文字通りの爆誕
「爆誕」という言葉がありますが、文字通り爆発して誕生させたのがこちらの記事。
今回は各記事にライターからコメントをもらっております。
この3ヶ月ぐらい前に『特撮のロケ現場でババーン!と爆破結婚写真を撮ってきた』という記事を書いたんですが、その時は天候条件が悪かったということもあってのリベンジ的な記事です。
まさか年に2回も爆破することになるとは。この日は天候も最高とあって、青空にドカンといい感じの爆発写真が撮れました。
個人的には、この撮影の前週に肩の骨を折って手術したばかりだったので、写真に写るときはいちいち三角巾を外さなきゃいけなくて面倒くさかったのを覚えてます。
あと、爆破の衝撃波がちょっと骨に響いた。
みごとな爆誕写真ももちろんなんですが、
結婚→爆発→骨折→爆発
というきだてさんの今年上半期の濃さがすごい。
そして誕生を早くも置いといて爆発だけした記事があるのでこれも絶対に未読の方は読んでほしいです。
爆発メイク入門(べつやくれい)
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見どころはもちろん完成したメイクです。…だと当たり前すぎるのでもっと細かいところを言うと、鼻血の長さで時間の経過がわかるところです。
記事中の写真でいちばん長く出ているのが、2ページ目終盤で三善の商品説明をうかがっている写真。
完成したメイクも、実はルミネの広告風のほうが先で(メイク完了、の写真の直後)表紙風の方では少し流れ始めています(鼻血の位置が違うのは、鏡越しかそうじゃないかの違い)。
余談ですがこの血のり、ティッシュとかで拭いたときも本物の血を拭いたっぽくなるので血が出したい人にマジおすすめです。
一番鼻血が長く出ている写真
鼻血の長さで時間の経過が分かる。どんなミステリ小説の推理だという状況ですが、見ると確かに鼻血の長さが違います。いや、なんなんだこの時間帯は。
さらにこちらは躍動感で「誕生!」「登場!」という雰囲気づくりに成功した記事。
自撮り棒に扇風機をつけると躍動感がちがう(與座ひかる)
「髪がなびくとおもしろいな」と思いミニ扇風機をつけたものの距離もあるので「2~3本ふわっとするだけだろう」と予測していました。
いざ電源を入れてみたところ、想像以上になびき、体験した人がみんな笑ってしまっているのがみどころです。
また、自撮り棒単体を紹介する撮影をふわふわカーペットの上で行なっているのですが、これはフリマサイトから学んだ商品の撮影技術です。やたらふわふわの上でとります。確かに少し高級感が出ます。
ふわふわカーペットの上の自撮り棒
今回のライターからのコメントは「記事のみどころを教えてください」と頼んでいるのですが、まさかふわふわカーペットが注目ポイントだったとは意外です。
続いてはストレートに「誕生秘話」をインタビューする記事。
いろんな媒体でたくさん酒場に関するレポートを書かせてもらってる僕ですが、かつて聞いたこともないほど斬新なシステム! 店主のタイプ! お話の内容!
