小出し記事 2021年6月10日

余暇はクラブとデモ活動へ ベルリンのふつうのくらし・休みの日編

ドイツはベルリン在住11年目のライターほりべのぞみさんに、「ふつうのくらし」を聞いてみたい!  

今回は「やすみの日」のおはなし。

どんなレジャーがあるのかな~とのんきに聞いてみたら、「クラブ(踊る方の)」と「デモ(市民活動の)」だそうで、だいぶ思ってたんと違いました!

インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

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登場人物

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ほりべのぞみ
ドイツ・ベルリン在住11年のイラストレーター、ライター、日英翻訳者。
ベルリンの語学学校でドイツ語を学び、大学に通ったあと仕事をはじめ現在にいたる。
だんなさんがドイツ人。
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古賀及子
デイリーポータルZ編集部員。
15年前に旅行でミュンヘンに行って以来ドイツは憧れの土地。海外経験はとても少ない。
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寒中水泳のほかに流行ってるものある?

古賀:
ベルリンに住むほりべさんに、当地の暮らしを聞く企画、3回目は「休みの日編」です! やすみの日ってどんな遊びする? というのを聞かせてもらえたらと思っております!

ほりべ:
はい! よろしくおねがいします~。

古賀:
前回の「ごらく編」ではどんなコンテンツを楽しんでる? みたいなところを中心に聞かせていただきました。

今回は、どういうことしてる? 的な、以前寒中水泳」がまさか盛り上がりを見せてるという記事を書いてもらって。

古賀:
それで、ベルリンの人たち思いも寄らない遊びしてるなと気付かされ、アクティビティの方を聞かせてもらえたらと思います!

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パリピじゃなくてもみんなクラブへ

ほりべ:
ベルリンでは若い世代はもちろん、30代、40代でもやすみの日はクラブに行くっていうのが日常茶飯事です。

古賀:
えっ!? クラブ!? 踊る方の?

ほりべ:
はい、踊る方の。DJの音楽を聴くクラブです。

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友人にクラブの写真を頼んだら「クラブ、暗いからあんまり写真ないよ……」って言われました。暗いですね。(写真:tobhanosr)※以降、写真とキャプションはほりべさんより

古賀:
やすみの日なにしてる? の返答の初手がクラブとはピーキーな……。でもそうか、ベルリンはテクノの聖地ですもんね。

ほりべ:
クラブに行くのはかなり普通なことで、平均的な市民でも定期的に行ったりしてるみたいです。

古賀:
いわゆるウェイウェイしたパリピじゃない、普通の人たちがクラブに行く感じですか?

ほりべ:
そうですね。月曜日に職場「週末クラブ行ったんだ」ってカジュアルに話に出るような。

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友人はこう見えても普段は会社員です。(写真:tobhanosr)

古賀:
かっけぇ~~~~!
東京だとクラブってウェイかオタクのものですから、結構局地のカルチャーなんですよね。ベルリンではROUND1行くみたいな感覚なのかな。みんな踊りに行くんですか? お酒を飲む?

ほりべ:
お酒も飲むのもそうですが、踊りに行ったり音楽を聴きに行ったり、あるいは出会いを求めて行く人もいます。クラブによっては金曜の夜から日曜日の夜まで週末通しでやってるとこもあります

古賀:
最高か!

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元穀物工場だった建物の中にあるクラブ。(写真:tobhanosr)

ほりべ:
私は出不精でクラブは行かないんですが、日曜日の午後に数時間とか行けるのは睡眠のリズムが乱れなくていいなと思います!

古賀:
それは良いな~~っ。私クラブ大好きで、しかし体力がなくなりオールはもう無理なんですよね……。朝とか昼にさっと行けたら最高です……。
東京も朝10時ごろまでやってる中箱があって好きな人は朝早く行って終わりまでいるってありましたが、今もあるのかな。ベルリンいいなあ~。

ほりべ:
ぜひ来てください! ベルリンだと、飲み屋に行かないんだったらクラブに行く、みたいな感覚だと思います。

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有名店は長時間並ぶうえ、入れるかは分からない

古賀:
いま早速調べてしまいました。「ベルクハイン」というのが有名な大箱なのか……。

ほりべ:
そうです! そういう有名で人気のクラブに行くと、すごく並ぶんですよ。なんかもう数時間待ちとか。それで、入り口で身なりのチェックがあって、入れるか入れないか決められちゃうんです。数時間並んでも入れないこともしょっちゅうあります。

古賀:
ひぇ~!
日本語で「ベルリン クラブ」で検索したら、1番目のサジェストが「ベルリン クラブ 入れない」でした!

