過去の私に渡したい商品ナンバーワン
熱さまシートストロングは「つらい発熱」や「ひどい歯痛」などにとパッケージにはあった。
ただの「発熱」や「歯痛」を越えたころ、強烈に助けてくれるだろうこと、身に染みて良く分かった。
そうして思うのは、あのころの私へ渡したい! という気持ちだ。
親不知を抜いてほっぺたを腫れでパンパンにさせたのはもう20年前か。あのころの私に渡してみたい。
未来の私には歯痛にも発熱にも困っていてほしくないので、主に過去の私に渡したい。
熱さまシートにストロング版があり、パッケージであの人がこちこちに凍っていると、ウェブマスターの林から聞いた。
すぐに調べたところ、本当だ。熱さまシートでかつてひたいから熱を発散させておだやかに眠っていたあの人がメガネもろとも凍っている。
大変じゃないか。大丈夫なのか。
使ってみました。これは凍るわ。
熱さまシートにはこれまで発熱時などに大変におせわになってきた。インフルエンザなどで高熱にうなされたときに貼ると単純にとても気持ちが良い。
そこへやってきたストロング版。
パッケージのおなじみのあのメガネの人が凍っている。よかれと考えてのストロング版だとは思うが、凍ってしまうというのはどうか、死に近い状態ではないのか。
ストロング版は「冷凍庫用」とある。冷凍庫でも凍らない特殊ジェルが使われているのだそう。
冷凍庫で冷やさなくても使えるともあり、使い比べとしては以下の4通りを実施するとよさそうだ。
冷凍については、ストロング版の使用法に書かれているとおり4時間以上冷凍庫に収納した。
貼っては休みを繰り返し、4パターンをためした。
ざっくりいうと、ストロング版、めちゃめちゃ積極的に冷やしてくるぞということが分かるのだが……ひとつひとつ簡潔に紹介していきたい。
ちなみに被験者の私は発熱状態になく歯痛もない健康状態だ。熱さまシートは熱をもちつらいときに気持ちが良さを発揮するものなので、「まあ平常時の人が使ってるからな」くらいの感じでご覧いただければ幸いです。とはいえ発熱した額にもストロング版はすごいと思う。
頭にきたときや勉強に集中するときにカーっと頭が熱くなる、そういうときに貼るという話も聞いたことがある。「すこし頭を冷やそう」という慣用句があるが、本当に物理で冷やすのだ。発熱していなくても気軽に使える安心感がある。
貼ってみる。
うん、知ってる。知ってる知ってる。既視感じゃない、既体感というんだろうか。体感したことのある冷たさ。
最初のひやっとした冷たさが体温とまじりあい、以降ぬるくおでこを冷やす。ご存知のやつだ。
続いて常温のストロング版。
基本的には冷凍庫で冷やして使うもので本来の力を発揮しているとは言えない状態だろう。
準備万態ではない状態で使うのはもったいなくもあるが、ものの試しなのでゆるしてほしいとおでこにはった。
ちょっと! ちょっと待ってくれ! これは、これは、これは強い。なるほどストロングこうですか。
口にミント系のガムを含みすぎたのかと錯覚した。額からいきなり頭蓋骨全体が冷たい。
冷たさがアグレッシブで、やってやらんという気概がある。中に分け入ろうと、冷たさを前に進めようとしてくる。冷たさが突進し、額から口へ、額から脳のひだへ入る。
うわー。
貼っていられないほどではないのだ。でもこのままでは全身がやられると不安になりはがした。
ロボットがよかれと思って親切をするがその力が強すぎてちょっと困る、みたいな描写、よくSFなんかであるが、あれだ。
常温でこうなら冷凍するとどうなっちゃうんだろう……。
熱さまシートストロングは前述のとおり冷凍庫でキンキンに冷やしても凍らないジェルで作られているのが売りだ。
つまり、通常の熱さまシートは冷凍庫で凍るということだろう。
わかっていたが、カチカチだ。あ、なるほどこれは貼れないわ、冷凍できるタイプを開発するのもなるほどだなあと合点していた。
しかししばらくすると早々に解凍がはじまりやわらかくなってきたじゃないか。
あれ、貼れる? 貼ってみた。
顔がすごいので写真のサイズを小さくしておきました。痛いのだこれが。
冷たすぎて痛い。結果、10秒も貼っていられなかった。さきほどのストロング版は心底冷たいが一方で貼っていられたのだ。
熱さまシート、本気を出すとこんななの! 完全に覚醒してんじゃん!
ちょっと待って、冷凍庫で冷やしたストロング版はどうなってしまうのだろう。
本当に冷凍庫に4時間以上入れてもばっちり凍っておらず、額のアールにフィットし貼れる。
なにかあっても対応できるよう、あらかじめ横になって貼った。
はい、はいはいはい、はいはいはいはいはいはい!
理解がやってきた。
ものすごく冷たい。常温のときと同じように攻め入るように内部を冷やしていく。とくに頭への侵攻が早い。
通常版を凍らせたときのような痛みはなく、ただただ、どんどん寒くなる。
貼ってはいられるので死は感じない、ただ、このままだと凍ってしまうのではという予感がある。
コールドスリープするやつだ。
結果的に、一番冷たさがやばいのは通常版を凍らせたものだった。
通常版常温 < ストロング版常温 < ストロング版冷凍 < 通常版冷凍
通常版冷凍はメーカーが推奨していない行為のため私の反則だ。
反則とはいえ、やさしい人は怒らせると一番怖い、それは熱さまシートも同じというのは知れてよかった。
熱さまシートストロングは「つらい発熱」や「ひどい歯痛」などにとパッケージにはあった。
ただの「発熱」や「歯痛」を越えたころ、強烈に助けてくれるだろうこと、身に染みて良く分かった。
そうして思うのは、あのころの私へ渡したい! という気持ちだ。
親不知を抜いてほっぺたを腫れでパンパンにさせたのはもう20年前か。あのころの私に渡してみたい。
未来の私には歯痛にも発熱にも困っていてほしくないので、主に過去の私に渡したい。
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