どれをとっても、これまでのどの記事よりも飛び抜けていたと思います。
あ、全てがってわけではなくて、わかりやすく例えると、五角形のグラフの一点だけが飛び抜けすぎていて、引きで見るとほぼ直線になっちゃってる感じっていうんでしょうか。
逆にわかりづらかったらすみません。
席料の300円を払うとお酒の持ち込みがOKに。
さらにめんどくさくなったらそのお酒は置いて帰ってOK。
でもってその誰かが置いて帰ったお酒は席料300円を払った誰もが飲んでOK。
これ大丈夫なんかな!? という居酒屋でした。
五角形のグラフの一点、たしかに飛びぬけすぎです。
珍しい誕生秘話が出たと思ったら、超おなじみのあのチロルチョコの誕生秘話も。
最初、チロルチョコのアウトレットショップに勝手に行って、勝手に記事化したのですが、その記事を読んだチロルチョコ関係者の方から「工場見学にいらしてください」という連絡が直々にあり、またまた田川に行くことになりました。
わずか三ヶ月ほどの間に2度も田川に行くことになるとは。
地方に行く時「この町にまた来ることはあるだろうか?」という気持ちで取材することが多いのですが、こんな短期間の間に再訪できるのはなんだか新鮮な気持ちになりました。
ライター西村さんのコメントはチロルチョコというよりも田川再訪への感慨でした。そこか。
続いては工作・手芸枠から。
よく思いついたなというネタは「生み出された」と思ってみると新鮮です。
足踏み器ということで、強度を保つため下に木材を入れたんですが、これがけっこう標高が高く感じて、乗るときちょっと怖いんです。落ちたら捻挫。足ツボ刺激で健康になったとたんに捻挫だよこれ。
見どころは、期せずして漫☆画太郎先生テイストになった邪鬼のたたずまい。
あと、固そうな石川さんの膝ですね。あんな不安定なものに乗っかってるのに重心がすごく高いように見えますがいかがでしょうか。斎藤さんのこの記事でのジャンプを思い出しました。
邪鬼を足踏みマッサージ器にという時点ですでに要素的には満タン状態なんですが、さらに「標高が高い」「落ちたら捻挫」というインパクト。
ちなみに編集部石川の問題の写真はこちら。確かに引力に逆らっている。
よろめきの重力が上方向
かつてパンツを帽子にした小堺さんは今年満を持してブラジャーをアイマスクに。
好評だった「パンツとバレない帽子をつくる」記事のアンサー記事として書きました。ブラジャーと言っても色んな形があり、試作品作りが楽しかったです。
みどころは撮影場所が会社近くの公園で、パンツ帽子や自分型クリップ人形と同じところという事です。
つかれた大人たちがタバコ休憩しにくるような公園で、冷めた視線が逆にやりやすかったです。ト
装着の様子もどうぞ
小堺さんはたまにしれっとパンツとかブラジャーとか言い出しがちなライターさんなんですが、今年も息をするような製作ぶりでした。
そして、ブラジャーがアイマスクになるんだから豚バラ肉はマフラーになってもどうかみなさんあきらめてください。豚バラ肉のマフラーですどうぞ。
この記事では本気でかっこいい写真をねらって撮りました。
個人的にいちばん気に入っているのは2番目くらいに出てくる空と豚バラの写真です。青い空に赤い豚バラがきれいに映えました。
この記事でもわかる通り、豚バラにかぎらず生肉はとてもインスタ映えするので2018年は生肉に特化したフォトスポットができるんじゃないかと思います。
ついでに言えば新しい年号も「生肉」がいいですね。生肉元年。
空と豚バラの写真
「生肉に特化したフォトスポットの設置」と「年号は『生肉』」。べつやくさんからの2018年へ向けた提言です。
さらに、製作レポートではなく作ったあと量産して販売までこぎつけるまでの記事もありました。
ヴィレヴァンさんに販売していただいている、オリジナル雑貨「鼻の穴皿」の、着想~自力で商品化~テレビに取り上げられるまでの足掛け4年にわたる全てを書き出しました。
僕にとってはとても貴重な経験だったので、記事にできて読んでもらえたのが嬉しかったです。
「いつか自分のアイデアを商品化したい」というのは人類共通の願いなので、その時にどこか参考になる部分があれば幸いです。
これ本当に読むと作業が地味ですごいんです。
お皿を量産=焼いてくれる窯元を見つけるためにネットでしらべた場所に片っ端から電話してるんですよ。人類共通の願い、かなえるための道のりがリアルでした。
さて、ここまで器用な工作を紹介してきましたが、デイリーポータルZでは読み手にとって意外なものができるパターンもあります。
つい生み出してしまった自分の洗濯ばさみ
ぱっと見は分からないと思いますが丸一日かけて制作した、意外とつくりが細かい人形です。
