小出し記事 2021年5月27日

賃貸なのにバリバリDIY! ベルリンのふつうのくらし・おうち編

ドイツはベルリン在住11年目のライターほりべのぞみさんに、「ふつうのくらし」を聞いてみたい!  

今回は「おうち」のおはなし。

家を借りても台所はないから自力で入れる、IKEAも大好き! 、ひとりには広すぎる部屋が多いから基本はルームシェア、室内は土足派よりもスリッパ派が多し!

今回も、外からでは見えないことをたくさん教えてもらいました。

インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

前の記事:静岡の鈴木さん、「オリソース」って知ってますか? 仕送りリレー 京都→静岡

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登場人物

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ほりべのぞみ
ドイツ・ベルリン在住11年のイラストレーター、ライター、日英翻訳者。
ベルリンの語学学校でドイツ語を学び、大学に通ったあと仕事をはじめ現在にいたる。
だんなさんがドイツ人。
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古賀及子
デイリーポータルZ編集部員。
15年前に旅行でミュンヘンに行って以来ドイツは憧れの土地。海外経験はとても少ない。
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ベルリンの賃貸住宅はいま、引っ越せない!?

古賀:
ベルリンのおうちって賃貸と分譲どっちが多いんでしょうか。ほりべさんちって賃貸ですか? いきなり超プライベートな質問ですみません!

ほりべ:
実はうちは数年前に買いました……! でもベルリンでは珍しいかもしれません。

古賀:
おお! 借りるパターンの方が多い……?

ほりべ:
実はベルリン、ドイツの他の都市と比べて賃貸に住む人の割合が多いそうです。
今はベルリン中家賃が急激に上がって、かなり問題になってきているんですが、10数年前までは家賃が比較的安い大都市として知られていました。

人が住んでいる間に家賃を上げるのには法律上結構制限があるので、昔から同じアパートに住み続けている人は低い家賃で住み続けることができます。
ですが、一度人が出ると家賃を上げることができるので、今安い賃貸に住んでいる人はなかなか引っ越しすることができない状態です!

古賀:
おお……それは死守ですね……。

ほりべ:
そうですね……。以前は家賃が安かったため、持ち家のメリットがあまりなかったんですが、最近は少し変わってきています。

古賀:
ソウルもいま家賃が高騰してるってニュースで見ました、東京も分譲マンションの値段が高まっているとか。

ほりべ:
そうなんですね! 世界中色々変わってきていますね……。

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ばりばりDIY、フルリフォームで住む賃貸

古賀:
賃貸メインだとベルリンっ子は家賃のことがなかったらもともとは引っ越し好きなんですかね。

ほりべ:
聞くところによると、ベルリンっ子は昔は結構あっちこっち引っ越す人が多かったそうです。一か所に居座るようになったのは、最近のことらしいです。

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引越しは自分でやる派の人が多く、トラックと友人の手を借りてやったりします

ほりべ:
ベルリンに来てすごく驚いたのは、こっちの人は賃貸なのにバリバリDIYするんです。壁の色を変えたり穴を開けたりとかはもちろん、痛んだ床の表面を削ったり、2段ベッドを壁にがっしり取り付けたり……。
一応アパートを出るときに穴を埋めて壁を白くぬる、というルールはあるんですが、結構がっつりリフォームしてます。

せっかくお金とエネルギーをかけてリフォームした家を出るのはもったい無いのでは……と思うのですが、もっといい物件が見つかれば結構あっさりと引っ越してしまうそうです。

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以前住んでいた賃貸アパートの浴室の痛んだ天井を直していた時の写真です。賃貸なのに好き勝手なことをしています。(以降、写真のコメントはすべて ほりべさんより)

古賀:
ちょ……! 「バリバリDIY」の度合いが思ってた30倍すごい! 賃貸住宅だけどフルリフォームするんですね!

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壁にも穴を開けまくります。

ほりべ:
結構好きなようにリフォームしてる人が多いです。

それにベルリンのアパート、キッチンがついていないことが多くて。台所であるべき場所に何もないことがあるんです。シンクも戸棚とかも。イケアとかで戸棚を買って友達を呼んで手伝ってもらって、ビールとピザをごちそうするとか。

古賀:
引っ越し蕎麦がビールとピザ! 引っ越しはいちだいじなんですね。

ほりべ:
前の賃貸では夫と私とルームメイト1人の3人で暮らしていたんですが、義理の父が手伝ってくれてキッチンを組み立てました。

DIY 003 台所がついていないので、IKEA の台所を買って組み立てました。人によっては引っ越す時に台所を解体して持っていく人もいます (自分で.jpg
床に横たわっているのが義父です。

ほりべ:
で、キッチンに愛着が湧きすぎて。私は引越したくなかったです。

古賀:
そりゃそうだ! めっちゃ大変ですよね? 水道とかガスも接続するんですかね。

ほりべ:
ガスは業者に頼みましたが、水道は確か義父がやってくれたような……。

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引越しやリフォームの写真を見返すと義父が床に横たわっている写真が多かったです。

古賀:
義父さんスペック高い!

