広告企画 2025年6月30日

トルティーヤを振り回し他のプレーヤーをブリトーにするバトルゲーム(プレーヤー:江ノ島茂道)

メタバース上にあるフリーダムなコンテンツを紹介するコーナー。

ネットの黎明期にテキストサイトが流行ったように、いまメタバースには野放図かつ初期衝動にあふれた創作物がたくさんあるという。

このシリーズでは、有識者をナビゲーターに迎えて、そんな「メタバースの端っこ」を体験しに行きます。

インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

前の記事:駅舎を突き抜けてる御神木~ 今週の「これすごくない?」

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ナビゲーター
田中 創一朗

メタバースサービス「Roblox」に詳しい有識者。GeekOut株式会社 代表取締役。デイリーポータルZとは長い付き合い。
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伊藤 はる香
GeekOut株式会社 PR担当。Robloxのアバターカスタマイズにハマり、けっこう課金している。
 
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体験する人
江ノ島 茂道

会社員をしながらライターをしている。2Dアクションが好き。ホラーゲームは怖いのでやったことがない。
好きなゲームは「ロックマンX」「がんばれゴエモン」
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筆者
石川 大樹

デイリーポータルZ編集。インディーゲームが好き。ネットのジャンクコンテンツが好き。
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左:田中さん、右:江ノ島さん。「笑顔でお願いします」と言ったら即ピースの出た江ノ島さん、サービス精神が過剰。

 

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子供にめちゃくちゃ人気のメタバース

メタバースとは、ネット上のバーチャルな三次元空間のこと。数あるメタバースの中から、このシリーズではRobloxというサービスを紹介していく。

Robloxは「ゲーム版YouTube」とも言われる。ユーザー数が3億人くらいいて、メインのユーザー層は13歳前後。たくさんのエクスペリエンス(ゲームやチャット空間)があり、それらのうち大半はユーザーが作ったものだ。

今回はその中から、江ノ島さんにピッタリのゲームを体験してもらいます。

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江ノ島さんが作ってきたアバター(自キャラ)。普通にかわいくて、予想外の方向性。

江ノ島:アニメのキャラっぽいやつにしようと思って。
田中:今までで一番それっぽい!
伊藤:(Robloxの世界に)なじんでますよ

過去に登場した馴染んでなかったキャラ①。べつやくさんの、ギターを背負ったアヒルドーナツ
過去に登場した馴染んでなかったキャラ②。安藤さんの、サメ(青い帽子はドラゴンズを意識)
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一方の江ノ島さん。世界観に合わせる協調性、あります。

さすが現役会社員といった感じである。その協調性はアバターのデザインみならず…

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撮影直前に酔い止めを飲んで挑んでくれた

3D酔いする体質なので、3Dゲームをするときは酔い止めを飲むそうだ。万全の備えと責任感。安心して仕事が任せられる人材である。

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トルティーヤで巻きあうバトルゲーム

田中:今回やるのは、Human Burritoっていうゲームです。

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ゲームを開始すると、手に丸いものを持ってバトルフィールドに降り立つ(※ゲームの仕様で姿が変わってます)

田中:持ってるのはトルティーヤです。他のプレーヤーをこれで巻いて、ブリトーにするんです。

江ノ島:なるほど、これで……あっ!

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開幕、即ブリトーの具にされた江ノ島さん

江ノ島:やられた!!もう負けなんすか?スタート地点に戻りました。

田中:さっそく食べられましたね(笑)
こうやってほかのプレーヤーをブリトーにして食べるのが目的です。

石川:なんで??

江ノ島:ブリトーにしていけばいいんですね。わかりました!

石川:物わかりいいな!?

物わかりのいい江ノ島さん、さっそく油断していた身内・伊藤さんを巻いてブリトーにする。しかし……うしろ!うしろ!
直後、背後から巻かれふたたびブリトーの具に

江ノ島:いやいやいやいや!

