世界30ヶ国に行った旅するシェフ
こちらが本を書いた本山さん。
著者の本山さん。手に持っているレトルトパックについては後程。
神戸生まれ。大学生の時にペンションの住込みアルバイトをやり、料理担当となり料理の世界にはまる。バイトが終わり大学に戻ってからも、料理が面白くなって大学の友人に振る舞っていました。そうしたら、友人から料理人に成ったらいいのではと言われ、大学を中退して料理の世界へ。
フランス料理店でのバイトから始まり、20代後半には小さなホテルの料理長にまでなります。
リゾートバイトからの、大学を飛び出し料理長へ着地。かなりの飛躍です。
本は地域、国別に分かれてレシピを掲載。セントクリストファー・ネーヴィスはどんな国だろうか?
とここで、順調な(?)料理人人生に転機が訪れます。ヨガをやっているお店の常連さんからインドに行こうと誘われます。最初は断っていましたが、ある日チケットも取ってあるし、店のオーナーにも話を通してあるからとインド行きが決まります。
行ったが最後。スパイスの配分一つで味がガラッと変わるインド料理に2日ではまってしまいました。
旅やレシピつくりの際のエピソードが入ったコラムもあります。
料理の作り方は、綺麗な写真と共にシンプルにまとまっています。
本山さんは帰国して直ぐにオーナーと相談。暫くしてフランス料理店を退職し、日本のインド料理屋で修業をはじめます。そして、インド料理店で働きながら世界各地の旅に出る。旅先でその国の料理を現地の人に教えてもらうようになりました。
フランス料理からインド料理へ。そして、世界を放浪しながらの料理修行。またもやかなりの飛躍。
インド修業時代。ワイルド。
インド修業時代。皿洗い?
作り方は街を歩いている外国人に聞く
こうして、世界30ヵ国を旅した本山さんは、帰国後に神戸でレストランを開き、世界で教わって来た料理を提供。更に2010年から2012年にかけて、世界196ヵ国の料理を提供するイベント「世界のごちそうアースマラソン」を開催します。
今はお店を閉めて、世界の料理を家庭でも気軽に食べられるレトルトシリーズの販売や講演をされています。
世界のごちそうレトルトシリーズの包装の裏には、その料理の解説やその国の情報が出ています。アースマラソンの時にもメニューと共にこういうのを作ったそうです。
タイの「ゲーンキョーワン」。鶏肉とタケノコのココナッツカレー。今まで食べたレトルトカレーの中では最上位クラスで美味しかったです。
そして送られてきたコソボ料理がこちら。入手困難な調味料はアレンジしてあります。
実際に本と同じように作ってみました。簡単でした。
シンプルな味付けのハンバーグにヨーグルトの爽やかさと旨味。これはうまいね。
日本では絶対に入手出来ない食材や調味料があるし、日本人の味覚にはどうしても合わないものもありますからね。
世界の料理を作ろうとすると、食材や調味料の壁にぶつかることはよくあります。今時はネットでお取り寄せというのがかなり出来ますが、費用も時間もかかる。
店では現地からの取り寄せで対応していたものの、そういう事情もあり、本のレシピでは国内で入手出来る物で代用。現地の人や味を知る人に確認してもらい、OKが出た物を載せているそうです。
調理と確認作業。数か国でも面倒なのに196ヵ国。凄い。
食べて問題を知るシリーズ
先に少し触れましたが、本山さんは現在では店を閉め、更に広く世界の料理を知ってもらうため「世界のごちそうレトルトシリーズ」の販売や講演活動をおこなっています。どれもかわいらしい絵や写真のついたパッケージなのですが、ちょっと変わったものがありました。
およそ食品のパッケージとは思えない文字の重さ。
文字は重いが中身はうまい。エチオピアのドロワット。トマト風味のカレーです。
ソマリアのスカール。炒め物とありますが、レトルトだからか、ひき肉入りのトマト風味の煮物という感じでした。
問題がやさしく解説されています。
オススメのスウェーデン料理
ヤンソンフレステルセ。右側の料理です。うまそうだ。
では、本を見てヤンソンフレステルセを作ってみます。用意した材料はこちら。
スウェーデン料理だが、全部近所のスーパーで入手可能な食材。
ジャガイモ、タマネギ、アンチョビ、生クリーム、バター、塩、コショウ。調理の際に、オーブンへ入れられる深めの耐熱皿が必要です。
生クリームと牛乳に塩、コショウを入れて沸騰直前まで温めます。玉ねぎはバターでしんなりするまで炒めます。
耐熱皿に切り分けたジャガイモの半分を入れて、その上から炒めた玉ねぎとアンチョビを乗せます。
家にあった耐熱皿は少し浅かったので作りづらかった。深めなものを用意しましょう。
残りのジャガイモを乗せて、温めた牛乳と生クリームを注ぎ入れます。
牛乳と生クリームは皿のギリギリまで入れると焼いている最中に溢れるので、縁より低く入れましょう。
200度のオーブンで焼き目がつくまで焼けば完成です。
酒が止まらなくなるタイプの味です。
できあがったヤンソンフレステルセは、アンチョビ風味のジャガイモ入りホワイトシチューといった感じです。
こりゃ簡単で美味いね。ワインもいいが日本酒でもイケる味だ。
バターで炒められた甘い玉ねぎに、アンチョビの塩気と生クリームのコクが加わり、それがジャガイモと絡んで口の中で広がる。食事としても、酒の肴にしても、どちらでもよく合う味でした。作るのも簡単で大変おいしい。
スウェーデン料理、いいね!
スウェーデンの料理にコソボの料理を突っ込んでみたら、これはこれで美味しかったです。