特集 2020年9月14日

池袋の中華フードコートがほぼ中国

東京池袋の北口周辺がちょっとした中華街化していることは、以前にも当サイトに書かせてもらいました(骨に残った肉まで味わい尽くす中華料理の知恵)。

そのエリアにある一軒の中華食材専門のスーパーマーケットにフードコートがオープンし、そこが完全に「中国」でおもしろい。そんな噂を最近、よく耳にするようになりました。

なかなか気軽に旅行もできない昨今。海外となればなおさら。ならばそこへ行って、海外旅行気分だけでも味わうことはできないかな〜!?
 

1978年東京生まれ。酒場ライター、他。酒カルチャー雑誌「酒場人」監修をはじめ、いろいろとやらせてもらってます。(インタビュー動画)

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界隈いちの中華食材スーパー

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街は相変わらずの雰囲気
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街頭で配られている新聞も、こんなの

そのスーパーは、北口から歩いてすぐのビルのなかにあります。

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「友誼商店」というのがそれ
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ビルの入り口

看板に、「4F 中国食品 友誼商店」とありますね。

界隈には中国食材を買えるお店がちらほらありますが、規模がいちばん大きいのは間違いなくここでしょう。雑居ビルの4階ということで、知らないと入るのになかなか勇気がいる雰囲気ですが。

ちなみにその下に「友誼食府」という表示もあり、以前はなかったものなので、これがフードコートのことだと思う。それぞれ「ゆうぎしょうてん」「ゆうぎしょくふ」と読むようです。

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店内へ

かなりの広さのフロアに、ぎっしりと見知らぬ商品が並んでいます。もちろん日本語の説明書きなど一切なし。

そもそもここのメイン客は中国人。界隈にはたくさんの本場中華のお店があるし、関係者もたくさん住んでいるでしょうからね。よく知る街、池袋にいながら完全に「よそ者」気分になれる楽しさ。今の時代にはいっそう貴重なものだといえます。

僕、長く池袋で会社員をしていたので、実は昼休みなどにふらっとこのスーパーを覗いては、気になった商品をひとつふたつ買ってみる、なんてことはしていました。ただその頃は、フードコートはなかった。今回久しぶりに来てみてびっくりしましたね。こんなすげーのができてたのか! と。

ではでは、そんなフードコート「友誼食府」へ、勝手のわからぬままに飛びこんでみましょう!

噂のフードコート「友誼食府」へ

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この一画が友誼食府

昨年末にオープンしたとのことで、店内はピカピカ。中央にテーブル席がずらりと並び、そこを取り囲むように、屋台風のお店が5軒並ぶという構成のようです。

お店のラインナップを、入り口から順に見ていきましょう。

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(1)まずはこの店

って、すいません、そもそも店名がひとつも読めないんですよね。ただ漢字やメニュー写真から読み取るに、ここは四川料理を扱うお店のようです。

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(2)いくつかのメニューに「東北」と書いてあるので東北料理?
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(3)台湾屋台はわかりやすい
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(4)香港飲茶の割合が多いですね
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(5)上海料理

と、こんな感じで、中国のなかでも特色ある各地の料理が味わえるフードコートのようです。基本的にそれぞれの地方出身の店員さんが働かれていて、全員が仲良さそうによく会話をしてるんですが、使っているのは標準語に近い北京語だそう。

もちろん、我々が日本人だとわかると、どの店員さんもむこうのなまり混じりの日本語であれこれ親切に教えてくれます。とりあえず席を確保して、好きなお店に行って好きな料理を注文すれば、席まで届けてくれるみたいですね。

飲み物は、スーパーのほうで買ってきて持ち込んでいいそう。

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見知らぬ酒がいろいろ並んでいる
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ほんの少しだけ日本のビールもありました

金麦が140円なの嬉しい。ちなみに、昨今日本のスーパーの棚を席巻している、缶チューハイの類は一切ありません。

よ〜し、なんとなく過ごしかたがわかってきたし、食べて飲むぞ〜!

