特集 2020年8月31日

見つけた!簡単絶品おつまみ「小枝餃子」

先日、すっごく簡単で美味しいミニミニサイズの棒餃子の作りかたを、偶然にあみだしてしまいました。今回はみなさまに、それをお伝えしたいと思います。という、シンプルな記事です!

1978年東京生まれ。酒場ライター、他。酒カルチャー雑誌「酒場人」監修をはじめ、いろいろとやらせてもらってます。(インタビュー動画)

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9/30に、僕の初めてのレシピ本『晩酌わくわく!アイデアレシピ』が、ele-king booksから発売されます。

いや正味の話、想像すらしてませんでしたよ。自分が「レシピ本」を出すような人間になるなんて。ですが実は、それもこれもデイリーポータルZのおかげなんですよね。

だって、これまで悪ふざけの延長で、しょっパフェ、酒蒸し法、アボカドの穴に何を詰めるか?、羽つき〇〇にモチポタスープetcetc……。好き勝手にその時々思いついた実験レシピ記事を書かせてもらってきましたが、本の内容、7割くらいがそうやって思いついたレシピの紹介になってるんすもん。

なので今、その本のための作業が佳境でして、写真が必要な料理を作り直しては撮影するということを毎日のようにやってるんですね。そんななかで偶然に生まれた新しいメニューを、今回はご紹介しようと思ってるわけです。

これは以前、デイリーではなく別の媒体だったんですが、ひき肉を使う料理をあえてひき肉ではなく、薄切りの豚バラ肉そのまま使って手抜きをしちゃえ! というような記事を書かせてもらいました。要するに、

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日本酒と醤油を全体がしっとりするくらいに揉み込んだ豚の薄切り肉

これを、ただワンタンの皮でくしゃっと包み、熱湯でぐつぐつゆでて、醤油やらなんやらで味を整える。ただそれだけで、

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ワンタンスープ

ができてしまう、というもの。ワンタンの中身は肉オンリーなんですが、これがひき肉に野菜を混ぜてあーだこーだして、と、手間をかけて作るより、むしろ肉々しくてうまかったりするんですよね。ゆで汁に豚の旨味が盛大に出るので、醤油とかめんつゆとかをニュアンスで加えてやるだけでスープも美味しい。僕、ワンタンが大好きで、たまにこれをたっぷり作ってワンタンパーティーを開催してるんです。

はい、この時点ですでにちょっとお得な情報だったかと思うんですけど、今回の本題はワンタンではありません。本の撮影のために上記のレシピを作り、余った肉とワンタンの皮、それらをですね、戯れにそのまま、フライパンで焼いてみたんですよ。そしたらそのなかの一片の肉と1枚の皮が勝手に絡み合い、ちょっとした棒餃子みたいになって、それがすごく美味しかったんですよね。

つまり、こういうこと。

作りかた

先ほどの、酒と醤油を揉み込んだ豚バラ薄切り肉、それを1枚取っててきとうに折り畳み、

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このように

市販のワンタンの皮に乗せます。

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それをくるくるっと巻く

あまりラフに巻くと焼き上がりが不格好になるので、なるべくぴっちりと。そこがポイントかな。でも味に影響はないので、雑にでもいいか。

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それを油をひいたフライパンで焼き、
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両面に焦げ目がつけば、
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はい完成!

餃子を手作りするのって、例え市販の皮を使うとしても、ちょっとハードル高いじゃないですか。だけどこれなら、ただフライパンで肉を炒めるだけのほんのちょっと延長という感じで、超~気軽にできます。

両はしに穴が空いてて肉汁が逃げちゃわないの? と思うかもしれませんが、焼いてるうちに皮が吸っちゃうのか、焼いたあとのフライパンは不思議とつるっつる。

これがね、一口でパクッと食べられて、カリッとジュワッと、めちゃくちゃいいおつまみなんですよ。

あ、もちろん、焼く前の肉にショウガやらニンニクのチューブなんかを合わせて揉みこんでおけば、より味はグレードアップします。

ちなみに、地元に好きな中華屋さんがあって、そこの名物のひとつが棒餃子。それをテイクアウトしてきてみて、このミニ棒餃子と比較してみたところ、

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ものすごく窮屈そう

一般的な某餃子が木の「幹」なら、僕が作ったほうは「枝」。そうだ、かわいらしく、棒餃子ならぬ「小枝餃子」なんて呼んであげるのはどうでしょうか?

