キャッサバ芋とバナナで作ります
フトゥバナニの材料はキャッサバ芋と調理用のバナナです。これらを蒸す、または茹でて加熱した物を臼でついて餅のようにすれば出来上がり。
アフリカでは似たような料理にヤムイモで作るガーナのフフがあります。同じくキャッサバ芋と調理用バナナを使うものでコンゴのモコケというものもあります。
東アフリカに行くとトウモロコシの粉を使ったウガリという料理もあり、どれも餅のような食べ物です。
その中でも調理用バナナを使うフトゥバナニは見た目が芋ようかん風なのです。
こちらはフィリピン産の調理用バナナ「ツンドクバナナ」。池袋の東武デパートで購入。手前が通常のバナナ。かなりデカい。
そして色々な料理に使えます。
では、実際に作ってみましょう。まず調理用バナナです。最近は都内ならば割と簡単に入手できるようになりました。
ちなみに今回購入したツンドクバナナは1本216円。バナナ1本と思うと結構な値段ですが、大きめのサツマイモか何かと思えばまあまあの値段といったところ。
冷凍キャッサバ芋。キャッサバには有毒なものがあり、食べるには下処理が必要。これは下処理済みでそのまま使用可。
もう一つの材料がキャッサバ。日本ではあまり売ってないですが、Amazonで冷凍の物が買えました。なんでもあるぞ、Amazon。
ベトナム産のもので、アフリカ料理用ではなくブラジル料理用に販売されていたものでした。
蒸して、ついて混ぜるだけ
材料が揃ったところでフトゥバナニを作ります。
冷凍のままを電子レンジ蒸し器に投入。
調理用バナナは包丁を使わないと皮が剥けません。そして硬くて生では食べられません。
こういう食べ方は無理。
キャッサバは冷凍のままで大丈夫です。調理用バナナは皮をむいて適当な大きさに切り分けます。
爪楊枝が中まですんなり入るぐらいまでしっかり蒸せればOK。
臼と杵が無いので大きなボールとスリコギで代用。
続いて蒸したキャッサバとバナナを一緒にして潰していきます。
手でやるのはかなり大変。フードプロセッサを使うと早いです。
ついていると徐々に粘りが出て餅のようになってきます。キャッサバとバナナがしっかり潰れてよく混ざれば出来上がりです。
出来たフトゥバナニは、日本の餅のように長く伸びることはないですが、柔らかくモチモチとした弾力があります。ぎゅうひに近いでしょうか。
モチモチしてうまい!通常はトマトなどを使ったスープにつけて食べるそうです。しかし、このままでもうまい!
味は、甘くないサツマイモのような、栗のような。砂糖をかなり抑えた栗きんとんです。後味にわずかに酸味があるところにバナナを感じます。かなりうまいです。
主食としても、少し砂糖やハチミツを混ぜたりしてお菓子としても楽しめそうです。材料が手に入ったら是非作っていただきたい一品です。
普通の甘いバナナを使うとどうなるか。
ところで、フトゥバナニには調理用バナナを使いますが、近所のスーパーなどでも購入出来る甘いバナナで作ったらどうなるでしょうか?
面倒なのでこちらはフードプロセッサを使用。最後にボールに移して軽くスリコギでついてみた。
キャッサバは通常のフトゥバナニと同じように蒸します。甘いバナナは加熱するとドロドロになってしまうので、加熱せずにそのままを混ぜます。
結果こうなりました。
色がちょっとねえ・・
柔らかくモチモチとした弾力がある点は通常の物と同じです。通常の物の香りは蒸かした芋でしたが、こちらはまさにバナナの香り。そして決定的に色が悪い。
レモン汁を少し入れてはみたものの、混ぜているうちにどんどん黒ずんでいきました。
とにかく食べてみます。
ああ、バナナケーキ。いや、バナナ餅?いずれにしろうまいな。
甘いバナナを使ったフトゥバナニは、味はバナナを使ったケーキと似ています。バナナのトロピカルな香りと味が感じられます。そして食感は餅のように柔らかく弾力がある。
味としてはとてもうまいです。見た目をもう少しなんとかすれば、お菓子としてかなりいけると思います。
甘いバナナのフトゥバナニ。一応アリということで。
モチモチはうまい
キャッサバとバナナで作るフトゥバナニ。とてもうまいです。一応日本でも材料は手に入るので興味のある方は作ってみてください。
ちなみに、キャッサバのデンプンを丸くしたものがタピオカになります。輸入食材や製菓材料を扱う店に行くとタピオカが売っているので、粉の形ならばキャッサバは割と簡単に手に入ります。
もしかすると、タピオカ粉をバナナ混ぜて練れば似た物が出来るかもしれません。そのうち試してみます。
日本にも芋を使った餅のような食べ物に「芋餅」というものがあります。里芋やジャガイモなどを蒸してすり潰し、小麦や片栗粉、米などと混ぜて作ります。里芋とバナナでフトゥバナニ的なものが出来るかもしれない。