石川:(笑)

田中:巻いたあとにEキーを押して食べなきゃいけないんですけど、そこで隙が生まれるんです。

江ノ島:食べてるときに硬直があるんですね。(小声で)面白いな…。

 

誰に言うでもなく漏れ出た「面白いな…」に、江ノ島さんのゲーマー心に火がついたのを感じた。

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石のトルティーヤ、氷のトルティーヤ…

田中:ブリトーを食べるとお金が手に入るので、それで特殊能力を持ったトルティーヤを買えます。

 

なぜブリトーを食べるとお金が儲かるのかは不明だ。だがこういう「何かするとお金が増える」はRobloxのゲームの定番なので受け入れてほしい。

また、それ以前にそもそもなぜ人をブリトーの具にしようと思ったのかも不明だ。こっちはRobloxの定番ですらなく本当に不明である。

お金が貯まるといろんなトルティーヤが選べるようになる

トルティーヤはかなりの種類があり、壁を作ってガードできるレンガトルティーヤや、滑ってダッシュできる氷トルティーヤなど、それぞれ特殊能力を持っている。

氷でダッシュできる氷トルティーヤ。高速移動能力にくわえ、ダイナミックな動きが気持ちいい
地面を盛り上げることができる、石トルティーヤ。スーファミ世代はポピュラスを思い出します

江ノ島:石トルティーヤ強いっすね。

田中:厚いトルティーヤも強いですよ。巨大トルティーヤが落ちてきて敵を倒してくれる。上手く使わないと自分にも当たっちゃうけど。

石川:それぞれ癖があって、高いトルティーヤが圧倒的に強いわけじゃないのが面白いですね。石トルティーヤなんて強いのにすごい序盤の武器だし。

 

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頭の悪くなるゲーム

熱中する江ノ島さん

江ノ島:(敵を追いかけながら)当たんない!当たんない!

 

……カチカチカチ(マウスのクリック音)

 

田中:(知らない技を見て)何あれ!

 

……カチカチカチ

 

石川:あの、この記事、対談形式でまとめるんですけど、さっきから3発言以上続いてる会話がないんですよ。

一同:(笑)

※バラバラの発言をつなぎ合わせてなんとか会話が続いているように編集しています

「友達の家でお菓子食べながらゲームしてる感じにしたいですね」といって持ち込んだ江ノ島さん、コーラを注ぐ暇すらなし

江ノ島:このゲーム、思考する時間が一切ないんです。

田中:頭が悪くなるゲーム(笑)

江ノ島:テンポが速いんですよ。こういう対戦系のゲームってたいてい待つ時間があるじゃないですか。それがないから楽しい。

 

負けたら終わりのバトルロイヤル系ゲームではないので、巻かれて食べられても即座にスタート地点から再開する。そしてマップも狭いのですぐ戦線復帰。とにかくずっと戦い続けるゲームなのだ。

実はこの日、くいしんぼうが来ると聞いて会場に田中さんがブリトーを用意してくれていたのだが、ここまでだれも手を付けず。

 

石川:そろそろリアル・ブリトー食べませんか。

全員ゲームに夢中なので思わず僕が切り出してしまった。思い出したように食べ始めるふたり

石川:休憩タイムじゃなくて、食べながらプレイする感じでお願いします。

江ノ島:こんな重量感あるやつを!?

中身がパンパンに詰まってる。うまそー
「ブリトーうまっ!」と「ゲームが気になる」がちょうど半々になった顔

フルボリュームのいいブリトーだった。が、その美味しさと引き換えに両手で食べざるを得ず、ゲームとの相性が厳しい。そんな状況下で江ノ島さんが編み出した知恵がこちら。

安全地帯で待ち伏せする作戦。せこい!

 

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ブリトーの世界にせまる天災

長くプレイしていると、たまにイベントが起きる。

 

江ノ島:なんかブラックホールができてる!!

近づくと吸い上げられビュンビュン振り回される

ブラックホールはリアルマネーの課金で出現させられる。今回は誰かほかのプレーヤーが使ったようだ。

 

石川:Roblox特有の荒唐無稽な課金要素だ。

江ノ島:吸い込まれたら負けなんですか?

