特集 2015年9月5日

8月の記事ベスト5&「これは骨に影響があるやつだ」

!
9月です!いよいよ2015年上半期も残すところ一ヶ月を切りました。そして今年は忘れた頃にやってくるレアな連休、シルバーウィークも控えています。さらには夏の終わり、もしくは残暑、そして食欲とか読書とかもろもろの秋!要素が多すぎてつい浮かれてしまいそうですが、ここはあえて少しウェットな気分で、過ぎ去った夏のことを思い出してみませんか?そういうわけで8月の総集編、始まります。
インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

前の記事:危険すぎる県境とハトマスクの故郷 人気記事まとめ

> 個人サイト デイリーポータルZ

PVランキング

アクセス数ランキングです。今月は危険な県境に大人のお化け屋敷と、夏にふさわしくスリルあふれるランキング。いやな汗をかいたあとは札束風呂でさっぱりしましょう。
奇妙な形の県境業界でラスボス級の県境といわれる、福島県の盲腸県境に行ってきた。
大人が本当に怖がるお化け屋敷を作った。お化けよりも怖いもの満載です。
箱根富士屋ホテルには12,000円のカレーがある。これ最高級のカレーだろう。
夏の太平洋高気圧が安定せず、今年は日本に影響する台風がつぎつぎやってくる。
国内を巡回していた札束風呂イベントをサンフランシスコで開催。行列ができる大盛況でした

SNSランキング

SNSのシェア数ランキングです。今月はアクセスランキングと似た記事が並びますが、そんな中ベトナムとパクチーと青森が健闘。思わず旅に出たくなるランキングです。
奇妙な形の県境業界でラスボス級の県境といわれる、福島県の盲腸県境に行ってきた。
大人が本当に怖がるお化け屋敷を作った。お化けよりも怖いもの満載です。
ベトナム進出した丸亀製麺は、トッピングにパクチーがある。うどんにパクチーだ。
“上京した”青森県民である妻と、妻の友人たち数人にインタビューしてまとめた。
国内を巡回していた札束風呂イベントをサンフランシスコで開催。行列ができる大盛況でした
次はライター西村さんへのインタビューです。
いったん広告です
奇妙な形の県境業界でラスボス級の県境といわれる、福島県の盲腸県境に行ってきた。
古賀「福島県と山形県、新潟県の福島県がにょーっと伸びている三県境を見にハードな登山をなしえた記事でした。いよいよもってすごい県境出てきましたね。まさにラスボス。前々から狙ってたんですか?」
登って歩いた
登って歩いた
西村「狙ってましたね」

古賀「ああいう場所ってやっぱり地図を眺めていて見つけるんでしょうか。マニア同士で情報共有したしして知るんですか?」

西村「飯豊山の盲腸県境はマニアではかなり有名な場所ですね。デカイ地図だと省略されてることも多いので、地図眺めてるだけだと見つかんないです。やっぱ情報共有だいじですね」

古賀「えっ、地図に載ってないこともあるんですか。県境趣味って、現地に行って地図を体で感じることだと思ってたんですが、地図にも載ってないとなるとすごい。手がかりがない」

西村「地図ってけっこういい加減だから細かい部分省略しちゃったりしてるの多いですよ。 県境業界でもう一つのラスボスとも言われる和歌山県の北山村も省略されてることありますし。ここはデイリーだと尾張さんが記事にしてます(こちら)」
もうひとつの県境レジェンド、村ごと飛び地。
もうひとつの県境レジェンド、村ごと飛び地。
古賀「村まるまる飛び地のところですよね。村ごと省略されちゃうのか! 地図に載っていない県境にぐっときちゃうというのはどういうことなんでしょう。行政区画がたまらん! みたいなことですか?」

西村「そうですね。地図に載ってないつっても、実際はそうなってる(はず)なので。そこはもう、想像するしかないんですけど。病気っぽいな」

古賀「まさに心の目を開くやつですよね。想像というより、どこか妄想っぽさがあるのなんでだろう。自然界の掟じゃなくてただ人の決めたものだからかな」

西村「考えるな、感じろってやつです。Don't think.FEEL! です。燃えよドラゴンなんです。県境は」

古賀「お、おう…。いやでも、以前連れて行っていただいた練馬の県境なんかがまさにそうなんですけれど、あれくらいガッツリ境目が分かると興奮するというのはかなり共感できるんですよ」
これくらい分かりやすいと素人も安心
これくらい分かりやすいと素人も安心
古賀「大山さんの大阪市の市境も電柱の住所表記の写真で「おお~」って実感しました。今回のはなんの表記もないんですよね。下手すると地図でも省略されているという。それでも行くんだぜって相当です(最高にほめてます)」

