あれみたいなものです。そういう、信頼関係が築けていればめちゃくちゃ楽しめる、でも一歩間違えると最悪の場合険悪になるかもしれない、諸刃の剣のようなゲームを選びました。
――仲の良い人と遊ぶと一層盛り上がるということですね。では3位からお願いします!
【第3位】
一番裁判
――これはどんなゲームですか?
ほり:お題に沿ってカードを出してディベートするゲームです。例えばお題が「つよすぎる」だったら、手札の中で「つよすぎる」に当てはまりそうな絵柄のカードを出し合い、その絵柄の「どういう点がつよすぎるのか」を主張し合います。
――カードで戦うんじゃなくて、ディベートで戦うんですね。
ほり:そうです。
ディベートに勝つと「よっしゃ~!」ってなりますよね。結局人は本能的に論破がしたいんでしょうね。MCバトルもそうだし、最近ひろゆきさんが脚光を浴びているのもそういうことなんだと思います。
――でもヒートアップするとケンカになりそうという。
ほり:はい。このゲームは誰でもソフトに論破体験ができるのが良いところですが、しかしこれは諸刃の剣で、一線を越えると険悪になります。圧勝しすぎないようにしましょう。
――他にもおすすめポイントがあると聞きました。
ほり:はい、もうひとつの楽しい要素として、ガベルがあります。
ボードゲームを買うと木製ガベルがついてくるんですよ。最高じゃないですか?ショップでこのボードゲームのパッケージを見たとき、妻と目を見合わせて「これは買うしかない」と即座に意見が一致しました。
――「静粛に!」ってやつだ。これは欲しくなりました。続いて第2位お願いします!
【第2位】
宝石の煌き (スプレンダー)
――どんなゲームですか?
ほり:商人ギルドの長になって、宝石を集めて大金持ちを目指すゲームです。
宝石を集めて発展カードと呼ばれるカードを買うと、「使っても永久に減らない宝石」が貰えるんですよ。そうするとさらに強い発展カードに手が届くようになって、どんどん効率よく宝石が手に入るようになっていきます。
――お金持ちになれて楽しそうじゃないですか。どういうところで険悪になるんですか?
ほり:まずこれは完全に資本主義のゲームですね。世界の上位1%の富裕層だけで、世界全体の4割近くの個人資産を占めると聞いたことがあります。あれと同じです。
現実世界は投資によって金が金を生む構造になっていて、それがゲームの世界で再現されています。宝石が宝石を生む。発展カードは早い者勝ちなので、序盤にお金持ちになったプレイヤーがどんどん発展カードを獲得していき、貧富の格差はどんどん広がっていきます。えぐいですね。
――現実世界の嫌なところを盛り込みましたね。
ほり:また、「特定の色の宝石を占有して流通させない」みたいな戦略もあって、七並べ的な嫌がらせ要素もあります。
――人の邪魔をするのがポイントなんですね。それは険悪になりそう!
ほり:そんな険悪要素がありながら、このゲームは2014年 ドイツ年間ゲーム大賞ノミネートや 2014年 日本ボードゲーム大賞受賞など、かなり評価されていて実際に多くの人に遊ばれています。実際めちゃくちゃ面白いです。やっぱりどんどんお金持ちになれたときの爽快感ですね。逆に負けるとかなりみじめなのですが、悔しくて「もう一回!」と思えます。
ただ、身も蓋もない話をすると、このゲームは運の要素が少なくて戦略性が問われることが多いのですが、そうすると現実世界で成功しているやつがこのゲームも強かったりするんですよ。えぐいですね。私は負けることが多いです。
――僕も負けるタイプだな…。