特集 2017年12月30日

本能寺が変、軍隊アリ、ココナッツで死ぬ 2017年記事集 乱世編

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いやー2017年も乱世でしたね。誕生編、宇宙編と続いてきた2017年総集編、今日は「乱世編」をお送りします。火の鳥でいうと源平合戦を舞台にしたやつです。まとめておりますのは歴史に疎い編集部 石川。高校の選択社会は地理でした。雰囲気だけで乱世を語らせていただきます。
インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

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史実の乱世に触れる記事

最初のページではさっそく史実に切り込んでいきましょう。実在の乱世をフィーチャーした記事を集めてみました。まずはこちらから。
本能寺が変(字が) (西村まさゆき)
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今回も、ライター本人からコメントをもらっています。
京都の本能寺で、「能」という漢字の異体字を探す……という気絶しそうなぐらい地味な記事ですが、さいわい、気絶者も出ず、おもった以上に読まれてビビってます。
たまたま本能寺に行ったさい、能の字の異体字の書体がいろいろあるのに気づいて撮りためて、一年後にまたきて、追加で写真を撮って記事にしたので、地味に時間かかってます。町の中の漢字の異体字探し、宝探しみたいでけっこうおもしろいんですよ。「機」とか「電」あたりがおすすめです。
普通の漢字と微妙に違うだけでなく、書かれている場所により字体が違うという徹底した「変」ぶり。声に出して読みたくなるタイトルの効果もあってか、地味な看板ネタにもかかわらず大きな反響がありました。しかし執筆に2年かかってたとは。

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お墓があるんだ、行こ! という安易ではあるのですが、確実に行こうとスケジュールにも入れていました。このためだけにこの街に行ったんです。ただ全然入れない。紙に中国語を書いて、いれて!!! とお願いしてもダメ。曹操の偉大さを知りました。
なんとか入ろうと説得を試みる地主さん
なんとか入ろうと説得を試みる地主さん
日本の乱世が本能寺なら中国の乱世は三国志(歴史にうとい人のざっくりした見解)。
取材記事を書いていると「取材先に行ってみたものの入れなかった」というケースはまれにあり、たいていは記事にならないわけですよ。でも外国まで足を伸ばしたとなるとそれは別です。何とかして入ろうとあの手この手で食い下がる地主さんのガッツをご堪能ください。

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平家パイの希少性とホームパイの支持率の高さを感じた記事でした。この記事を書いて以来、スーパーやドラッグストアを訪れると無意識に平家パイを探してしまいます。
平家パイがなかなか見つからなかったので、見つけた時は喜びのあまりお徳用を2袋も買ってしまい、その後しばらくおやつは平家パイでした。記事で取り上げる食べ物を多く用意し記事執筆後もそれをしばらく消費し続けるのは、ライターあるあるだと思っています。
おっと!このページでは史実にまつわる記事を紹介するといったのに、早々に弾切れでお菓子の話になってしまいました。源氏と平家という実在の勢力を扱っているので、このページに入れさせていただきました。
平家パイのいるべき場所にいるのはホームパイという、「平家の敵は源氏でなくホーム」な展開が印象的でした。源ホーム合戦。

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ミリタリー好き、ガルパン好きをこじらせまくった結果、店の前には戦車が、店内にはガルパンコーナー&米軍払い下げ品コーナーがあるという、完全にどうかしているコンビニ。この手のお店って、店長のおっちゃんは自分の趣味丸出しだから嬉しそうだけど、奥さんはイヤイヤやってる……みたいなパターンが多いんですが、このコンビニの場合は奥さんもガチのミリタリー好きということで、ふたり仲良く変な戦車コンビニを運営しているというのが印象的でした。こんな夫婦関係、ホントにステキだと思います!
実在した戦車なんだから史実じゃん、ということでこのページの最後はこちらの記事。ほんとはコンビニの中にラーメン屋があるという珍ポイントもあるのですが、要素過多でタイトルに詰め込みきれなかったことがうかがえます。アニメが火をつけてこうなったというのも意外!
コンビニ店内にそびえたつラーメン屋
コンビニ店内にそびえたつラーメン屋
というわけで以上、「史実に基づいた」乱世記事4本でした。
次は日常に潜む乱世をフィーチャーしていきます。
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日常に潜む乱世

