石川:これも生活ですね。ライター木村さんの城を見て回ることを中心とした生活。生活というか人生。
安藤:途中でお遍路に出るため城を見る生活をいったん中断しています。
石川:中断の理由も破天荒。
安藤:文化財をむさぼる、っていいまわしも初めて聞きました。
石川:他で聞いたことないので木村さんだけだと思いますよ。木村さん、あまり自分の生活を記事に出さない人だったんですが、これを読んでああこういう感じで生活していたのか、とようやくわかりましたね。
安藤:木村さんは石川さんらと同じ、いわゆる「ざんはわ世代※」ですよね。
※榎並、さくらい、ネッシーあやこ、大北、木村など。デイリーライターのボリュームゾーンでもある。
石川:そうです。僕も城を巡って歩いたりした方がいいですかね。
安藤:アキレス腱痛めるからやめた方がいいですよ。
石川:はい、やめます(素直)。
石川:ところで途中、上司のことが疑心暗鬼になるくだりがあるんですが
石川:これべつに城と関係なくないですか。
安藤:城関係なくただ単に仲が悪い。
石川:城に人生かけた記事の中で、この部分だけ異彩を放っているなと思ったんです。
安藤:ぼくは途中に出てくるグラフが気になりました。
安藤:これ、木村さんが城を見に行った数なんですよね。年ごとに城を訪れた人の数とかかと思ったら、木村さん自身の記録なんです。
石川:こっちのグラフも同じです。
安藤:そう、達成度もグラフ化してた。これも木村さんのグラフだ。
石川:これは木村さんの10年をグラフ化したものなんですね。
安藤:僕も縦軸を時間、横軸を年齢にした自分グラフ作ろう。
石川:比例しそうですよね。
石川:
20年ぶりにヨット部をたずねる安藤さんといい、今週は人生を振り返る記事が多かったです。
安藤:みんな人生を振り返っても、とくに反省とかしていなかったのもよかったです。
石川:のびのびと振り返りたいだけ振り返っていました。
安藤:この記事のきだてさん、服が大山さんとかぶってます。
石川:大山さんのは襟がありますよ。そしてこれたぶんZOZOスーツじゃない。
石川:きだてさんの記事では察しのいい女子高生がネタに気づいています。
安藤:きっと膳所(ぜぜ)ではすでにやっていた高校生がいたんじゃないかな。「みてみー、膳所でゾゾスーツやでー」とか言って。
石川:その高校生と鉢合わせなくてよかったですよね。
安藤:記事ではきだてさんが「ときめき坂」っていう名前を近所の坂につけたのが自分の父ではないかという疑いをもち、その後長い反抗期に入って行く下りがあるんですが、30年経って聞いてみると違ったんです。
きだてさん。
石川:ありましたね。最高の話だなと。
安藤:こういう最高のエピソードをライターのキャリアの中のいつ出すかっていうのは、一種の賭けだと思うんですよね。
石川:そうですね、宝刀を抜いたな、と思いました。
安藤:この記事できだてさん、賭けに出たわけです。
石川:親を出すのはだいたい賭けですね。安藤さんもノーパンで親に会いに行ってましたよね。
石川:これ気合入ってるからコラボ記事か何かかと思っていたんですが、ただのゴールデンウィークのとつべつ企画なんですよね。なぜここで賭けに出たか。
安藤:よく覚えていないんですが、これはライター全員順番にやるといいと思いますよ。今月のノーパン親会いは、石川さんでーす、みたいな感じで。
石川:いつ自分に回ってくるのかドキドキですね。
新幹線の車窓より。
安藤:さっききだてさんのところでも出しましたがこの記事、大山さんが11年前と同じアングルで自撮りしています。
石川:まだゾゾスーツが出る前の記事だから普通の服ですね。
安藤:11年前からゾゾスーツ着てたらオーパーツです。
安藤:大山さん、会うたびに老眼がとか四十肩がとか言っているわりに250キロで走る新幹線から看板撮ってるんだから、まだまだいけますね。
石川:かなりの反射神経ですよ。特に防音壁のすき間から撮ってるやつがすごかった。
安藤:震えました。これ動画撮っておいて切り出したわけじゃなく、静止画で一発撮りですよねきっと。動体視力がはんぱない。
石川:サバンナの動物のようです。
安藤:10年後にまたやってほしいですね。今度はリニアで。
石川:撮る方もですが看板も試されます。
安藤:乗り物が高速化するとローレンツ収縮が起きて縮むらしいですよ。
石川:へー。横長文字の看板が主流になるのかな。
安藤:いえ、乗ってる大山さんがちょっと縮むんです。
石川:そっちか!
