えーと、なんの話をしてたんでしたっけ? そうだ、ワンタンや餃子の皮が麺になるって話だ。なのになんで僕、今こんなドロドロのラーメンを食べてるんでしょうか。
とにかくですね、ワンタンの皮はかんすい入り。餃子の皮はかんすいなし。どちらもスパスパっと切ると適量の優しい麺になるので、お好みのスープとともにぜひお試しあれ。
そして、市販のインスタントラーメンを気分だけでも特濃にしたい場合は、春巻きの皮をちぎり入れればOK!
「ワンタン麺」といえば、ラーメンにワンタンの皮で包んだ肉あんなどをトッピングしたものが一般的かと思います。が、ワンタンの皮を細切りにするとそれ自体が麺っぽくなるという、いわば「新しいワンタン麺」を発見したので、ちょっと紹介させてください。
先日、冷蔵庫にワンタンの皮が何枚か余っていて、どう消費しようかな〜と考えていました。お前、またワンタンの皮かよとお思いでしょうが、本当に好きなんですよ。ワンタンが。
まぁ、くしゃっと握ってスープかなんかに入れてしまえばそれだけで美味しいのがワンタンの皮のすごいところなんですが、ふと思いついた。
「こいつ、細切りにしたらそのまま麺にならないかな?」と。
で、さっそく試してみたところ、見事に新感覚の麺料理が誕生してしまったんですよね。どういうことか。あらためて買ってきたワンタンの皮を使ってご説明していきましょう。
こういった、ごく一般的なワンタンの皮がありますよね?
これをね、はしっこから包丁で切っていくんですけど。
ね? 麺でしょ?
適度な手応えとともに、気持ちよくスパスパと切れていくワンタンの皮。なんだか自分が、熟練の職人にでもなったような快感があります。
この感覚、あれだ!
そば職人が手打ちそばをでっかい包丁で均一に細切りにしていく感じ。あれをこの世でもっとも気軽に味わえるのが、ワンタン切りなのかもしれません。
これで30枚入りのワンタンの皮の1/3くらい。つまり10枚ぶんくらい。
で、あとはまぁ、なんでもいいんですけど、
好きな具材と一緒に、
それだけで、
ね? これこそが、ラーメンにワンタンがトッピングされているのではなく、ワンタンの皮自体が麺になってしまった「新しいワンタン麺」というわけなんです。
これがですね、究極にふわふわ〜っと、とろとろ〜っとした、日々の暴飲暴食でちょっと胃腸に負担がかかってるな、なんてときにちょうどよさそうな優しさで、ものすごく癒される味わいなんですよ。
さらにいいのは、量が自在に調整できるところ。例えば上記のように、皮10枚ぶんくらいで小腹を満たすのにちょうどいい麺料理1杯ができ、パッケージの情報から計算するに、麺自体のカロリーは114kcalほど。
もちろん、3枚ぶんくらいで作ることだって可能。
この場合のカロリーは34kcalほど。お酒を飲んだあと、無性にラーメンが食べたくなったときなど、その麺欲を満たすのにこれほど適したメニューはないんじゃないでしょうか!?
また、新しいワンタン麺は応用範囲も広く、
切った麺を肉や野菜と炒め、オイスターソースで味つけしてみただけの料理ですが、がっつり麺料理! ってほど重くなく、お酒のつまみにぴったり。ポイントは、多めの油でまず麺をカリッと揚げ焼き風にして、それから具材を加えることかな。
となれば当然、他の皮でも試してみたくなりますよね。はい、餃子の皮を買ってきました。
丸いけど、
以前「小枝餃子」の記事を書いたときに学んだこと。それは、一般的に、ワンタンの皮には中華麺によく使われる「かんすい」が入っており、餃子やシュウマイの皮にはそれが入っていない。
とすると、餃子の皮で作った麺は、中華麺ではなくて「うどん」ということですよね?
これまた優しい味わいでありながら、ワンタンの皮よりはいくぶんコシも残っている感じもあって美味しい! 平打ちっぽいピロピロ食感も楽しく、冬期の朝ごはんは毎日これでもいいんじゃないかとすら。
今思ったんですが、これらの麺、キャンプなどのアウトドアに持ってってもよさそうですよね。かさばらず、小さなまな板とナイフがあればすぐに麺が作れる。汁っけのある料理のシメに入れたら最高ですよ。
実はこのスタイルの麺作り法を発見し、いちばん期待してたのが春巻の皮。だって、ワンタンや餃子よりもサイズが大きくて、もっともうどんの生地に近そうじゃないですか。
ところが、
春巻の皮って、あらためて相対してみると、ワンタンや餃子とはぜんぜん質感が違うんですね。薄くて、ミチっとしていて、ものすご〜く力を入れないと切れない。まぁ、そもそもどれも切ることは前提としてないんだけど。
それでもなんとか麺状になったので、鍋でゆでてみます。
すると……
なんと、またたくまに溶け、原型がなくなってしまいました。写真でちょっと麺っぽく見えているのは、一緒に入れた玉ねぎ。
原料を見てみると「澱粉(タピオカ)」というのが他にない要素っぽいので、そいつの仕業か?
いや〜またひとつ勉強になりました。春巻きの皮をゆでると、溶けるんですね〜。
気になるお味のほうはというと、なんだろう? ものすごくはっきりしないことは間違いないんですが、「中国のとある地方の朝ごはん」と言われれば、そうなんだ〜と受け入れられなくもない。風邪をひいたときにお母さんが作ってくれたらものすごくありがたいかもしれない。つまり、ぜんぜん嫌いではない。
はい、ここからは完全なる脱線なんですが、お湯でゆでたらドロドロに溶けてしまった春巻の皮。前に当サイトで検証した「モチポタスープ」的に利用できるんではないか? と思いつきました。
モチポタスープとは何かというと、お湯でおモチをゆでると、これまたすっかり溶けてしまい、そこにとろみだけが残るというもの。これをインスタントラーメンに応用すると、
つーわけで試してみましょう。
おモチの場合、溶けやすくするために包丁で切る作業が必要でしたが、こっちのほうがだいぶ楽だ。
これで普通にインスタントラーメン、今回はマルちゃんのとんこつラーメンを作るだけ。なのですが、ここで僕の持つ108の「飲み食いライフハック」のなかのひとつ「ラーメンに揚げ玉を加えるとちょっと豚の背脂っぽい」も合わせ技でいきましょう。
こりゃあいい。モチポタスープでほんの少しだけ感じるノリのようなペタペタ感もないし、ちぎって鍋に入れるだけなのでとことん気軽。もしかして春巻の皮、スープにとろみをつけるのに理想的な食材なんじゃないの? 今後、さらなる研究の余地ありかもしれません。
えーと、なんの話をしてたんでしたっけ? そうだ、ワンタンや餃子の皮が麺になるって話だ。なのになんで僕、今こんなドロドロのラーメンを食べてるんでしょうか。
とにかくですね、ワンタンの皮はかんすい入り。餃子の皮はかんすいなし。どちらもスパスパっと切ると適量の優しい麺になるので、お好みのスープとともにぜひお試しあれ。
そして、市販のインスタントラーメンを気分だけでも特濃にしたい場合は、春巻きの皮をちぎり入れればOK!
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