こんどはローカンマだ!
以前当サイトに書いた「業務スーパーの『〇〇醤』9種食べ比べ」という記事を読んだある方から、大変嬉しいことに、こんなリクエストをいただきました。
「いつか『ローカンマ』の食べ比べもお願いします!」
あ〜! ローカンマ! 知ってる方は知ってると思うんですが、中国の有名調味料ブランドで、漢字で書くと「老干媽」。発音的には「ラオガンマー」が近いらしいのですが、日本向けの製品にはカタカナでローカンマと表記されているので、この記事ではそれで統一させてもらいます。
で、僕、昔から中国食材専門のスーパーへ行くのが好きで、よく見かけてはいたんです。
ただ、主力商品である、食べるラー油的な「油辣椒」だけでも種類が多すぎて、どれを買っていいかわからない。なので、たまに「これかな」なんて気分で買っては食べるくらいで、それぞれの違いってぜんぜん把握できてなかったんですよね。いい機会だし、やりたい! 食べ比べ!
というわけで、さっそくお店にあるだけ買ってきましたよ。
左から、
・ピーナッツ入りラー油
・豆豉入りラー油
・三種ミックス辣油
・中華納豆&豚肉辣油
・鶏肉入りラー油
・千切り豚肉辣油
・牛肉豆豉辣油
・玉ねぎラー油
の8種類。
ちなみにローカンマの基本情報。創業者である陶華碧(タオ・ホァビ)さんは、1947年生まれの女性。いろいろとご苦労もあったようですが、1989年に小さな食堂を開くと、メインの食事よりもむしろ自家製の油辣椒(以降、便宜的にラー油と書かせてもらいます)が人気となり、他店へもそのラー油を卸すようになるほどの人気を得たのだとか。
やがて1996年、「老干媽」と名づけたラー油製造専門の会社を設立し、国民的人気を得て今に至るそう。ちなみに老干媽とは陶華碧さんのあだ名で、意味合い的には「お母さん」「おふくろさん」的な言葉。彼女が食堂経営をしていたころに面倒をみていた、親元を離れて下宿暮らしをする学生たちからそう呼ばれ、慕われていたことが由来なんだとか。
写真を見て男性と勘違いしていた方も多いようですが(かつての僕もそう)、そういう立派な女性の方だったんですね。
「ピーナッツ入りラー油」
それでは、これ以降はひたすらローカンマを食べ比べ、僕が勝手に思いついた、それぞれのラー油に合うと思う料理とともにご紹介していきます〜。
ローカンマのなかではオーソドックスなタイプだと思われ、そして確かにピーナッツが入っていますね。
そのまま味見してみると、シリーズ全般に言えることですが、基本的にかなり塩辛いです。唐辛子&花山椒の、いわゆる麻辣的な辛さに加え、塩気もかなり強め。まぁ、だからこそ料理のいいアクセントになるわけですが。
そして、ほんのりとほろ苦いほどに揚げられた唐辛子のサクサク感と、ピーナッツのカリポリ感が心地いい。これはあれだ、中華料理の定番に「鶏肉とカシューナッツの炒め」がありますが、あの感覚で鶏肉炒めと合わせてみるなんてどうだろう。
これがですね、もう、笑っちゃうくらいに美味しいし、笑っちゃうくらいに本格的な中華料理になっちゃってる。使った調味料、ローカンマだけなんですけどね。ぷりぷりの鶏肉と、ピーナッツの香ばしさと、塩気と辛味。食べすすむごとに感じだす花山椒のしびれもいい。けっして日本の調味料を使ってささっと作れる味ではないのに、驚くほど簡単にできてしまう。ローカンマ、すごい。
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「豆豉入りラー油」
豆豉(トウチ)というのは、黒豆に塩や麹や酵母などを加えて作る中国の発酵食品。旨味と塩気のかたまりで、どこか同じ発酵食品である日本の納豆にも通じる深みがあり、あらためてじっくり味わってみるととても美味しいものですね。あと、ほんのりとした酸味も感じます。これは豆豉由来かな。
で、意外なことにこの豆豉入りラー油には、花山椒が入っていない。そういうバリエーションもあるんだな、ローカンマ。ゆえに辛味は多少おだやかに感じます。それが豆豉の良さを引き立てているというか。
中華料理屋の前菜によく、たたいたきゅうりのあえものがよくありますが、なんとなくこの豆豉入りラー油、それに合う気がする!
今回もたたいたきゅうりに、ただローカンマをあえただけ。が、これが大正解! あっさりとしたきゅうりにラー油の味が絡み、で、そこに豆豉をひと粒ずつのせて食べるとビールがいくらでもすすんでしまう。なんて有能なんだ、ローカンマ。