ほりべ:
なんかすごい道具を持ってて。シンクに蛇口を取り付けるための穴を開ける道具とか。

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古賀:
なんだこれは笑! 絶対に人生で1回も使わない道具!

ほりべ:
私も一度しか見たことないです……。

道具 001.jpg
ほかにもいろいろな道具が。
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旧東ドイツ時代の高層住宅=プレハブ

古賀:
建物自体はどんな造りなんですか?

ほりべ:
石造り……というのかな? 場所にもよるんですが、前住んでいた賃貸アパートは1904年に建てられた建物で、壁が石とかレンガだった気が……。

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戦前のものだとこのような雰囲気の建物(Altbau・古い建物の意)が多いです。この通りの建物は背丈がみんな同じです。

ほりべ:
今のところも1900年あたりの建物だと思います。
なので壁の場所によって穴が開けやすかったり、全然歯が立たなかったりします。あと床や壁が真っ直ぐではないので、家具がちょっと傾いたりします。

古賀:
傾き前提!

ほりべ:
Altbauはそんな感じです! 

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友人宅のなんともヨーロッパらしい入り口。
地下 001 ベルリンの古い建物の地下は倉庫などとして使われていることが多いんですが、建物によってはダンジョンのようになっています.jpg
 ベルリンの古い建物の地下は倉庫などとして使われていることが多いんですが、建物によってはダンジョンのようになっています

ほりべ:
ベルリンのアパートには大きく分けて3種類あり、Altbau のほかに Neubau (戦後に建てられた新しい建物)と旧東ドイツ時代の高層住宅の Plattenbau (プレハブ工法の建物) があります。 

アパート外観 Neubau 001.jpg
Neubau。ベルリンの壁があった場所に立つおしゃれな新築の建物。
アパート外観 Neubau 002.jpg
こちらもNeubau。
アパート外観 Plattenbau 002.jpg
Plattenbauはこんな感じです。ベルリン郊外の街にある旧東ドイツ時代の団地。ベルリン市内にも同じような建物が多くあります。

古賀:
日本でいうところの「プレハブ」ってちょっと意味合いとして「仮屋」みたいな雰囲気がありますよね、その感覚とは違うんだなあ。
本当に「プレハブ工法=工場生産した部品を現地で組み立てる建築のこと」なんですね。

アパート外観 Plattenbau 001.jpg
こちらもPlattenbau
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賃貸は同居人数人と暮らしがち

古賀:
賃貸住宅を借りるときって日本みたいに不動産事務所の担当さんとあちこち物件一緒に回るんですか?

ほりべ:
ベルリンではそういう不動産屋さんを通さず、ネットの不動産サイトや、不動産ポータルみたいなサイトを使います。
ベルリンではルームシェアが盛んで同居人を探して一緒に住むことが多いので、ルームメイト募集サイトがあって、そこで部屋を探す人も結構多いです。
特に戦前の建物はアパート一件一件が大きいので、1人で住むには家賃が高すぎるのが理由なのでは、と思います。

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ドイツ国内のルームメイト募集サイトです!(「WG-GESUCHT.de」より)
いろんな家の写真が見られるので眺めるだけでも面白いです。ドイツ語でルームシェアのことを「WG (ヴェーゲー)」と言います。WG とは Wohngemeinschaft (ルームシェア) の略語です。

古賀:
なるほど! 基本ひと部屋が広いんですね。

ほりべ:
特に昔ながらの建物はアパートが広かったので、最近は小分けにされているところもありますが、それでも数人で暮らせる広さがあるところが結構あります。
社会人になっても同居人数人と暮らす……というのが普通ですね。一人暮らしが逆に珍しいぐらいかもしれません。

古賀:
日本は狭いワンルームみたいな賃貸がやまほどあるんですが、そういうのはあまりないですか?

ほりべ:
ワンルームは最近は増えてきましたが、結構家賃が割高なようです。まだ日本ほど一般的ではないような気がします。

古賀:
2階建てで、外階段があって、カンカンカンってのぼるみたいな、刑事ドラマで「お隣さん? いま留守ですよ」みたいに言われるみたいないわゆるアパートって確かにドイツには無さそうだな~~って言ってて思いました……。

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友人の住む建物の入り口です。入るとすぐ郵便受けがあります
入り口 002 掲示板のようなものもあります.jpg
掲示板のようなものもあります
入り口 003 .jpg
こちらも別のアパートの入り口です。
中庭 001 ベルリンのアパートには中庭があり、気が植えてあったり、自転車やゴミ置き場だったり、木が植えてあったりします.jpg
ベルリンのアパートには中庭があり、自転車やゴミ置き場があったり、木が植えてあったりします
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IKEAの読み方は「イケア」です

古賀:
さっき聞きましたが家具はイケアで買いがちなんですね、そりゃ日本よりぜんぜんスウェーデンに近いですもんね。

ほりべ:
そうですね、郊外に3つぐらいあるのかな…リフォーム大国なので需要がすごいです。

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イケアに通いすぎて、商品名がスラスラ出てくるようになりました。

古賀:
おお、IKEAの青いバッグ(上の写真左)、あれうちにもある~~っ。
ちなみになんて読むんですか? 英語読みだと「アイケア」って読むらしいですが、ドイツでは。

ほりべ:
ドイツでも「イケア」です

古賀:
やった~~~っ! うれしい! 親近感! アイケアって言うのかっこい~~って思ってたんですが、ドイツではイケアだ~~!