乱世といっても何も歴史の中だけにあるわけではありません。私たちの生活する、2017年も乱世だったんですよ。
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隣り合う2つの交差点付近に、ホテルやらパンやら電話交換やら、8つの「発祥の地」がひしめき合っていました。「激戦区」と銘打っていますが何とも戦っていません。ピース。本当に発祥したのは海外だけどこれは日本で初めて完成したやつだから、という物まで「発祥」になっているところに、港・横浜の海のような大らかさを感じます。ちょっと歩くとナポリタン発祥の地もあるらしいです。
「何とも戦っていません」といきなりばらされてしまいましたが、いやいやこれは激戦区というほかないでしょう!ですよね!?(勢いだけで押し切る)
〇〇区内に…みたいな話ではなく、2つの交差点に8つという密集ぶり。個人的には「近代のパン発祥の地」に惹かれました。近代の。

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さける系のチーズはこのあとも確かトップバリュみたいなPB商品が出てきてまだまだ戦国の世という状態です。個人的には特許関係の話をどう語っていいかわからず社内恋愛に例えてよけいわかんなくなってるところを読んでほしいです。
こちらは突入したばかりのまだフレッシュな乱世。歴史の授業なら今年の年号覚えるやつですよ。「二枚(201)な(7)めよう、さけるチーズ戦国時代」的な語呂合わせで。この戦国時代は終結するどころかまだまだ激化中とのことで、2018年も引き続きウォッチしていきましょう。

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アンケートの回答が1,000件以上集まり、更にそれを集計して分かってくる拮抗っぷりに興奮しました。あと1,000人に1人、アイスを放ってカバーから外す人がいます。新宿駅の1日の平均乗降者数は350万人ほどと言われているので、その中の3,500人はアイスを「シュッ!パッ!」とやっているわけです。とても勇気付けられる数字だなと思います。
こちらは製品そのものではなく、食べ方に関する戦国時代。メーカーではなく、消費者である我々の側の戦国時代ですよ。記事中「アーマードアイス流」「アイスネイキッド流」などと横文字の流派に分けられ、さらにそれが拮抗しているのも血がたぎります。

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そば派とうどん派の実態を知りたくて作ったゲームですが、12月25日現在、そば派がだいぶリードしてますね。年越しそばでお馴染みの大晦日はそば派の祭典!!さらに大きく差を広げるのか?それともうどん派が盛り返すのか?今年の年末は紅白なんて見ている暇はないですよー!!自分の推し麺をにょきにょき伸ばして気持ちよく新年をむかえましょう!
月に1度のゲームコーナー、おぎわら遊技場からは、蕎麦派とうどん派で実際に戦争をしてもらいました。戦争といってもスネークゲームみたいな平和な戦争ですが…。最初に陣営を選び、ゲームの成績分だけ自勢力のポイントになります。個人的には、蕎麦派を選ぶと背景がざるになるのがお気に入りです。
12/27時点での戦況
12/27時点での戦況
というわけで2017年現在のリアルタイムな乱世をご紹介しました。
次のページでは「なんかよくわかんないけど乱世っぽい」編です。
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なんかよくわかんないけど乱世っぽい気がする

さあ、乱世編も3ページ目に突入し、いよいよフィーリングの世界になってまいりました。なんか乱世っぽい印象の記事、5本をご紹介します。
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メルカリでヤンキーがバイク出品しているページを見るのが好きで、スクリーンショットして集めていた時期があったのですが(とにかく出品、商品撮影が簡単なので、バイク写真に出品者の日常まで写り込んでいる)そのノウハウを生かすことができて満足です。記事当時は、バイクに座ることしかできなかった息子も、今では歩けるようになりました。しかし、断乳はできていません。
僕がホホウと思ったのは、旭日章が人気なのは塗装がカンタンだからでは、というくだりです。ほんとかどうかはわからないけど目からウロコは落ちました。
小堀さんは記事の展開に困るとすぐお子さんを出してくる傾向があるのですが、おかげで継続的に成長を感じられるため、担当編集としては思わず思い入れが深まってしまっております。
制作風景
制作風景

