食べくらべ特集 2021年4月23日

この際「レトルトのハヤシ」を大量に食べ比べてみたい!

ハヤシが森になる勢いで食べ比べました。

そういえばハヤシライスが好きだ。そういえば、というのは普段はカレーのほうを主に食べているからだ。まぁカレーと比べるのもどうなんだと思うが、比較されやすいのが常である。

カレーの記事はひんぱんに見かけるのに、ハヤシとなると皆いっせいに押し黙る(個人の感想です)。なぜなんだ。この世にはハヤシもあるでよ。

というわけで、いい機会なのでここらでたくさんのレトルトハヤシを食べ比べてみたいと思う。そこには筆者独自の裏テーマもあったー

1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

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 インターネットの伝統芸能 食べくらべ特集! 

いにしえよりネット記事界で受け継がれてきた企画、食べくらべ。
食べてくらべて知見を得る。そんな記事だけを6本集めました。
 

はじめに:私のハヤシとは

まずその「裏テーマ」を記しておく。

子供の頃からレトルト物はたまに食べていたが、中でもハウスの「ククレ」シリーズにはお世話になった。ちなみにカレーは中辛派です。

そしてそのククレには昔、「ハヤシ」もあった。これが今になって、たまに猛烈に食べたくなるときがあるのだ。探してももうどこにも売ってない(メーカーに問い合わせたところ、2003年に販売終了したとのこと)。

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…おぼろげな記憶を頼りに描いたククレハヤシ…(嘘。写真を見て描いた)

 

当時はそんなに熱烈な思いで食べていた記憶はないので、今になってなんなんだと思う。あれか、失ってこそ輝くというやつか。

あの妙にすっぱい人工的なトマト?風味。けっこうな赤さ。安っぽ…もとい、庶民的な味わい(全部マジで褒めてます)。ああ、あの安っ…安心の味を、いま再び。

今回はその「記憶の中のククレハヤシ」に迫るハヤシがないかどうかも、確認させていただこうという、公私混同企画でお送りします。

さあハヤシライスまみれの1日が始まるぜ

近所のスーパー、そしてネットからも少しだけ補完し、買い集めた17種。

当初は思い出の庶民派ハヤシに見合うような価格帯のを、と探していたのだが、ハヤシの世界には「ここからが安…じゃなくて庶民派ハヤシですよ」という確固とした境界線などあるわけもなく、少しづつ高めのも集め始めたらもう「この世のハヤシ全てを食い尽くす!」みたいなテンションになってしまい、気づいたら最高価格は700円!もちろんレトルト本体のみのお値段である。それでもハヤシと名乗っていていいのか。

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高そうなのほど写真が遠い、もしくはいっそ無い。
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うわぁ、思いっきりハヤシを堪能していいのね!(このときまでは)

ちなみに、ハッシュドビーフと銘打ってあるものは外した。あくまで「ハヤシ」比較であるし、増やしたらもう訳わからんだろうし(ハウス食品のサイトには「明確な違いはない」「イメージとして子供が好きな味がハヤシ、大人な味がハッシュド〜」とは記されている)。

ハヤシに絞っても、17種ある時点でもうこの記事どうなるかわからない。こんなにあったのかお前ら、という、軒下の母猫が予想外の数の子猫を産んでたような気持ちである。

ここから10点くらいに絞ってもいいのかもしれないけど、誰を外すかなんてもう考えられない、みんなもう家族だ、この数のレビューも他にないと思うし、始めてしまおう!ご飯も2合半炊いた!

独自のハヤシ評価法を採用

私は味の専門家ではないので、あくまで主観、やりたい放題という形で記させていただくので、苦情などは送ってこないように。

・「あの味」度(ククレハヤシに近いかどうか):星が5つで満点
・酸っぱさ:同上
・ビーフのアピール度:同上
・ハヤシ寄りかハッシュ寄りか(子供寄りのシンプルな味か大人寄りの複雑な味か)
・他講評

酸っぱさ&ビーフ度、そしてハヤシかハッシュか、って重複してる概念よなぁ…と思いつつ、まぁこういうのはイメージだから…という隙だらけの基準でお送りする。うまいかどうかも明記しない。それは皆様が体験して、感じることだから…

まずは、中くらいの価格帯から。

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新宿中村屋「ビーフハヤシ」
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ハヤシな1日の始まりだ!(このときまでは…)

 

【あの味度】★★
【酸っぱさ】★★
【ビーフのアピール度】★★★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】けっこうハヤシ

おおぅ…まろやか〜ん(ほら、これくらいの精度の感想である)
最初に基準となりそうなこちらを選んだだけあって、安心感のある味だ。ハヤシってこうだよね、という「ハヤシのイデア」的なお味である。

 

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S&B「本日の贅沢 濃厚赤ワイン黒ハヤシ」

【あの味度】★
【酸っぱさ】★★
【ビーフのアピール度】★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】けっこうハッシュ

ひとくち食べて「ワイン!」と思って箱を見たらやはりワイン推しであった。赤ワイン入りの黒ハヤシ、赤か黒かどっちなんだ。そしてまさにデミグラス!って感じ。もはやデミグラスソースそのものと言っていいだろう。