西村「行ってもなんにも目印ないんですよね。いや、でも行く前は鋲とか打ってあるかなって思ったんですよ。測量するための。そう言うの一切ないんですね。山小屋できいたら「そんなのみたことないな」っていわれて。ガクーって」

古賀「ガクー…! やっぱりガッカリではあるんですね」

西村「目印あるとね、楽しいじゃないですか」

古賀「逆に目印ないと一切楽しくないんですよ、素人考えでは。でもそれでもなお興奮できるのがマニアの力という感じがします。マニア度を試されているような県境なのかも」

西村「でも、幅91センチってのが実際どんな感じなのか? ってのがわかったからよかったんですよ。歩道というか、山道の歩く所がちょうど91センチぐらいなんです。3尺っていうのかな。県境これかーみたいな感動はありました」
91cm!
91cm!
古賀「おお、この歩くところこそが福島県か…っていう」

西村「そうそれです」

古賀「記事では分かりやすく写真が色わけしてあって、それがみんなを興奮させたと思うんです。やっぱり素人としては分かりやすくないとなかなか」

西村「あれ、色分けめちゃめちゃ大変でしたよ。ほんとは全部の写真に県境いれたかったけどめっちゃ時間かかるからやめました。県境マニアはPhotoshopの扱いに慣れてないとだめですよ。今回、県が三つあるから、選択範囲の反転が使えないんですよ。あれなんかうまいやり方あるのかな」
色分け大変でした。
色分け大変でした。
古賀「デザイナーに今度聞いてみましょう。うまい県境の色分けのやり方を。登山は死ぬ思いしながらも根性でなしえたのにPhotoshopにまさか難儀していたとは」

西村「登山は頑張れば何とかなりますけど、Photoshopはできることできないことありますからね」

古賀「心身ともに鍛え、テクニックを身につけ、考えるのではなく感じる。県境趣味奥深すぎませんか」


西村「剣道とか座禅にちかいですよ」
続きまして、平坂寛さんへのインタビューです。
いったん広告です
幼い頃、クモの網で虫取り網を作った。タモ網を作って魚を掬い捕ることはできるか。
クモの網は強力で、ちょっとやそっとの衝撃では破れない。ではスポーツはどうか。
石川「これどっちの記事もなんですけど、うまくいくとおもってました?」

平坂「はい!小魚くらいなら、数回のラリー程度ならなんとかなるだろうと踏んでいました。沖縄の山を歩いていて顔にオオジョロウグモの網が張り付いたことがあったんですが、手で拭ってもなかなか千切れないんですよ。人の手でもなかなか切れないなら、魚も行けるだろうと」

石川「やっぱり大型のクモが強いんですか? 糸は」

平坂「そうですね。やっぱり大きなクモほど大きな餌を捕ろうとするわけで。オオジョロウグモくらいになると小鳥まで獲ると言いますし。逆に、小さなクモの巣に鳥や大きなセミが掛かった時、すぐに千切れてくれないと網全体がグチャグチャになりますからね」

石川「あーなるほど、狙うエサのサイズが違うんですね。小鳥って獲ったあと食べられるんですか?」

平坂「食べられちゃうみたいです。実際に食べてる写真もたまに見ますね」

石川「どうするんですか? かじる? 吸う?」

平坂「消化液で溶かしながら、溶けた汁を吸うそうです」

石川「絶対につかまりたくない」

平坂「人の食べ物で例えるとクーリッシュっていうアイスみたいな食べ方でしょうかね。クーリッシュ食べたことないけど」

石川「あとパピコとか。ちょっとずつ溶かしながら食べるんですね」

平坂「そんなかんじですね!」

石川「あの記事に出てきたクモめちゃくちゃでかいじゃないですか、沖縄には普通にいるんですか? 山の中?」

平坂「たくさんいますよ。記事で網を集めていたのは那覇市の公園です 薄暗くて木が生えてればどこにでもいるようです」

石川「街中だ。。沖縄行きたくなくなりますね」

平坂「そのために沖縄に行った僕の立場が無くなりましたね」
クモの糸で作った「クモの糸ラケット」
クモの糸で作った「クモの糸ラケット」
石川「網を張るクモの中では最大と書いてありますが、張らないクモではもっと大きいのがいるんですか?」