ほりべ:
そうなんです、うちのおばあちゃんが「D」のことを「デー」って言ってるの、間違っていると思っていたんですが、「D」はドイツよみで「デー」だからおばあちゃんはドイツ語を話してたんだ…と思いました。

古賀:
ウェブマスターの林もパソコン業界の古参なので「D」を「デー」って言いますね。ドイツ読みだ。

ほりべ:
林さんも日常的にドイツ語話してるんですね。

古賀:
見る目がかわりました。せっかくなのでスウェーデン語でなんて読むのかなーと思ったら「イケア」みたいです。卑屈になることなかったんだな。

じつはスリッパが大好き

古賀:
そういえばほりべさんちって土足ですか?

ほりべ:
あ、いい質問! アメリカとかって土足が多いですよね。

古賀:
ですよね! 映画とかで見て、いまだに「おお~~」と思います。

ほりべ:
「ベッドで靴履いてるーーーー!」って思いますよね。
ドイツでは結構分かれるんですが、家では靴を脱ぐ家庭が多いです! 私的には嬉しいです!
あとスリッパ文化があります! ドイツ人、スリッパ大好きですね。

古賀:
へ~~~~っ!!!!

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ベルリンには手作りスリッパ屋さんもあります!

ほりべ:
スリッパ好きすぎて、うちに呼んだらマイスリッパを持ってきたドイツ人の友人もいます
知り合いだと靴を脱ぐ派がほとんどだと思います。ありがたいことに!

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古賀:
わ~~、それ知らなかった、当然土足だとばかり。

ほりべ:
友人宅でもスリッパを出してくれるところが結構あります。床が冷たいからかな?

古賀:
スリッパを出してくれる家ってちゃんとしてるな……!と思いますよね……。

おー、浴槽がある~、いいね~

古賀:
お風呂はどうですか? 湯舟に入りますか?

ほりべ:
浴槽がある家とない家があります。ある家は「おー、浴槽がある~、いいね~」ってちょっといい家という印象です。毎日入るならシャワー、たまにリラックスしたい時には湯船に浸かる感じだと思います。

古賀:
あ、じゃあ入浴剤とか入れたり。

ほりべ:
ありますね! リラックスするため以外にも「風邪をひいた時用」の入浴剤が売ってたりします。

古賀:
入浴習慣はあるにはあるけど頻度は日本ほどじゃないってことかな。

ほりべ:
そうなのかもしれません!

古賀:
そうだ! 入浴剤、「クナイプ」ってドイツですよね。やったるぞという日に使う入浴剤、日本でもむっちゃ売ってます。

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ドラッグストアのクナイプの入浴剤コーナーです。日本のものとデザインが違うんですね!

ほりべ:
そうです! ドイツです! うおーー! 日本で人気なんですね! 知らなかったです! ひえ~、ドイツからのお土産チョイスが減っていく~。いつもお土産に困るんです……。

古賀:
でももらうとめちゃくちゃうれしいから!

ほりべ:
手に入るのはびっくりです! グローバルな世の中…! 本当はソーセージを持って行きたいんですが、肉類は持ち込みがダメなのでいつも迷います。

古賀:
そうですよね……こないだ空港の検疫で犬の捜査官がめちゃくちゃ肉を摘発するテレビやってました……。

ほりべ:
ああああ、犬に捕まってしまうう……。

テレビを持っていない話、詳しくは次回!

古賀:
日本だと、最近テレビはでかければでかいほうがいい、みたいな風潮があるんですが、ドイツではどうですか?

ほりべ:
昨日もちょうどテレビ関係の人とその話をしていて、若い人はテレビを全く見なくなってしまったので、30代とか40代の人はテレビを持っていない人が結構多いです。うちも5年前にテレビを処分して以来、買っていません……。

古賀:
なんとほりべさんちも! その編のお話は「ごらく」の回でまた詳しくお聞きせねば! 

(次回「ごらく」編に続く!)

登場人物

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ほりべのぞみ
ドイツ・ベルリン在住11年のイラストレーター、ライター、日英翻訳者。
ベルリンの語学学校でドイツ語を学び、大学に通ったあと仕事をはじめ現在にいたる。
だんなさんがドイツ人。
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古賀及子
デイリーポータルZ編集部員。
15年前に旅行でミュンヘンに行って以来ドイツは憧れの土地。海外経験はとても少ない。
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