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5大屋台を攻略していきます

今日は、同じく池袋北口中華街が大好きな飲み友達の編集者、大木テングーさんと2人でやってきました。

 

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この景色、ただの観光旅行

で、すみません、読めるメニューがほとんどなく、かつ雰囲気にも浮かれすぎて、細かい商品名や値段などをメモし忘れてしまったので、今回紹介できるのが、覚えてる範囲の情報のみになってしまいます……。でもさ、ふりかえってみれば、「ほらまえに台湾の屋台で食べたなんかよくわかんない料理、あれ美味しかったよね〜!」みたいな感想しか残らないのもまた、海外旅行の醍醐味じゃないですか?(自己の正当化)

さて我々は、さきほどの(1)〜(5)の屋台を、店名が読めないのでそれぞれ、

(1)四川の店
(2)東北の店
(3)台湾の店
(4)香港の店
(5)上海の店

と呼ぶことにしました。厳密にはお店ごとにジャンルのかぶりもあったりもするんですが、ざっくりと。で、せっかくなので、各店から1品ずつ何か頼んで食べてみよ〜! で、せっかくのせっかくなので、なるべく知らない料理を選んでみよ〜! という方針を固めました。

じゃあどんどんいきますね。まずは、いかにも本場っぽい臭豆腐の香り漂う「台湾の店」から。

いきなり大木さんが、品名の横に「台湾名物」「限量」の文字が踊る「豬血糕」なるものを、「珍しい珍しい! これにしましょうか!」なんて言ってます。

え……「豬」とか「血」とかって書いてあるけど……。あと「糕」ってなに? が、今日はとにかく勝手のわからない海外旅行気分に浮かれなければいけないんだった。よし、これください!

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うわ〜……なに?

お店の方の説明によると、蒸したもち米に豚の血を加えて固めたものだそうで、いきなりハードル高くないすか?

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そのまま、海外に来て見知らぬ食べ物を目の前してる人

ところが思いきって食べてみると……?

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あら、いいじゃないですか

蒸しただけじゃなくて揚げてもあるのかな? 表面がカリッサクッとして香ばしく、噛むともっちり食感。塩気もちょうどよくて、変なくさみは一切ありません。この大盛りで700円だったかな? 男ふたりで瞬殺でした。

お次は「東北の店」。冒頭にリンクを貼った記事でも紹介した、この界隈いちの有名店「永利」も東北料理の店で、肉を茶色〜く煮込んだ料理なんかが多いイメージですね。

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どれ頼んでも絶対うまいやつ

なかでも我々が気になったのが、

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この「松仁小肚」ってやつ

いやいや、丸すぎないすか? 見た目はハムっぽいんだけど、何をどうやって作ってるんだろう?

これはサイズによって値段が変わるらしく、いちばん小さいのを注文。それでも1200円と、この日食べたもののなかではもっとも高級。

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「これでいい?」と店員さん

が、切ってもらってびっくり。

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量、増えてない?

あっさりさっぱりと食べやすいんだけど、じわり体に良さそうな旨味の詰まったハムって感じで、ものすごく美味しい。ただこれ、せめて5人くらいで分けて食べる量ですよね。持ち帰り可能で助かりました。

この丸ハム、バーベキューに持っていったり、差し入れなんかにしても、おもしろくていいんじゃないかな?

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バリエーション豊かな中華料理を堪能

あ、ちなみに支払い方法についてなんですが、あとから判明したことによると、「入り口でレジ専門の店員さんを呼び、プリペイドカードを借りて、そこに好きな金額をチャージしておいて、注文のつどそこから払う」というのが正式らしいです。

ただ、よくわかってなくて毎度店員さんに「カード持ってる?」って聞かれ「えーと、ないです」なんて答えると「大丈夫大丈夫! これ持ってレジ行って!」と、お店の名前が書かれたカードを渡してもらえて、

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こんなの(ちなみにここに書かれてるのが、東北の店の店名だと思われ)

それを持ってレジへ行くと「いくら?」的に中国語で聞かれるので、心の中で「自己申告制?」と驚きつつ、「1200円です」と答えると、現金で会計の処理がしてもらえました。って、このよくわからなさも外国!

