とても満足している
自然の緑でクロマキー合成をしたいという謎の願望が叶った。あんまりきれいに合成できないところもあった。自然は手ごわい。それでも満足している。この記事を通じて何かを伝えたいとかはない。僕は自然の緑でクロマキー合成をやりたくて、それが実現した。うれしい。それで十分だ。自然よ、ありがとう。
クロマキー合成という技術がある。緑色の布の前に立って撮影し、合成を行うというものだ。自然の緑であれをやりたい。理由はない。思いついたことなのでしょうがない。この夏、僕は自然の緑でクロマキー合成をした。
クロマキー合成について簡単に説明すると、緑色の布の前に立って撮影し、緑色の部分だけをコンピュータで抽出し、画像をはめ込むというものである。テレビや映画の撮影で合成を行う時に使われる。プリクラ機でも使われている。
数年前、ウェザーニュースにゲスト出演したガチャピンがクロマキー合成のせいで透明になってしまい、ネットで話題となった。実際に背景かどうかに関係なく、緑色のものを切り抜いて合成してしまうため、このようなことが起きる。
自然の緑でクロマキー合成をやりたい。そこで、まずはクロマキー合成をプログラミングで実装する。仕組みは次の通りである。
これをPythonという言語でプログラミングし、実現する。
一通りできたので、試してみる。
思っている以上にうまくいった。これを人工芝ではなく天然の緑でやりたい。外に出かける。
緑を求めて、生田緑地という場所に来た。特に下調べはしなかったが、緑地と書かれているので緑がたくさんあるのだと思う。
さっそく、先ほどのプログラムでクロマキー合成をする。
ん~。なんかイマイチ。うっすらと天気予報がみえるが、家でやったときほどうまくはいかない。
理由はおそらく2つ。
① 部屋の中と外では明るさが違う
② 森の緑は一色ではなく、いろんな緑色がある
天気予報のおじさんになりきるため、暑い中スーツを着てきたというのに、このままでは失敗で終わってしまう。
さっそく、その場でプログラムを修正する。
プログラムを修正し、「どの部分を緑色と認識するか」という設定を変更した。
さらなる改善として、森の緑は濃い部分と薄い部分があって一様に緑というわけにはいかないので、芝生の緑を使うことにした。
さっきよりはマシになったきがするが、芝生の砂の部分が緑色と認識されず、ノイズのようになってしまう。しかし気が付いた。
右のほうにきれいな良い芝生がある。しかし、そこは芝生の張替え中で立ち入り禁止となっている。そこで、立ち入らずにグリーンバックだけ写るように頑張る。
まだまだ完ぺきではないが、ある程度は出来ていると思う。これ以上のクオリティは求めず、自然の緑でクロマキー合成をしているこの現状を楽しむことにする。
場所を変えてみる。生田緑地には菖蒲園があるので、そこに移動する。
菖蒲園に来た。
菖蒲園にずかずかと入るわけにはいかないので、またしても工夫が必要である。
柵のぎりぎりから腕を伸ばす。そうして合成された画像がこちらである。
草は難しい。一本一本の光の反射や影が映りこんでしまう。芝生が一番良かった。グリーンバックに向いているのは芝生だ。クロマキー合成をしたいときに緑の布がないときは芝生で撮影すれば良い。そんなことが分かった、26の夏。
自然の緑でクロマキー合成をしたいという謎の願望が叶った。あんまりきれいに合成できないところもあった。自然は手ごわい。それでも満足している。この記事を通じて何かを伝えたいとかはない。僕は自然の緑でクロマキー合成をやりたくて、それが実現した。うれしい。それで十分だ。自然よ、ありがとう。
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