ベストな皮は?

さて、今回の記事はここで終了でもいいんですが、気になっちゃうんですよね。じゃあ、餃子やシュウマイの皮で作ったらどうなの? 牛肉だと? って、いろんなことが。病気なんですかね、僕。もう、比較検証せずにはいられない。

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そこでまずは皮比べ

シュウマイ、ワンタン、餃子の皮を買ってきました。

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そこに肉ダネを乗せる

すいません、パッケージの写真と順序が変わってしまいましたが、左から、ワンタン、シュウマイ、餃子。

あまり考えたことのなかったそれぞれの特徴は、まず、シュウマイと餃子の皮の原料はほとんど同じで、小麦粉ベース。ただし、シュウマイの皮は「こんなにだったっけ!?」っていうくらい、薄い。逆に餃子の皮は今回のなかでいちばん厚いです。

ワンタンの皮には他にない特徴があって、中華麺などに使われる「かんすい」が入ってますね。それにより、ゆでたときにつるつるモチモチとした食感が生まれるわけでしょうか。

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左から、ワンタン、シュウマイ、餃子の皮で作った小枝餃子

感想、シュウマイからいかせてください。まず「焼き」の時点で、あまりの薄さのため、ちょっと繊細に扱わないといけない。雑にやると破けてしまう。で、味は、ほとんど肉。そこに、薄~い皮がトゥルトゥル感をプラスしているんですが、餃子って感じではなく、別の何か。美味しいけど、別の何か。

次、餃子。これが、皮がでかめだからか、そもそも「小枝」って感じじゃない。普通のミニサイズの餃子に近い。あと、微妙にひと口でいけない大きさ。そうなってくると、なかが挽肉じゃないのがネックになってくる。要するに、少しだけ食べづらい。厚めの皮がつるりとうまいんですが、小枝と幹の中間って感じで、ちょっと中途半端かもしれません。

そこへいくと、ワンタンの好ましさ! サクッとパリッとスナック感覚でいける、皮の大きさと厚みの絶妙さ! 知らなきゃ感じなかったかもしれませんが、かんすいが入ってるおかげか、弾力も心地よく、うん、皮はこれがベストですね。

結論、小枝餃子の皮は、ワンタン推奨! ただ、余ってる別の皮があれば、それでも作れなくはない。

ベストな肉は?

続いて中身の肉は何がいいかを比較していきましょう。以下の4種を買ってきました。

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豚、牛、鶏、ラム

特に牛肉は奮発しまして、

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なんと100g398円の黒毛和牛!

切り落としなんで、それでもお手頃ですが。

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準備完了
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左から、ラム、豚、牛、鶏

といっても、見た目はほとんど変わりませんけどね。

まずはラムから。お、作りかたがシンプルなので、独特のクセがけっこう強調されてる。僕は好きだけど、苦手な人はいるかもしれない。これ、クミンなどのスパイスを加えるなど、もっと工夫してみると、さらなる一品料理になる予感がします。

次は牛。これはですね、ちょっと重い。旨味と油の主張が強すぎ、小枝餃子にする意味がない。シンプルに焼いたり、すき焼きにしたりするのが吉のようです。

鶏肉は、お手頃なムネ肉を使ってみました。が、まずこれを細切りにし、さらに食べたときに柔らかく感じるよう隠し包丁などを入れたんですが、そこまでするともはや、小枝餃子のお手軽さが薄まってしまうんですよね。味は、あっさりしててなかなか美味しかったです。

そこへ行くと豚! もうね、これのための肉! って感じ。クセがなくて食べやすく、柔らかさや油のジューシーさも絶妙、やっぱこれだわ。

結論、小枝餃子の肉は、豚肉推奨! ラム肉にさらなる進化の可能性あり。


とまぁ、今回はあまりひねりのないレシピ情報だったわけですが、本当に簡単なんで、もしよかったら作ってみてくださいね。

ちなみに、アレンジの幅が広いのも小枝餃子の良さ。昨夜は、基本の肉ダネに、生姜とネギのみじん切りをオイル漬けにした市販品「姜葱醤」ってのを足し(この時点で反則的にうまい)、「梅と大葉」「ニンニクと青唐辛子」「フライドポテトとピザソースとチーズ」を合わせて巻いたバージョンなんかを作ってみたんですが、

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そりゃもう最高でした
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