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グンタイアリのデザインは子どもの頃からずっと「やりすぎだろ!」と思っていました。NHKで見かけるたびに。
大人になってそのやりすぎの理由を実体験から「あー、そういうことか!」と理解できたのはとても大きな感動でした。脳みそと背骨の後ろ側あたりからアドレナリン的な汁がドバドバ出るのを感じました。
咬まれても毒針を刺されてもあんまり痛くなかったのはそのせいかもしれません。またこういう経験がしたいです。
平時か戦時かにかかわらず、存在自体が乱世な生物、軍隊アリ。というかあらゆる毒虫に噛まれまくっている、平坂さん自身が「歩く乱世」という気がします。全然関係ないのになぜか江戸川乱歩を連想させる二つ名。
行軍のようす
行軍のようす

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久しぶりにテクノ処刑部としての活動です。今回は相手は取引先の偉い人ということで緊張しました。作った装置がうまく動かないと、連携企画としては相手に残念な思いをさせてしまう。しかしうまく動いてしまうと相手を痛めつけてしまう、という板挟みです。結局、展開上、装置を動かす機会がなかったということできれいに終わりました。
拙作をねじ込みまして恐縮です。自分の電子工作キャリアの初期にある「すね毛はがしマシン」のリメイク版的な感じだったのですが、作り直してみると当時よりいろんなことが簡単にできるようになっており、技術の向上を感じて感慨深かったです。
来年はもうちょっとコンパクトで、効率的に人を痛めつけられるマシンを作っていきたい。

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「知ってる?工業用の面ファスナーってすごく強いんだぜ」というシンプルな記事になる予定だったのに、フタを開けてみればライター馬場さんがさらに強かったという結果に。あの人、マジでなんなの?あれ普通ぜったいに剥がれないんですけど。最後の僕の顔芸はけっこうマジなやつです。悔しかったので、いずれ馬場さんに工業用○○をぶつけるシリーズやりたいです。小型ユンボと腕相撲ぐらいはしてもらいたい。
乱世にはいろんな英雄が登場しますが、この「単に怪力」というキャラ立ちの爽快感よ。
コメントにある次回作「小型ユンボvs馬場さん」はわりとマジで期待しております。ゆくゆくは10作目くらいで、建設用の大型クレーンで100mくらい持ち上げられる馬場さんが見たい。
常人だとこのくらいはがれません
常人だとこのくらいはがれません

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死因は「脳天直撃ココナッツ」。走馬灯ってありますが、そんな暇すら与えない、まさに南国の殺し屋です。ベトナムのココナッツ農家の多い地域では、それで親戚や知人が亡くなることも、ココナッツで割れた車のフロントガラスがSNSで拡散されることもしょっちゅうだとのこと。途中に出てくるココナッツ獲り名人も脳天直撃で一日倒れていたことがあるのだとか。でも、日本人も割と餅で死ぬので笑えません!無事に新年を迎える教訓としてお読みください。
いろいろな乱世のあり方を見てきた当総集編ですが、結局最後の敵は、運。どうかみなさま年始の餅には気をつけて。さらに伏兵として雪で滑る地面とか、帰省の渋滞中の尿意とか、年末年始と言えどいろいろな闘いが潜んでいます。どうか健やかに新年をお迎えいただけるよう祈っております。

というわけで、「乱世編」をテーマに1年を振り返ってみました。こうやって集めてみて感慨深いのは、乱世なんていうテーマで集めても(こじつけはあるものの一応)3ページ分集まるデイリーポータルZの守備範囲の広さ!です。昨日の宇宙編とか、ほんとに集まるのかよと思ってましたがバッチリ集まってましたね。来年も無節操に、あらゆるテーマに首を突っ込んでいこうと思う次第です。

年末企画の記事集、「誕生編」「宇宙編」「乱世編」ときて、明日はいよいよ大晦日ということで大詰め。「揚げ物編」をお送りします。急展開にいろいろ言いたいことはあるかと思いますが、詳しい説明は担当者の藤原からあると思いますので、どうか明日の11時までご辛抱ください。それではみなさま、よいお年を!
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