ちなみに「黒ハヤシ」とあるがそこまで黒っぽくない。それは次のハヤシを見たからである。

 

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S&B「噂の名店 グリルグランド 浅草ハヤシビーフ」

【あの味度】★
【酸っぱさ】★
【ビーフのアピール度】★★★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】どちらかといえばハッシュだが計測不能でいいですか

計器が壊れた。ハヤシと違うだろ!ってくらい違う料理のような、焦がし風味と香り。味深すぎ問題が勃発。まだ3つ目なのに。これは気合い入れていただくべき、でないと体ごと持っていかれる。

メモに「口の中がキャンプ」って書いてあった。あとは想像してくれ。

 

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MCC「100時間かけたハヤシ」
【あの味度】★★
【酸っぱさ】★★★
【ビーフのアピール度】★★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】けっこうハヤシ
 
おなじみ、工程時間がパッケージに書かれていることで有名なブランドである。ありがたさ100%増。
 
まろやかな中にバター感がしっかり。
でもそんな表層のことよりも、奥のほうで何かいろんなものがすごく頑張ってる感がある。深いところからオレを呼ぶ声がする。
 
人はそれを、隠し味という。

 

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成城石井「24ヶ月熟成パルミジャーノ・レジャーノのビーフハヤシ」
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初の犬寄せハヤシ!
【あの味度】★
【酸っぱさ】★
【ビーフのアピール度】★★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】計測不能

最初、ハヤシ自体が24ヶ月熟成かと思った。それじゃ何千円出しても買えんだろう。24ヶ月とはパルミジャーノのことである。

さてこれも計測不能である。ぎりぎりハヤシでない、何かに突入している感がある。その原因はなんといってもパルミジャーノ、つまりチーズ風味がすごい。その証拠に、今回初めてうちの犬が覚醒して寄ってきた。どこで容器を開けても、チーズのことならば遠方からかけつけるヤツのアンテナに初めてかかったハヤシなのだ。

 

このあたりから、少しづつ庶民派ハヤシの域に入る、心して読んでくれ。 

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S&B「発酵&焦がしバターの国産デミハヤシ」
【あの味度】★
【酸っぱさ】★★
【ビーフのアピール度】★★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】どちらかといえばハヤシ

デミの嵐がまたもわ〜っと私を包みこむ。こちらの場合、その嵐の中心にはバターが回っている。しかも「焦がし」だ。看板通りである。

メモには「はぁバターバター」と謎の合いの手が添えられていた。バター感に幻惑されたのはわかるが、そろそろ壊れかけてきてもいる。

 

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明治「銀座ハヤシ」
【あの味度】★
【酸っぱさ】★
【ビーフのアピール度】★★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】けっこうハッシュ

食べ比べてみるもんですな。

これもド定番のブランドなのと、ハヤシ疲れから、まぁ似たようなハヤシ感だろと思っていたのだが(何気に超失礼である)、マッシュルームがアピって来るおかげか、想像と全然違う風味がたなびく。

安い感じではないのだが、気楽さもまとった、まさに洋食屋の正しいハヤシという感じだ。最後しっかり褒めて終わる。

 

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ハウス「完熟トマトのハヤシライスソース」
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うお!っと声に出すほどの、独自の色合い。
【あの味度】★
【酸っぱさ】★
【ビーフのアピール度】★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】やっぱりハヤシでしょう

オムライスだ、これ。ハヤシソースだけでオムライス感が出ている。カレースタンドとかで「ハヤシです」ってこれ出てきたら明らかな違和感だろう。

トマトだたぶんその原因。お子さんが好きなほうのトマト、つまりケチャップ感。トマトライスと言ってもいい。これはこれでくったくのない味なのでOKだ。

さてここまで来て、腹が爆発した。動けない。昼の部は閉店だ。

2合半用意したご飯が半分になった。これからはご飯もうちょっと減らしたいな…でもやっぱりご飯と一緒に食べてこそなので、犬の散歩で腹ごなしに行く。夜、また再開するが、光源変わっちゃうのでそこはご了承ください。

***

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夜の部、スタート。

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ハチ食品「ウチの定番ハヤシ」
【あの味度】★★★
【酸っぱさ】★★★★
【ビーフのアピール度】★★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】ハヤシ

お!「あの味度」が高いじゃん!と思った方、そうなんである。私のイメージするハヤシに近い。後からトマト的酸味も強くなってきて、思い出をくすぐっていく。

ちなみにダイソーで購入。ここらへんから庶民派ハヤシの愉快なマーチが始まる。

 

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S&B「おいしいハヤシ」
【あの味度】★
【酸っぱさ】★
【ビーフのアピール度】★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】どちらかといえばハヤシ

なんだろう、ハヤシにしては少し変わった味だ。朝から1日ハヤシでついに味覚が狂ったか。

…とか言ってないで解析だ。ルルルルル…ねっとりと、野菜ジュースいっぱい入ってる感があるな。パッケージにも野菜推しなのでそのせいだろう。これ、最初に食べておきたかった。

 

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オリエンタル「マースハヤシ」
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カレーかハヤシかどっちでしょうクイズ。
【あの味度】★
【酸っぱさ】★
【ビーフのアピール度】★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】どっちかと言えばカレーだったりする?

