広げたチーフをもう一度クシュッと丸めて置いてみる。今そうではないと確認したところなのに、丸まった状態にしてみると「やっぱりこれはどう見ても…」という気にさせるのがすごい。
認識の根源を翻弄してくる布。さっきそうじゃないって確かめたじゃないか。自分にそう言い聞かせる。なのにどうしてこうも騙されやすいのか。
手にとってグッと握ってみる。それでも擬態を続ける布。そのとき心は、ランジェリーという幻想とポケットチーフという現実との間をさまよい続ける。
世の中には、パンティではないのにパンティみたいに見える布がある。端的に言うとそういうことだ。そしてそのパンティ性は、シチュエーションによって変化する。 |