ほりべ:
そうなんですよ。
オランダのある音楽フェスでは、そのクラブを見立てたほったて小屋クラブが設置されたんですが、「ベルクハインの入場拒否体験」を再現するために並んだ人をことごとく入場拒否したそうです。(何回並んでも入ることができないので、中には泣き出してしまう人もいたとか……)

古賀:
入れなさがパロディになっちゃうくらい、ミームなんですね。
泣いちゃうなんて……。よしよししてあげたい。

ほりべ:
人気なクラブはそれがちょっとギャンブルです……。もちろん入場ポリシーがゆるいところもありますが。
よく行く友達は、あそこのクラブはこの靴じゃ入れないとか、暗黙のルールを把握しているみたいです。

古賀:
なにか規定のドレスコードがあるんですかね……。

ほりべ:
それが難しいんです。
明らかに観光客がかたまっていたり、酔っ払ってると入れなかったり。年齢は関係ないみたいですが、カッコよくないと入れない(笑)。

古賀:
ハードル!

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ベルクハインに入るための「訓練」をできるシミュレーションサイトもあります(画像はその https://berghaintrainer.com/ より)。試しましたが、入れてもらえませんでした。多分実際に行っても入れなさそうです。

古賀:
これやってみまして、入れてもらえませんでした……!
私は英語がおぼつかないので仕方がないっちゃないんですが(ドイツ語じゃなくて英語で挑戦できる)、英語ができる編集部の橋田、安藤、石川も軒並み入れず~~~!

ほりべ:
おしゃれすぎてもダメらしくて。クラブのイメージに合うか合わないか、いろいろ基準があるみたいです。
見極めるバウンサーがいて、ダメ、OKって振り分けていきます。

古賀:
プライド感じるなー! 入れたら一生自慢できる。

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ベルリンでは年間5000のデモがある

ほりべ:
あと、クラブのほかにみんな休日何してるっけな~と考えたときに、デモに行く人がすごく多いことに気づきました。

古賀:
ええっ! いわゆる市民運動?

ほりべ:
そうです。ベルリンってすごくデモが多いと聞いて、それで調べたら年間約5,000件のデモがあるそうなんです。

ほとんどが週末に集中しているとは思うんですけど、単純計算で毎日14件……。大きいものから、数人規模の小さいものも含めての数字ではあるんですが。(ドイツ語ですが、ソースはこちら! )

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ベルリン州警察のウェブサイトには、現在登録されているデモが公開されていて、毎日更新されています。

古賀:
ベルリンだけで! 多いな! なんだろう、ちょっと胸に思うところがあったら気軽にデモする感じなのかな。

ほりべ:
そうですね。ベルリン在住のイギリス人の友達が、この間アプリで出会った人とデモでデートしたって言ってました。
デモで落ち合って、そこで一緒に時間をすごすって。

古賀:
デモでデート!

ほりべ:
出会った相手もドイツの人じゃなかったので、外国人同士だし一緒に「外国人にも投票権を」ってデモに一緒に行こう、となったみたいです。

これもクラブと同様、月曜日に職場で「週末にデモに行ってさ」と会話に出てくるレベルで、みんなよくデモに参加しています。


ほりべ:
ついこの日曜日も、より環境にやさしい交通を呼びかける大規模な自転車デモがあって、途中から飛び入り参加してきました。

ベルリンでは年々自転車を利用する人が増えてきて、自転車専用道路の設置など、より安全な自転車環境を求める声があがっています。

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全ドイツ自転車協会が主催する毎年恒例の自転車デモ「Sternfahrt」には、毎年約3万人が参加するそうです。

 

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このデモでは自転車で高速道路を走れるほか、子供連れでも参加しやすくて人気です。

古賀:
「人気のデモ」という概念があるんですね。
老若男女に愛されてる感じですか? デモ。

ほりべ:
そうですね……夫の両親もわりと行っています。むしろ私たちの両親の世代はヒッピー世代なので、デモの文化が浸透してるみたいです。

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2011年にベルリンで行われたの反ウォール街デモ。幅広い年代の人が参加しています。

古賀:
あっ急にガチのやつ。変わったデモもあったりしますか?

ほりべ:
変わってるというわけではないのですが、ドイツでも極右勢力の存在が問題になってきて、ネオナチグループによってデモが行われることがあります。

すると対抗デモがすぐに立ち上がって大きな衝突が起きることがあるので、参加しない人は気をつけないと危険な場合があります。なのでどこでどんなデモがあるか、という情報は結構重要です。

古賀:
わっ。

ほりべ:
あとすごいデモといえば、5月1日のメーデーがまた桁外れなカオスぶりです。メーデーは屋外イベントやコンサートが行われてベルリン中お祭り騒ぎなのですが、同時に大規模なデモも沢山あって、エスカレートしてしまうことがよくあります。

特に80年代〜00年代までは激しい暴動が多かったそうです。最近は少し落ち着きましたが、車が引火されたり、店の窓が割られたりと、毎年かなりの被害が出ていました。

古賀:
たいへんだー!