「ハヤシもあるでよ〜」のCMでおなじみ、オリエンタルマースカレーの姉妹品である。

ところで、私が今までで一番おいしいと思ったカレー屋が調布にあるのだが、そこはどこまでも「家のカレー」っぽいのだ。なにが魅力的かというと、たぶんバナナとかりんごとか、フルーツがたくさん入った甘味が強く感じられ、シンプルだけどめちゃくちゃうまいのである。

このハヤシが、その食感や色味にすごく近い。チャツネ感がすごい。カレーがハヤシに転生した、って感じ。なんだそれ。

ギリギリハヤシ。カレーかハヤシか迷ったらこれを食べて気がすむのかどうか、いつか試してみたい。

 

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ハウス「咖喱屋ハヤシ」
【あの味度】★★★
【酸っぱさ】★★
【ビーフのアピール度】★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】ハヤシだハヤシ!

実は、事前に「これがあのククレの後継種では?」とアタリをつけていたので、最後のほうに持ってきた。

でも、「あの味」じゃない気がする。しっかり美味しいのだ。今度はククレに失礼だね。というか、現代的に複雑化していて、安さにしては頑張っている印象。ハチ食品、中村屋みたいに定番中の定番であろう。
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もうこれが思い出の味ってことでもいいです。

 

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大塚食品「マイサイズ 100kcal ハヤシ」
【あの味度】★
【酸っぱさ】★
【ビーフのアピール度】★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】計測見送り

ちょっと変化球で、カロリーコントロール物も入れてみた。

今日他にハヤシ食べてなかったら良かったかもしれない。比較したらいかんよ。この子もよくやってるのよ。

この戦いが終わったら、普段使いとして食べることにしよう。

さぁ…ここからが、500円以上の、北野エースとか成城石井とかで買うような、めくるめく高級ハヤシのお通りですわよ〜

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人形町今半「芳味亭ビーフハヤシ」
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良い深み。
【あの味度】★
【酸っぱさ】★
【ビーフのアピール度】★★★★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】ハッシュ!ハッシュ!

最初のほうの浅草ハヤシビーフかこれか、ってくらいビーフビーフしている。

甘み!肉由来の!さすが!とめちゃくちゃな倒置法で表現するほどうまい。

しかも自然な甘みだからか、後味がさっぱりしていて重くないのだ。素晴らしい。
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うずのくに南あわじ「淡路牛オニオンハヤシ」
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香りで「お!」と止まった瞬間を再現。
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ひとくち口に運んだあとの顔を再現。
【あの味度】★
【酸っぱさ】★
【ビーフのアピール度】★★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】どっちだ???

もうあってもなくてもかまわんような講評ですまん。

しかしこれは今までのものとまた違う方向から攻めてきたな。甘い〜!玉ねぎの甘みってやつかこれが。なぜかフルーティさまで感じるぞ。

玉ねぎが濃くて美味しいドレッシングってあるだろう。あれの親戚、同位体って感じだ。ハヤシの世界が広がったなぁ。

ずっと甘みが後をひき、当然評価も分かれそうではあります。

 

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アヲハタ「麻布十番シリーズ ハヤシビーフ 赤ワイン煮込み」
【あの味度】★★
【酸っぱさ】★★★
【ビーフのアピール度】★★★★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】ハッシュだハッシュ

今日2つ目のビーフ度星5つである。もうこれハッシュの称号を授けたい。

ワイン度も高めだ。しかし意外と「あの味度」も2点もぎ取っている。ククレをワインで豪華にしたらこうなる?もしかして思い出のククレのあの酸味を再現するには、トマトよりもワインでいいのかもしれない。わからなくなってきました…

 

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日比谷松本楼「松本楼のハイカラ ハヤシビーフ」
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後日あらためて食べよう…
【あの味度】★
【酸っぱさ】★
【ビーフのアピール度】★★★★
【ハヤシ寄りかハッシュ寄りか】超ハッシュ

本日最高額700円のがこちらになります。

最後の表情でお察しください…

バター風味がこっくりと、しみじみうまい。酸味とかビーフ味とかの騒ぎを窓の外に見ながら、昼下がりに静かに脂肪のうまさを味わっているような感覚である。

以上、17種、主観のみで調査いたした結果である。

「あの味」探しの裏テーマは達成できたのかどうか。今思えばハチ食品のが近い気がしているが、もうそんなこと気にならないくらい、今は、当分ハヤシライスには近寄らないでおきたい、そんな気持ちだ。

今回はさすがに日本の全種のハヤシは取り上げられなかったが、半年後、いや1年後2年後くらいにまたチャレンジしてもいいかな、とは思っている。

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翌日からも、残ったハヤシ。もう当分ハヤシは大丈夫です先生…!

 

 インターネットの伝統芸能 食べくらべ特集! 

いにしえよりネット記事界で受け継がれてきた企画、食べくらべ。
食べてくらべて知見を得る。そんな記事だけを6本集めました。
 
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