初めてすぎるものをリポートするのはむずい
よく考えたら、サーティーワンアイスも数年ぶりで食べたのが2回目というレベルでした。そんなので、よく食レポしようとか思ったな。おれ。
青森のショッピングモールで買ったヘネシーを飲んでみました。
高級店で手の届く金額のものを見つけてくる特集です。全体の説明と心意気。
ブルガリのチョコにはどんぶりで食べたくなるクリームが入っている(まいしろ)
銀座久兵衛に太巻きの答えがあるのかもしれない(P.K.サンジュン)
谷崎潤一郎の小説にも出てくる料理屋「瓢亭」の黒豆はまるでシュークリームみたいに中がトロトロ(こーだい)
梅干し1粒400円の夢~紀州南高梅の五代庵~(唐沢むぎこ)
金谷ホテルに泊まらず、赤ワインだけ堪能する(とりもちうずら)
ショッピングモールで買ったヘネシーを飲む(西村まさゆき)
帝国ホテルのポテトサラダは正統派の高級感(べつやくれい)
年末年始の帰省で青森県に来ています。
めちゃくちゃ雪降ってます。
そんな青森県に、本企画「高い店の安いもの」の趣旨に沿った「高い店=高級店」は存在するのでしょうか?
五所川原市の誇るショッピングモール、エルムの街にやってきました。
1997年の開業以来、スタバやサイゼリヤなど青森県1号店となるチェーン店を次々誘致してきたという輝かしい実績があるエルムなわけですが、ブルガリや銀座久兵衛みたいな店はさすがにありません。
年の瀬の買い物客でごった返す店内をくまなく探してみたのですが「高級な店」というものが見当たりません。かろうじて「GODIVA」はあったのですが、チョコレートは他の人がやるので見送り。
スーパー「新鮮市場」でなにかないか探し回ってみます。そこで100グラム1580円のすじこを売っている店を発見しました。
この店ですじこの一番安いのを買う……というのはどうだ? と一瞬思ったのですが、それってただ単に安いすじこを買って食べるだけの普通のことになってしまうので、これも見送り。
すでに「高い店の」というコンセプトがぐらついていますが、ここのお酒売り場で515円の「ヘネシー」を発見しました。
ヘネシーです。名前は聞いたことがあるブランデーです。名前を聞いたことがあるというだけで、ヘネシーに関する知識は皆無です。
ブランデーがワインを蒸留したものだという事だけは知っていますが、特に好んで飲んできたこともないうえに、ここ数年お酒から遠ざかっているので、これが高級なのかどうなのかよくわかっていません。
でも、こんなちっちゃい瓶で515円するんだから、たぶん一升瓶ぐらいの大きさで買うととんでもなく高いのではないでしょうか?
編集部メモ
ひとくちに「ヘネシー」といっても様々なグレードがあり、どれがどのくらい高価か? というのは難しいのですが、このミニチュアボトルの「VS(Very Special)」クラスの大きいボトル(700ml)だと、4千円程度です。これを高いとみるか、そうでもないと見るか。微妙なラインではあります。
ちなみに、熟成期間が長くなると価格もグングン上がり、最高級グレードのリシャール・ヘネシーなどは、1本40万〜100万円程度で販売されているようです。
なお、オークションサイトを見ると、リシャール・ヘネシーの「空き瓶」が10万円程度で取引されています。
(参考)高いやつです。値段見てみてください
※このリンクからお買い物していただくと運営費の支えになります!
というわけで、今回は今まで飲んだことが無い高級ブランデー、ヘネシーを飲んでみたいと思います。
この「お酒がちょっとだけ入っている小さい瓶」こういうのってたしかミニチュアボトルといって、コレクションをしている人がけっこういて、貴重なものは高額で取引されているものもあるというのを昔「なんでも鑑定団」でみたことがあります。
このヘネシーのミニチュアボトルも、こうやって開栓して飲んでしまうのが果たして正しい飲み方なのかどうかもわかっていませんが、もうやるしかありません。
開栓した瞬間に立ち上るブランデーのフルーティーな香り。これがブランデーか……。
口に含んだ瞬間、鼻腔をぐらりと揺さぶる強烈な香気とともに、胸がカーっと熱くなります。
思わずアルコール度数を確認すると40度と書いてあります。こりゃ胸にきますわなと納得です。
山岳救助犬のセント・バーナードの首の樽には雪山で遭難した人の体温を上げるためのブランデーが入っているという雑学を思い出しました。
とはいえ、ブランデーはウィスキーよりもすこし甘い気がして、スルッと飲める感じがします。
本来は少しずつ香気を楽しみながら飲むものなのでしょうが、香りを嗅いでいると奈良漬との違いがよくわからなくなってきました。奈良漬もブランデーぐらいいい匂いしますよね?
ブランデーをこれ以外に飲んだことが無い(少なくとも記憶にはない)ので、なんともいい難いのですが「スルッと飲めそう」という薄い感想しか出てきません。すみません。
さて、普通にブランデーを飲んだだけではどうも心もとないので、サーティーワンでバニラアイスを買ってきました。
今度は、このバニラアイスにブランデーをかけて食ってみようという寸法です。
SNSで定期的にバズっている「バニラアイスにブランデーをかけて食べる」です。
いやいやいや、これマジでうまい……。入ってないのになぜかラムレーズンの風味がしてきます。なんなんだ。
バニラアイスのコクにブランデーの風味がのって最高にうまいです。また、ブランデーのアルコール部分のちょっとした苦みが、バニラアイスの甘みを引き立てておりこれまた絶妙。
いやさすが、SNSでバズるのもわかるというもの。実際にやってみるって大事ですね。
バニラアイスにブランデーをいれるのは大正解ということが判明しましたが、ネットで色々調べてみると、コーヒーにブランデーを少し入れて飲むという飲み方もあるらしいのです。
カフェロワイヤルみたいに火をつけるわけにはいかないので、スタバで買ってきたコーヒーにブランデーを足して飲んでみることにしてみます。
うーん。正直、違いがわからないというか、なんというか。コーヒーにブランデーの香気があるようなないような……。
すみません。実はわたくし、スターバックスのコーヒーを飲むのが生まれて始めてなのです。というか、コーヒー自体を飲むのもたぶん数年ぶりぐらいな感じです。(コーヒー牛乳除く)
スタバではいつも必ず「抹茶クリームフラペチーノ」を頼むので、スタバは数え切れないほど行ったことがあるんですが、コーヒーを飲むのは初めてで、感想が「苦い」以外にありません。本当に申し訳ありません。
初めて飲むスタバのコーヒーに、初めて飲むヘネシーを入れて、初めて飲んだ男の感想は「苦い」です。
さすがに感想が「苦い」だと怒られそうなので、コーヒーが好きな妻にちょっとだけ飲んでもらいました。曰く「樽の味がする」だそうです。
ブランデーの香気は、コーヒーの香気と混ざると樽っぽい感じになることがわかりました。
よく考えたら、サーティーワンアイスも数年ぶりで食べたのが2回目というレベルでした。そんなので、よく食レポしようとか思ったな。おれ。
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