リニアに乗ってちょっと縮んでいる大山さん(イメージ)
安藤:僕らのイメージではメキシコってちょっと危険な感じするじゃないですか。ほら、トランプ大統領が壁を作るなんていいだすくらいだし。
石川:そういうイメージありますよね。
安藤:でも地主くんはメキシコで知らない人の車に乗って知らない場所で知らない飲み物を飲んでいました。
それ飲んで大丈夫なのか。
安藤:車おろされた場所がここだとまず死を覚悟しますよね。
そう考えると後ろの白旗も意味ありげに見える。
石川:無事に帰ってきてなによりです。
安藤:でも地主くん、こあと寄生虫がわいて現地で入院してるんですよね。で、検査したらついでのようにポリープが見つかって。
石川:スペイン語で「ポリープ」って言われたって聞きました。あちらではポリポっていうんだとか。
安藤:ムーチョポリーポス!みたいな感じじゃないんですね。地主くん大丈夫かな。本人は元気っぽいんですけどね。
石川:この記事、アフターで普通にめちゃめちゃうまくなってて気持ちよかったです。
安藤:ビフォーの写真だと隣の穴とはんだでつながっていますから。
石川:撮影に同行していたんですが、2~3時間でみるみるうまくなりました。「いい道具を使えばうまくできる」っていうのは身も蓋もないですけどね。
安藤:やっぱり道具なのか、と。道具と言えば記事に出てきたこの道具
安藤:これサードハンズっていうんですか。
石川:そうですね、あとヘルピングハンズとか、みんな好き勝手に呼んでる気がします。
安藤:ほら、セカンドハンドだと中古って意味で使うじゃないですか。
石川:たしかに。
安藤:サードハンズだとブックオフで買った本を、読んだ後にもう一度売りに行く、みたいなイメージでした。でもはんだ付けって確かに手が1本足りないですよね。ギター弾くときも足りないんです。演奏しながら楽譜めくれない。
石川:どうするんですか?
安藤:いったん演奏するのをやめて楽譜めくります。
石川:シンプル!僕は工作で両手使ってる写真が撮りたくて、カメラのリモコンを足で踏んでシャッター切れるように改造しましたよ。
安藤:
メカシナガワンは目を光らせるスイッチが顔の前にあって、歯で噛んでオンオフしています。
両手出てるのに目が光ったり消えたりするのおかしいと思わなかったか。
石川:初めて聞きました。
安藤:制作者のよしださんにスイッチ噛んで唾液で漏電してしびれないか何度も確認しましたから。
石川:ダンボールだから漏電するとメカヒダルマンに。
安藤:笑えない!
安藤:この前会社の机にでかいうなぎがあったんですが、このときもらったやつですね。
石川:ありました、けっこうでかいやつ。
安藤:いまのうちの部署、わりと荷物が多くて雑然としてるなと思っていたんですが、それでも目立っていましたから。看板としては成功だと思います。
安藤:あとこの記事、急に伊藤さんが出てくるんです。
いきなりこの写真から出てくる。
石川:続々と登場人物が増えていく展開でした。こういう登場のさせ方もあるのか、と思って。
安藤:逆に減っていくパターンないですかね。最初8人くらいいるのに最後まで残ったの2人くらいになってる記事。
石川:増えるよりも理由が必要な気がしますね。ヘビに噛まれるとか。
安藤:飽きて帰りました、とか。ともかく、うなぎは絶滅しそうなのでうなちゃんの代役を考えなきゃですよね。
石川:栄養ドリンクちゃん
安藤:栄養をドリンクでとるのか。うれしくないな。
安藤:これすごくないですか。デザイナー80人もいるんだって。
石川:小学校だと2クラス分のデザイナーです。しかも投票でデザイン決めるとなると大量のボツが出るわけですよね。そっちも見てみたい。
安藤:「内容の不安さに反しかつてこれほど自信あふれる記事があっただろうかというくらい文章が堂々としています(古賀)」
石川:堂々とした責任転嫁だ。
安藤:でも古賀さんの言うように、自信満々に言い切られるとそうなのかな、と思ってしまう。
安藤:デイリーのライターって自信のない記事ほど自信ありげに書いたりしませんか。僕はわりとそうなんです。
石川:それはあるかもしれないですね。
安藤:これとか超自信なかったんですが、強い気持ちで書ききりました。
石川:不安な記事を弱気に書いてしまうとどこにもよりどころがなくて、それこそ「何を見せられているんだ」感が出てしまいますからね。
石川:大北くんの記事に戻りますが、下着っぽい布で何かするって記事は伝統的に昔からありますね。
石川:伝統って言ったけど小野さんだけでした。
安藤:これは?
石川:これは下着っぽいというか、下着ですから。
安藤:これは小堺さんじゃなきゃ書けない記事ですよね。僕らが書いたら社会的にボツになる。
石川:ライターは常に危険と隣り合わせです。