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ちしきの金曜日
 
東海道・野立て看板鑑賞


「野立て看板」という言葉をご存じだろうか。文字通り、野に立てられた看板だ。 

以前からこの野立て看板が気になっていた。ぼくにとっては野に立つ看板というより野に咲く花だ。いったいどんな花があるのか。この花は郊外の国道脇などによく咲いていることが知られているが、今回は東海道新幹線沿いの花園を調べてみよう。

(text by 大山 顕



■野立て看板とはどういうものか

下の写真を見ていただこう。野立て看板とはこういうものだ。


のどかな田園に咲く可憐な一輪の花、727野立て看板。

いかがだろうか、このキュートな唐突感。見る人がいるから、そこに広告看板を立てる。それが田んぼのど真ん中であっても。とにかく隙あらば広告出したい、と いうパッションを感じる。なんだろう、人には「広告出稿欲」とかあるのだろうか。それはマズローの三角形ではどこらへんにあるのか。

ぼくは仕事で頻繁に東京と大阪を往復するのだが、いつも車窓から見えるこの新幹線乗客向け野立て看板がとても気になっていた。世に野立て看板は多くあれど、唐突感という点でこの新幹線から見えるそれがもっとも素敵だと思う。

そんなわけで、過日大阪へ出張の機会があった折、窓からみえるこの可憐な花々をカウントしてみたので今回はそれをご覧いただきたい。東海道新幹線にご乗車される機会がない方には(もしかしたら機会がある方にも)なにがなんだかさっぱりの記事だと思います。申し訳ない。

 

■「727」が多いはず

もう何回目かも分からない、大阪への出張。早朝の東京駅。旅行へお出かけのおばさまグループと、ぼくと同様出張のサラリーマンたち。しかし、今日のオレはひと味違うぜ。いつもは眠っちゃうけど、今日は野立て看板をじっくり見てやるんだ。


いつもより心躍る東京駅。
さあ来い、野立て看板よ。

いままでの豊富な東海道野立て看板鑑賞経験からすると、「727 cosmetics」という看板が最も多いはず。冒頭の写真の看板もそれである。

白地に赤い文字だけ。余計なイラストや写真はもちろん、727がいったい何なのかの説明文も一切ない、虚飾を廃した魅力的な野立て看板だ。きっと化粧品の会社なんだろうなとは思うが、実態はどうでもいい。ぼくはただ野立て看板を愛でたいだけなのだ。

さあ、727野立て看板、いかほどのものか。


 

 
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