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2007年に夫が撮ったメーデーの暴動の様子。当時はクロイツベルクという地区がデモの中心地だったそうです。

ほりべ:
ベルリンではメーデーに備えて全国から警察官が集められたり、お店は窓を板で塞いだりと、対策を取っています。
あと車を持っている人はデモから離れた地区に車を駐車したりしますね。

古賀:
コミケのときビッグサイトのベローチェに各地から店長が集まるみたいなやつのガチ版だ。
あっ!今年の4/30付で日本大使館からも注意喚起が出てますね。まじだ、これはシリアス。

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湖が超重要

古賀:
やすみの日なにしてますか? って質問の答えがまさかクラブとデモとはー!
なんかこうもっと、スポーツとかアウトドアの話題が軸になるかなあなんて思ってました。

ほりべ:
もちろんスポーツをしている人も多いんですが、まわりの友達は最近何してるっけ? と考えた時に、デモに行った話が結構多かったな〜と思いました。

古賀:
意外か!

ほりべ:
あとは自転車で郊外へ日帰り旅行をする人が多いですね。ベルリンやお隣の州のブランデンブルクは湖の数が多いんです。市民プールも人気ですが、暖かい季節は湖に人が殺到しますね。

古賀:
湖が重要なんだ。

ほりべ:
夏は重要ですね! 


ほりべ:
これはベルリンの北の方にあるプロッツェンゼー湖の公式インスタアカウントです。6月4日の湖開きの宣伝がおちゃめでした。

古賀:
ちょっとまて(笑)。湖って、やっとわかりやすい「休みの日」が出てきたと思ったら!

ほりべ:
これは冬に私が寒中水浴をしていたプロッツェンゼー湖の湖開きの宣伝なんですが、ビーチの一部がヌーディスト用になっています

全裸文化はドイツ全国にありますが、特に旧東ドイツでは FKK (直訳すると「解放された体の文化」)と呼ばれるヌーディスト文化が根付いています

もともと全裸で自然を楽しむことが目的なので、性的な意味合いはなく、湖などでは老若男女が普通に裸で泳いだり日光浴をしています。

古賀:
ドイツすごい!

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更衣室やカフェなどの設備がそろった有料ビーチでは、7ユーロ(900円ほど)で一日遊べます。冬は向こう岸で寒中水浴をしていました。

 

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お隣のブランデンブルク州の自転車旅行に行った時の写真です。こういう誰もいないところで泳ぐ開放感がたまりません。

泊まれる「いかだ」がかわゆいよ

ほりべ:
郊外の湖に行く人は、泳いだり、カヌーやいかだに乗ったりして遊ぶこともあります。

古賀:
……いかだ!? 作るんですか?

ほりべ:
ドイツ語から直訳すると「いかだ」なんですけど、土台に小屋みたいなものが乗ったものをレンタルすることができます。小屋の中には3〜4人寝れるスペースがあるので、泊まることもできるんです。

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日中は泳いだり、デッキでくつろいだり、バーベキューをしたり。

古賀:
えっ、めっちゃかわいい! すてき~~~。やってることとしてはちょっとキャンプに近いですかね。

ほりべ:
確かにそうかも!
ドイツ国内は野宿が基本的に禁止なので、キャンプ場でしかキャンプができないことになっています。スウェーデンはその点自由なので、キャンピングカーなどでにキャンプしに行くドイツ人も多いです。

ただ自転車旅行の途中でどこかに寝袋を敷いて野宿……ぐらいだったら目をつぶってくれるとは思います。イノシシが出るかもしれませんが……!


ほりべ:
ドイツの日刊紙Tagesspiegelのツイートです。
去年の夏、ベルリン市内の湖でイノシシ家族にノートパソコンの入ったバッグを盗まれた男性のニュースが話題になりました。バッグを無事に取り戻した男性は、快く写真の投稿を許可したそうです!

古賀:
おじさん裸ですよね!? 要素が多い!

ほりべ:
あと、これはドイツ人の人に聞いたんですが、自転車旅行の途中でテントを張りたい場合は、どっかの民家や農家の人に頼むと、庭に泊まらせてくれることがあるそうです。

古賀:
昔ばなしみたい。

ほりべ:
庭貸してます、キャンプして良いですよって看板出してる家もあったり。

古賀:
へ~! お遍路さんに親切にするみたいな感じだ。
いや~~、興味深い……あからさまに「聞いてみないとわからない」ことだらけでした!

自転車の話ももっと聞きたいです! 次回の「いどう編(交通機関の話)」でまた聞かせてください~~っ。

ほりべ:
はい!

(次回「いどう編」に続く)

登場人物

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ほりべのぞみ
ドイツ・ベルリン在住11年のイラストレーター、ライター、日英翻訳者。
ベルリンの語学学校でドイツ語を学び、大学に通ったあと仕事をはじめ現在にいたる。
だんなさんがドイツ人。
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古賀及子
デイリーポータルZ編集部員。
15年前に旅行でミュンヘンに行って以来ドイツは憧れの土地。海外経験はとても少ない。
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