田中:吸い上げられた人は、さいご地面に落ちてダウンします。動けないうちに、呼び出した人がどんどん食べていけるんです。

江ノ島:なるほど!(※)

※自分で質問しておいて、プレイに夢中なので返事が雑

 

そして、しばらくのち……

今度はランダムイベント

江ノ島:あれ、火山噴火って出ましたよ。またイベント?

画面奥にあって、今までただの背景だと思っていた火山が噴火

溶岩に当たるとこれまたダウンしてしまうが、うまく避けつつダウンした人をトルティーヤに巻いていくことで稼ぎ時にもなるイベントだ。

ただ火山の効果はそれだけではなく、もうひとつ隠し要素もある。

 

伊藤:火口まで行って飛び込んだら、火山トルティーヤがゲットできましたよ!(火山トルティーヤを振りながら)

江ノ島:まじ?いきます!(急いで移動)……あれ、噴火終わっちゃった?

伊藤:まだ溶岩飛んできてます!

江ノ島:いける?まだいける??

田中:まだ溶岩来てる!いけます!急いだほうがいい!

江ノ島:まだ大丈夫??どうだ…!?

急いで火山に向かい、火口に突入!火の鳥が生まれ変わるときと同じ儀式だ

江ノ島:間に合った!!!!!あれ?取れない。

火山トルティーヤを取ろうとしてもNG音が鳴るのみ

かなり焦りつつもなんとか火口にたどり着いた江ノ島さんだったが、結果的に失敗だった様子。それもそのはずで……

 

伊藤:あ、あの溶岩、私だったかも…

伊藤さんの画面。どうやら火山トルティーヤの特殊能力を使うと、火山から溶岩が飛んでくるらしい。江ノ島さんが急いで向かってるときに出てた溶岩は噴火イベントのものではなく、伊藤さんがこの武器を振っていたせいだったのだ

石川:本物の噴火はずいぶん前に終わってたってことですね。めっちゃ急いだけど完全に無駄足。

無言でわかりやすく嘆く江ノ島さん

 

最後の決戦

田中:最後に 1 vs 1 で対決しませんか。奥の誰もいない島に行って。

江ノ島:いいっすね。

右奥に見える浮島で一騎打ちすることに

石川:じゃあ僕がスタートの合図しますね。まず二人とも島に行ってください。

江ノ島:着きました。いつでもOKです。

田中:あれ、江ノ島さんいます?いなくないですか?

初歩的すぎる展開

一同:(笑)

石川:江ノ島さん、反対!

江ノ島:そっちにも島あったんすね。知らなかった!

やっと集合

石川:準備いいですか?いきますよ?

3、2、1、スタート!

絶妙なタイミングで知らん人が登場

江ノ島:待って!誰か来た!誰か来た!

すぐに知らん人に巻かれた江ノ島さん

伊藤:漁夫の利が(笑)

江ノ島:食べられたんでスタート地点に戻っちゃいました。

田中:さっきの人は僕が倒すんで、島に戻ってきてください。

江ノ島:行きます!あ、またやられた!敵が多くて難しいです!

田中:こっち(島)もどんどん人が集まってきてて……

なぜか続々と他のプレーヤーが島に集結しつつある

江ノ島:これはだめだ、ぜんぜんだめだ…(笑)

石川:一騎打ち失敗(笑)

 

こういうたまたま起きる謎展開はマルチプレーヤーゲームだからこそ。奇しくもものすごくメタバースっぽい事件でこの日のプレイは終了した。

 

派生していくバトルゲーム

石川:なんでこんなゲームが出てきたんですか?

田中:スラップバトルっていうビンタをしあうゲームがあって、それがすごく流行ったんです。その亜種なんじゃないかな。バーベキューバトルとかもあります。

江ノ島:(関連ゲームを見ながら)ハンバーガーのゲームもある。

伊藤:私はケバブのをやったことあります。個人的にはブリトーの方がやりやすかった。

石川:本連載的にはブリトーがおすすめということで。気になった方はぜひおためしください。

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