平坂「アシダカグモっていうのとオオハシリグモっていうのがいて、こいつらは網は張らないんですけどオオジョロウグモと同じくらいかそれ以上に大きくなります」

石川「(画像検索して)オオハシリグモ怖いですね!」

平坂「しかもその二種類は網を張って引きこもるんじゃなく走り回って餌を探すので足が太くてマッチョです。動きも速いです。ゴキブリより速いです。デカくて速いって反則ですよね」

石川「これも沖縄ですか?」

平坂「はい。オオハシリグモは南西諸島です。アシダカグモはもともと外国産なんですが、今は本州にもいます。アシダカグモは古い民家の壁に張り付いてるアレです」

石川「本州にいるのか……。こう見るとタランチュラ(画像検索)ってなんか可愛いですね。それに比べてこの2種類は脚が長くてシルエットが怖い」

平坂「タランチュラは毛がモサモサしててなんか愛嬌ありますよね。この前アメリカで捕まえて手に乗せて遊んでたら噛まれかけましたけど」

石川「数々の生き物に噛まれてきた平坂さんだ。最近なにか新しいのに噛まれました?」

平坂「いろいろ噛まれてると思いますが、もう覚えてません」

石川「噛まれては捨て噛まれては捨てってかんじですね」

平坂「クモつながりだとセアカゴケグモとか」

石川「oh...」

平坂「あと、オオカミウオに噛まれてみようと思ったんですが、実物を見てやめました。これは骨に影響があるやつだなと」

石川「あはは『骨に影響があるやつ』。こんどネタに詰まったら『これに噛まれると痛い』書いてくださいよ」

平坂「それいいですね」

石川「今までに一番痛かった生き物とか、身近で簡単に噛まれることができて痛い生き物とか『噛まれ初心者にはトノサマバッタ!』みたいな」

平坂「『この毒がすごい!』とか。伊藤さんに噛まれ役で出ていただいて」

石川「やっぱり知識だけじゃなく体験してみないと、という死も視野に入ってくる企画ですね」
こういうのにすぐ噛まれてみる平坂さん
こういうのにすぐ噛まれてみる平坂さん
石川「これ死ぬな、と思ったことないですか?唐突ですけど」

平坂「まだ無いですね。飛行機の窓から外を見た時にエンジンが火を噴いてた時は『やばいかな?』って思いましたが」

石川「え、それどうなったんですか?」

平坂「数時間かけて空港へ引き返してました。いやー間に合って良かった。僕は基本的に臆病で慎重派なので、あんまり無茶はしないんですよ」

石川「怪魚ハンターの発言とは思えない」

平坂「僕は怪魚ハンターじゃないですよ!」

石川「何でしたっけ、テレビ出てたときに呼ばれてたの。あ、深海魚ハンターか」

平坂「なんか色々呼ばれてます。深海魚ハンターとか外来種ハンターとか珍生物ハンターとか。テレビ的にそういう肩書きが必要らしいんですけど、それ自分で考えて名乗るの恥ずかしすぎるでしょうと。だからその都度、そちらで適当に命名してくださいとお願いしてます」

石川「なるほど。なにかでつかまった時、新聞に『自称 深海魚ハンター』って出ると辛いですね。でも結果的になにかが定着するといいですよね。肩書きあると便利そう」

平坂「石川さん担当編集者として考えてくださいよ」

石川「そうだなー。ちょっとだけ待ってください……。

あ、『雑食』っていうのどうですか? 雑食・平坂寛」


平坂「生態だ」

石川「あはは、生態。では今後は雑食として活躍していただくということで」

平坂「名刺作らないと。たぶん世界初の肩書きですね」

石川「そうですね。オリジネーターですよ」
雑食・平坂寛
雑食・平坂寛

お知らせと今後の予定

冒頭でも触れましたが、今月はレア連休、シルバーウィークがあります!そしてデイリーポータルZは山口と大阪に。

まず山口ですが、9/19~20のYamaguchi Mini Maker Faireに出展。おととしも出展したDIYイベントです。前回のレポートはこちら。西村、べつやく、林、石川のメンバーで、ヘボコンの出場者も募集中ですよ

そして大阪。9/22に「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア 大阪2015」というイベントに出ます。プープーテレビ長編の上映のほか、人が多すぎるアテレコ企画も。こちらはチケット制ですので、ご購入の上お越しください。

その他のお知らせは、制作日記TwitterFacebook等でお知らせしますので、なにとぞ要チェックのほどよろしくお願い申し上げます。
それでは、また来月!
▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