特集 2023年2月5日

「手ぶらで行ける国」おすすめベスト3(選者:地主恵亮)

こんにちは、編集部 石川です。

隔週でお送りする「ベスト3を発表します」のコーナー。デイリーポータルZのライター陣に、何でもいいからベスト3を決めてもらうコーナーです。

今日は海外取材の記事を多く手がける地主さんが、手ぶらで行っても大丈夫な国のベスト3を教えてくれます。……そんな国あるか?

インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

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地主さんが選ぶ「手ぶらで行っても大丈夫な国」ベスト3

――海外に手ぶらでいくっていう発想が普通の人はないと思います。

地主:そうですか?どこかに出かける時、なるたけ持ち物が少ないといいと思っています。そのほうが身軽ですし。

――それはわかりますけど…

地主:海外でなにかを「失くした!」ってなるのが一番嫌なんです。何も持っていなければ、その経験をしなくていいんですよ。持っていないから失くすことがまずできない。

――確かに。

地主:あと空港でも楽です。めちゃくちゃ手荷物検査で引っかかるんです。高確率で私は引っかかります。

安藤さんとインドに行った時、私だけ別室に連れて行かれて、30分以上質問攻めにされたこともあります。その時、安藤さんは「地主はもう帰れないからこのままインドに住むしかない」と思ったそうです。

そういったことを考えると、手ぶらがいいんです。私の場合は撮影で行くので機材はどうしても要りますけど、機材を除けば、ほぼ荷物はありません!

――とはいえ、必要なものは持っていかないといけないですよね?

地主:荷物で一番かさばるのは洋服になると思うんですが、洋服なんて別にどうにでもなるんです。自然と一体になりなさい、風を感じなさい、あなたは自由なのです! と言いたいです。

――そこを削っていいとは思いませんでした。

地主:いいんです。なので、洋服を持っていかなくていい国を選びました。

――そんな国あるかよ。半信半疑ながら、第3位から、発表していただきます。

【第3位】

チリ

――いきなり予想外の南米ですね。

地主:南米の下の方の細い国です。私が行ったのは日本が夏の時期だったので、向こうは冬でした。パタゴニアに行ったり、バルパライソというカラフルな街に行ったりしました。日本からだとアメリカでトランジットして行くことになると思います。南米と聞くと治安の問題が気になりますが、比較的治安がいい国です。

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日本は夏だったのでチリは寒いです!

――高緯度で寒そうなイメージがありますが。

地主:実際、寒いです、特に私が長く滞在したプエルトナタレスやプンタアレーナスという街は南極への船が出る街だったり、パタゴニアの入り口だったりします。だから寒いんですね。

ということは、極論、服なんて着替えなくていいんです。

――逆じゃないですか!?

地主:いえ、アウターで分厚いコートを着ているのでその下はもはや着替えなくていいんです。

――そうか、コートは着ていくから荷物にならないんだ。

地主:もともとこの地域に住んでいたセルクナム族は、服を着る文化を持ちませんでした、寒いのに。その代わりに土を体に塗るんですよ。つまりこれが何を意味するかと言えば、極論裸でいいんです。

ちなみに彼らはヨーロッパから服の文化が持ち込まれ、洗うことを知らなかったので、不衛生で病気が流行ったと聞きます。

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セルクナム族と私です!

――服が害になるっていうことがあるんだ!

地主:なので、適度に洗うことは求められます。もちろん私も洗います。旅に出る時はわざと化繊の服を多用します。それは洗ってから乾くのが早いからです。

夜洗えば朝には乾いています。また寒い地域は暖房がしっかりしていてホテルの部屋が暖かいんです。だから余計に早く乾きますし、干すことで湿度も保てるのでむしろ部屋は快適になります!

――でも着替え持っていかなかったら、干してる間に着る服なくないですか?

地主:寝ている間は、自然を感じています。

――自然を。なるほど。では続いて第2位お願いします。

【第2位】

ペルー

 

――また南米だ

地主:マチュピチュがある国です。私が行った国で一番治安がやばいかも、と感じたのはペルーでした。危ない国としてメキシコをイメージする人が多いかもしれないですが、当時はペルーの方がすぐにピストルが出てくる感じでした。

――「すぐにピストルが出てくる感じ」。

地主:私は行く前にめちゃくちゃ調べてから行くんです。その事前調査で絶対に行くなと言われていた街に、現地で迷い込んでしまいました。一緒に行っていたカメラマンが雰囲気からか「ここやばいぞ」と焦っていたんですが、「そうかな」と返すと「お前はハイエナに育てられたのか!」と怒っていました。

――手ぶらでいくのにおすすめの理由は?

地主:雰囲気ですかね、許される感じがありました。あと、現地調達しやすいというのもあります。マチュピチュに行くために滞在した街で服を買ったんですが、アルパカの毛を使ったセーターとかがかなり安く手に入るので、それを上には着て、下は先にも言ったように夜洗えば朝には乾いている感じです。

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いいものを安く買うことができます!

――やはり乾きやすい服を着ていくとよい、と

地主:ポイントはやはり化繊の服ということになると思います。とにかく乾くのが早いんです。私は自然系を、ナチュラルを売りにしていますので、綿の服とかを着ているイメージがふんだんにあると思いますが、化繊です。旅には化繊です。でも、夜洗うので寝ている時は本当にナチュラルです。イメージは保てたと思います、自然系の、ナチュラルの!

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ヨーロッパの方に現地人と間違われて写真を一緒に撮って欲しいと言われました!

――ナチュラルっていうか土着感ですね。

地主:服を着たままシャワーに入って、石鹸で洗います。これはワイルドなのだろうか、あるいはなんなのだろう、と思いながらいつも服に石鹸をなすりつけています。

――アイデンティティが揺らぎ始めてますが、このまま1位に行っちゃいましょう。

⏩ 次ページに続きます

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