ぜひ見てほしいのはクリップの内側がきちんと手になっているところや、足の裏もつくっている所でしょうか。
が、そんな細かいことよりも、もう少し体を丸くしたりとデフォルメが必要だったなあ、と思います。
その後仲間(デイリーのライターメンバーの人形)が増えて、一人暮らしの寂しさが無くなりました。
布製のマスコットでありながらわかりやすいかわいさがあるとは言えないこのできばえ。そうかデフォルメという概念がなかったのか。小堺さんは記事の公開後にさらにライターのものを個人的に作っていて本物だと思わされました。
KAWAIIの独自解釈はダムファンとして有名な萩原さんのこちらの記事にも。
これまで1度もバズったり炎上したりしたことないのが地味にコンプレックスで、特に今年は毎回バズりたい一心でネタを選び、記事を書いていました…。
しかし何も起こらない。もう最終手段だ、インスタ映えをいじくったら多少話題になるだろう、と半ばヤケになって書いた記事ですが…おそらく今年インスタに触れた記事でもっともひっそりとタイムラインを流れたのではないでしょうか。
見どころは撮影時はまだバズる確信をしている僕の謎の自信に満ちた表情です。
今年流行したフルーツドレス(フルーツをドレスの形に切って遠近法で着ているように撮る写真)にならい着るのがダム。
日本屈指のダムファンである荻原さんの記事なので当然の流れではあるのですがそれにしてもダム。この記事を出せたことはサイトの誇りです。
続いては最新の技術に母と子の要素を乗せるこころみです。
アレクサ! OKグーグル! 流行りのスマートスピーカーは呼びかけに馴染みがなさすぎるので、お母さん!7時に起こして!というお願いが出来るようにしました。
「おばあちゃん、サカナクションの曲をかけて」というお願いが無茶言うなよ、という感じがして気に入っています。
スピーカーを呼ぶ、という時代がやってくるとは寝耳に水でしたが、じゃあと腕まくりしてお母さんやおばあちゃんと呼べるようにするというのもまた想像しなかった未来です。
Switchとかわいい息子、最強のコンテンツを悪魔合体させたのに、全く話題になりませんでした。何が悪いかは明確なのですが、それについては考えないようにしています。
Switchではおもにスプラトゥーン2で遊んでいるのですが、全然勝てなくて悔しいので名前を「あしでそうさしてます」にしています。
息子がかわいすぎるのでついこの記事集でピックアップしてしまいましたが、スマートスピーカーを母にしNintendo Switchは子にする。未来が昔話のような2本でした。
さいごは勇者と犬を誕生させた記事です。
伝説の剣って誰でも思いつくネタだと思うんですけど、中二病心がどうしてもくすぐられてやりたくなった企画です。「剣が岩に刺さっている」というそれ以上でも以下でもないですが個人的には好きです。
デイリーポータルZのネタ会議にこの案をだしたときに「岩に刺さっていた方がおもしろい」「森の中にあると雰囲気があって良い」「戸棚からでてきてほしい」と意見が次々にでてきて、改めて「(良い意味で)バカな人たちの集まりに参加できてる自分って幸せだなー」と再認識しました。
岩につきささった剣を製作。これさえあれば勇者誕生し放題! 勇者及び伝説の剣の価値大暴落!
と思いながらあらためて記事の内容を確認したんですが、剣はあくまでも岩につきささったままでした。謙虚!(というのだろうか)
パネルって妙な存在感が出るなと思って、飼いたかった犬をパネルで作りました。
存在感は想像以上でしたが、倒れた時の絶望も想像以上でした。
パネルは、しばらく部屋の隅に置いていましたが光で退色していく様子を見るのも辛かったので、今は梱包してしまっています。
終始タイトル通りのことをやってる記事なんですが、パネルですら情がうつって大変なことになってます。コメントの「光で退色していく様子を見るのも辛かった」の重みがすごい。
なんとなく「これは本格的に誕生させてるな~」と思って最後の1本にしたのですがうっかり誕生の尊さみたいなものにふれてしまってませんかこれ!?
「NHKスペシャル」ははじまらない
誕生…それは生命の息吹…。
どうにもこうにも「NHKスペシャル」はじまるしかないテーマでなかばむりやりに今年の記事をまとめましたが、結果的にひょっとこな記事が集まってほっとしています。
とはいえ犬をパネルで作って誕生の尊さを感じるとは意外でした。
意外な感情が呼び起きるのは創作活動そのものですよね。
デイリーポータルZは来年も思い付きの企画でいろんな感情を呼び起こし胸をふるわせていきます。
さて年末企画の記事集、明日12/29は「宇宙編」をお送りします。荘厳続きですがどうかお付き合いください!