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こちらは大木さんが「おもしろそう」と買った、缶のソフトドリンク

酸っぱい梅味の何か? のはずなんですが、あっちのこういう飲料のお決まりで、ものすご〜く甘い! 酸味、あるかな? で、なんだか慣れぬ、説明のできない風味がある。これまたなかなか日本では出会えない味ですよ。

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台湾ビールで割ってみたらけっこういけました

どんどん行きましょう。「四川の店」は、辛いもの大好きな我々的にはかなりテンションのあがるゾーン。

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1本100円の「冷製麻辣串」ってのもすごいそそられるな

ここで我々が選んだのは、この、

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なんだっけ?「酸辣ビーフン」みたいなやつ。具にモツをプラスできるっていうんで足して800円だったかな

ちなみに、取り皿や取り箸はお願いすればもらえるので、コロナ対策的な面でも安心ですね。

お店のお姉さんが「辛くもできるよ〜」っていうので、

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唐辛子をたっぷりかけてもらって

いや〜、辛うまそう!

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この独特の茶色い麺は、ジャガイモでできてるっつってたかな?

一緒にひっぱり上げられてるペラペラのは中国ではメジャーな食材、干し豆腐ですね。

で、これがものすご〜く美味しい! 爽やかな酸味と辛味は、あきらかに日本料理にはない味わい。さまざまな具材から出た旨味がスープに染みだし、それを吸ったツルツルのジャガイモ麺がまたうまい。食事やおかずってよりはお酒のつまみって感じの一品で、いいチョイスだったな。

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それにしても
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あとからあとから
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新しい具が掘り起こされる

それも、我々日本人が一般的に考える麺類の具とは違って、予想がつかない。え? これも入ってるの? の連続。そんな驚きも楽しいメニューでした。

次、香港の店!

ここでは1つ220円のと150円の点心的な何か、店頭に並んでたやつから2種類をフィーリングで指差して注文してみました。

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とりあえずでかい

あ、ちなみにお酒は、ミニボトルで200円くらいだった白酒をフリーのお水で割って飲むスタイルに移行しております。強烈なアルコール感が刺激的!

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形は餃子だけど、10個ぶんくらいありますよね?
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でかい餃子みたいなほうを割ってみました

シンプルな肉あんがたっぷりと入った肉まん的な? 皮が餃子とは違って、ふかふかで食べごたえあり。ただ、肉まんとも違って、表面がパリッと香ばしい。優しい肉あんとのハーモニーも最高。

しかし、もし僕が池袋で働いていた頃にここがあったなら、お昼ご飯これひとつでじゅうぶんだったんじゃないかっていうボリュームですね。これで150円ってどういうこと?

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もうひとつの平べったいほうの具は、ニラと玉子でした

肉が入ってないんだ!? あ、だけどめちゃくちゃ美味しぃ〜。適度な塩気のふんわりとした玉子焼きにニラのアクセントが効いて、もちもちとした皮もさっきのとは雰囲気が違っておもしろいですね。

が、最後の点心ふたつが完全にとどめになりましたね。もう絶対に、これ以上何も食べられません。

いや〜楽しかった! こんだけ飲み食いして2人で3000円いかなかったかな?ごちそうさまでした〜!

やっぱりここは中国でした

が、もちろんこのままでは終われません。残る一軒、「上海の店」でも何かしらを食べなければ。

というわけで後日、こんどはひとりで友誼食府にやってきました。実はもう頼むものの目星はつけてあるんですよね。前回来たときに気になったんだけどどうしても食べられなかった、

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「上海風ネギ油そば」(珍しい日本語表記に感激してる時点でやっぱり中国)

この、あまりのシンプルな見た目が逆に気になってたんです。

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というわけで、中国旅行2日目

シンプルだシンプルだと思ってたけど、本当にシンプルだな! 写真の印象ともちょっと違う。別段手打ちにも見えない麺の上に、揚げたネギ。これはネギ油を作るときに使ったものだったりするんでしょうか。

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お店の方の指示に従い、よ〜く混ぜて食べます

はは、これは! かなりやわめにゆでられた麺にてらてらと絡むネギ油の香り。シンプルな醤油味。決して日本のラーメン屋では出てこないタイプの麺類だけど、謎にうまい。

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いるな〜、いまおれ、中国に

というわけで、予想はしてたんですが予想以上に中国でしかなかった「友誼商店」の「友誼食府」。気がねなく海外旅行に行けるのはいつのことになるやらという日々のなかの、ちょっとした非日常として。そして、単純に安くて美味しいフードコートとしても、大変楽しい場所でした。

まだまだ食べられていない未知のメニューだらけだし、今後もちょくちょく寄らせてもらおーっと!

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