ゲームマスターになって人の心をツマミに酒を飲む～ほりさんインタビュー

ゲームマスターという地位

石川:
ほりさん、8月は新しいゲームを2つ考えましたね。
もう1本はこれ。
まだ間に合う夏の工作。磁石でイライラ棒ゲームを作る

ほり:
そうですね。

石川:
ほりさんはわりと新しいゲームを考えるのが好きだなと思って。「最高の人生ゲームで最高の人生を送りたい」とかもそうかな。
「VR体験をしている人とゴーグルをかぶっているだけの人を見分けられるか」これはまさにですね。

ほり:
ゲームというか、遊びを考えるのが好きですね。あとはwhat 3 wordsのジェスチャーゲームもありました

石川:
それから、有名人の広告でビンゴをする、得意な物限定の神経衰弱、自宅で脱出ゲーム……。

ほり:
多い……。

石川:
ふだんからゲーム考えるの好きなんですか？
あるいは単に書きやすいからとか…

ほり:
好きですね。
8月は記事以外にも、謎解きゲームつくりました。

石川:
そうそう、記事以外にもプライベートで作ってますもんね。
ほりげーもあるし。
ゲームを考えるのは、どんなところが楽しいんですか？
注：ほりげーは、ほりさんの個人サイトで、ほりさんが作ったミニゲームがどっさり置いてある。

ほり:
３つあるんですけど、
「ありそうでないゲームをアイディアをめぐらせて考えること自体が楽しい」
「アイディアを実現させてWebゲームやリアルの遊びに落とし込む過程が楽しい」
それから「自分の考えたゲームをみんなに遊んでもらい感想をもらうのが楽しい」です。

石川:
3つの中でどれが一番興奮します？

ほり:
３つめですね。
さっき貼った自作の謎解きゲーム「謎ときeight」は解くのに３時間かかるんですが、公開したあと一番楽しかったのが、グループ通話で友人3人に相談しあって解いてもらいながら、僕はそれを眺めて酒を飲むという…。

石川:
あはは、支配者だ。

ほり:
「あーそこ違うのになあ」とかひとりでニヤニヤしながら。
ゲームマスターですよね、そういうのありますよね。

石川:
アニメにそういう悪役いますね。
あの立場、現実世界でもなれるんだ。

ほり:
酒がすごい進みました。性格悪いですけど。

石川:
人の心をツマミに酒を……。

ほり:
よすぎて、後日また別のグループにも解いてもらいました。

石川:
二次会だ。

ほり:
（笑）

石川:
それ、ライターでやりましょうよ。配信で。
編集部で相談してみます。

ほり:
ぜひ！

石川:
Zoomの画面でこんな感じで

ほりさんだけが君臨するポジションにできないですかね。

ほり:
おお、悪のゲームマスターだ。

石川:
手元のボタンを押すと任意の参加者に罰を与えられる。

ほり:
電気が流れる？

石川:
それか、前に作った座禅マシーンでどうですか？

ほり:
ありましたね、坐禅マシーン。
いまだに坐禅できないですけど。股関節硬すぎて。

石川:
股関節柔らかくするゲーム作りましょうか。
リングフィットみたいに、股関節を柔らかくして敵を倒すやつ。
曲げセンサっていうのがあるので、これ使ったらできますよ

ほり:
股関節の開きを測るデバイス。

石川:
これで股関節を開いてドラゴン倒しましょう！
股関節に封印されていたドラゴンを倒す旅かな。

ほり:
コカンフィットアドベンチャーですね。

石川:
コカンフィット…

ゲームづくりがもたらす圧倒的成長

石川:
ゲームを考えるコツというか、どういうときに思い付くみたいなのはありますか？

ほり:
思いつくタイミングは本当に急に降りてくるので、それを待つのと、降りてきたときに忘れずにメモっておくことですね。
移動中（外を歩いているとき）とお風呂と寝る前のベッドで思いつきやすいです。

石川:
リラックスしているときってことかな。
時間とって考えたりはしないんですか？

ほり:
意識して考えるのは、次の記事の企画どうしよう と考えているときに、結果的にゲームにたどり着くパターンです。

石川:
意識しててもリラックスしてても結局ゲームに行きつく。寝ても覚めてもってやつですね。

ほり:
意識的に考えるときは、ちょっとずるいんですけど、
ランダム単語ガチャを使ってます。

石川:
あ、これはいいですね。
単語からどういう感じで発想しますか？

ほり:
一度に出る単語数を５個に設定して、組み合わせを考えたり、単独で考えたり。
坐禅マシーンはそうでしたね。ゲームじゃないけど。

石川:
確かにゲームすぐできそうだな―
「動き回る鍵」っていうのが出ました

ほり:
もうそれゲームになりますね

石川:
でも結局ここからどうゲームの形に実装していくかですよね
カギに車輪付けて動き回らせるのか、誰かが持って逃げるのか、「動く」って移動じゃなくて形が変わるのか、みたいな。

ほり:
そういうの考えるのが楽しいんですよね。ひとりブレスト。
あとは自分の持っているスキルとにらめっこしながら、ときにスキルを成長させながら実現していくという、Webゲームだとプログラミングがありますからね。

石川:
ゲームによる成長！

ほり:
ソース二度づけ禁止マシンのときにニューラルネットワークで画像判定したり、自然の緑でクロマキーも画像処理です。

 石川:
デイリーポータルZで執筆することにより、こんな技術的成長が…！

ほり:
次の記事もAIですしね。

石川:
あれはいいですよ。まだ何をするかは秘密ですが、読者のみなさんぜひ楽しみにしていてほしいです。

ほり:
実現できずに、全然ちがう企画になってたら察してください。

石川:
コンビニお菓子の秋限定商品レビューとかすごい平たいやつに。
そしたら失敗したんだな、と思って、それをツマミに酒を飲んでいただきたいです。読者のみなさんには。

妖怪はAIか

ほり:
AIにオリジナルの方言を作らせたいです。

石川:
あー

ほり:
言語論を勉強しないととりかかれないかもしれない。10年仕事ですね。

石川:
そこからなんだ。
AIに考えさせて、人間の話者第1号としてマスターしたいですね。

ほり:
あと全然違うんですけど、自分でキーボードを押すAI作りたいです。
ノートパソコンに手が生えてて、自分でキーボードを押す。
それが運良くプログラムを書いて成長する。

石川:
自分で自分をプログラミングする感じ？

ほり:
これがシンギュラリティだ！！！

石川:
それAIですか？化物じゃないですか？

ほり:
化け物ですね。

石川:
「妖怪しんぎゅらりてぃ」じゃないですか？

ほり:
ぬらりひょんみたいな字面

石川:
しんぎゅらん

ほり:
ただ、あんまりAIっていうと怒られるんですよね。どこからがAIなのかは人によって意見が分かれるので難しい。
僕がやろうとしているのはただの機械学習の範囲内かもしれない、とか。

石川:
妖怪くらいまではAIでいいですよ。
ぬらりひょんも広義のAI。

ほり:
段ボールに僕が入ってAIの職業体験をするのはどうでしょう

石川:
お、ちょっと風刺っぽいですね。
顔写真の性別を100万枚見分けたりするやつですね。

ほり:
「私はロボットではありません」が難敵ですね

石川:
AIパラドクスが。
では10月ですかね、記事「AIになる」は

ほり:
ご期待ください。

石川:
ほんとにやるんだ…。