特集 2020年8月26日

逃げ回るQRコードを狙ってスキャン!QRコードシューティングゲーム

QRコードを使ったシューティングゲームを考えた。大きな画面に動き回るQRコードを映し出し、いち早くカメラで読み取るというものだ。遊んだらけっこう盛り上がった。

1992年三重生まれ、会社員。ゆるくまじめに過ごしています。ものすごく暇なときにへんな曲とへんなゲームを作ります。

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QRコードを使ったシューティングゲーム

QRコードは便利だ。カメラで写すだけでテキスト情報を読み取ることができる。その歴史は古く、デンソー(現在は分離し、デンソーウェーブ)で1994年に発明された。もともとは工場の部品管理のための物だが、今ではQRコード決済やポスターなど、日常場面でも使われている。

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QRコードがあれば、長いURLもカメラで撮影するだけで読み取れる。(筆者がDPZで一番好きな記事へのリンクをQRコードにした。)

そんな便利なQRコードを、あそびに使いたい。考えたあそびの仕組みはこんな感じ。

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読み取り→叫ぶという単純なシステム。ちなみに、正解判定はゲームマスターが行う。ここに若干のアナログさがある。

これはつまり、誰が一番早くQRコードを読み取れるかというゲームである。動き回るQRコードに翻弄される人間たちの姿が目に浮かぶ。

どうやって動かすか

さて、動き回るQRコードは、Webページで表現することにした。ここから実際に遊べます。

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なかなかに複雑な動きをする。ランダムに動くようになっているので、動きが予測できない。

このくらいの速さや大きさだと簡単だが、もっと速くて小さくなると途端に難しくなる。このあたりは画面の大きさや周囲の環境に応じて調整が必要だと思う。そこで、URLのパラメータを変えればQRコードの大きさや動く速さを変えられるようにした。

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見事、読み取りに成功すると、何かしらの単語が表示される。プレーヤーはこの単語を叫ぶというルールだ。

あとは、このWebページをプロジェクターで大きく投影し、遊んでもらう。楽しみだ…。

QRコードシューティングで遊ぶ

編集部におじゃまし、QRコードシューティングで遊ぶことにした。参加してくれるのは編集部の安藤さん、藤原さん、石川さんの3人だ。

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左から安藤さん、藤原さん、石川さん

レベルは1から10まである。ひとつQRコードを読み取るごとに1ポイントが入る。より多くのポイントを獲得したら優勝とする。

まずは筆者がゲームマスターで、編集部の3人がプレーヤーでやってみる。

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公平のため、全員この状態からスタートする。「よ~い…」
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「どん!」すぐさまポケットからスマホを取り出し、戦闘態勢である。
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QRコードを真っ先に読み取り、「朝ごはん!」と叫ぶ安藤さん。
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初正解に笑みがこぼれる安藤さん「のび太君になった気分。のび太君こういうの得意だよね」

ちなみに、レベルが進むと速度もどんどん速くなる。しかも、途中から同時に2個出たり、3個出たりする。速いし多いし大変だ。

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動き回るQRコードを前にわちゃわちゃしている人々。しかし、プレー中の現場は思いのほか静かで、集中しているのが伝わってきた。
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壁に向かってスマホを掲げる行為は、とても平和だ。

これを繰り返し、レベル9の終了時点で石川さん6ポイント、安藤さん4ポイント、藤原さん4ポイント。いよいよ、次のレベル10が最後である。

安藤さん「最後は10ポイントにしましょうよ」

そこまでいうなら…。と、最後のレベルはひとつ10ポイントになった。これで、誰にでも優勝のチャンスがある。

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レベル10ともなるとQRコードが激しく動き回るが、これまでのレベルで読み取りスキルを高めてきた3人は、ものの数秒で読み取りに成功する。

 

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スコア表。(実は、あらかじめ答えを表にしておいて、正解者に〇をつけるようにしておいた。) 結局、最後の問題は各自1つずつ読み取ったので10ポイントにした意味がなかった。
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石川さんが逃げ切って優勝!

あっという間に終わったが、なかなか盛り上がった。QRコードを引いて撮影すると小さすぎて読み取れず、かといって寄りすぎるとフレームに収めにくい。意外と戦略性があるようだ。

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QRコード読み取りアプリ、何を使うか問題

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ゲーム後、使用したQRコード読み取りアプリを披露し合う3人。

ここで発生したのが「QRコード読み取りアプリ、何を使うか問題」である。アプリによっては、読み取り速度をアピールしているものがあり、(本当かは分からないが、)やはり、そういうアプリを使いたくなる。

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このあと、筆者もプレーヤーとして参加したが、デフォルトのカメラアプリを使って3ポイントしか取れず惨敗。

筆者は専用のアプリを入れず、iPhoneにデフォルトで入っているカメラアプリのQRコード読み取り機能を使ったが、惨敗してしまった。やはり、QRコード読み取りアプリはよく考えて選んだほうがよさそうだ。シューティングゲームでいうところの、自機の性能に関わる部分だ。

 

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安藤さんは新たに導入したQRコード読み取りアプリが良かったようだ。この喜びようである。ただし、何回かに一回、読み取り後に広告が表示されて負けてしまうこともあった。

天井をつかうと楽しい

せっかくなのでプロジェクターを天井にも投影してやってみる。一体どうなるんだろう。

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天井をあちこち動き回るQRコード
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なんだか、いいなぁと思った。不思議空間。夢に出てきそう。

こうなってくるといよいよアトラクションという感じがする。プロジェクターを複数用意して部屋全体にQRコードを表示すれば、イベントとかで盛り上がりそうだ。

今回はプロジェクター1台で遠くから天井に投影していることもあり、QRコードの歪みが大きくなってしまう。そうなるとなかなか読み取ってくれない。

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そんな中でも淡々とポイントを獲得していくのが、手前に座る藤原さん。歪みが小さくなるところで待ち伏せする作戦のようだ。
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途中から寝転がることで天井と平行になる作戦が採用される。
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もうひとつの楽しみ方、早撃ち勝負!

実は、もうひとつの楽しみ方も用意している。早撃ち勝負だ。今度はQRコードが動かない。ここから実際に遊べます。

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何秒か経つと画面が赤くなり、QRコードの内容も変わる。変わったらすぐにQRコードを読み取り、示された言葉を叫ぶ。それは、西部劇の早撃ちガンマンのようであり、星のカービィ スーパーデラックス の「刹那の見斬り」のようでもある。

白い画面のときに表示されているQRコードはダミーであり、それを読み取ってしまうとお手つきになってしまう。赤になったあとに素早く読み取るというゲームだ。QRコードが動かないので、単純に所作の早さだけで決まる。

 

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QRコードが切り替わるのを待つ3人。早撃ちガンマンを意識して、ポケットに手を突っ込んだ状態からスタートするルールにした。写真をセピア色に加工すると雰囲気が出る。
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慣れてくると3人とも結構な早さでスマホを取り出すことができるようになっていた。こんなスキルが役に立つ場面は特にないが、なんだかかっこいい。

判定も自動化したい。

今回は「誰が最初に叫んだか」をゲームマスターが判定していたが、できればここも自動化したい。WebブラウザでQRコードリーダーを作り、どの端末が何を読み取ったかをサーバーに送信すればできそうだ。読み取った瞬間に画面からQRコードが消えたら、ますますシューティングゲームっぽい。今後の課題とさせてください。

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