特集 2017年12月31日

天ぷら、コロッケ、串カツ、フライドチキン ~2017年記事集 揚げ物編

2017年記事集、おおみそかは「揚げ物」です!
2017年記事集、おおみそかは「揚げ物」です!
世界からあらゆるものが誕生(誕生編)し、宇宙そして生命の進化(宇宙編)とともに群雄割拠の乱世(乱世編)を経た今、歴史の終わりには揚げ物があるのでした。ということで大晦日は2017年の記事揚げ物編です。こんにちは編集部の藤原です。

なんで宇宙とか言っていた流れで揚げ物なの?と思われるでしょうが、それは僕もです。歴史の果に生まれた揚げ物の意志なのかもしれません。勢いに任せて揚げ物に関連した記事をピックアップしていきます!!!
インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

前の記事:本能寺が変、軍隊アリ、ココナッツで死ぬ 2017年記事集 乱世編

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まずはポップな揚げ物記事から

2017年、「揚げ物」の記事なんてそんなにあったかな? と思ったんですけどちゃんとたっぷりありました。毎日3本記事公開の厚みは伊達ではありませんでした。掘るとなんでも出てくるのがデイリーポータルZです。

まずは揚げ物の世界を広げるようなポップさがある記事から見てみましょう。

ライターからのコメントをどうぞ。
記事に書いてある通りの順序で思いついて最後は揚げ物に油をぶっかけるようになったわけですが、その背徳感とおいしさに震えました。

やっちゃいけないと誰かに言われたわけじゃないんだけど、なぜかやらないと決まってることで、でもやってみると素晴らしいことってまだ他にもあるんじゃないかと思います。

自分がいかに常識に囚われてたのか、今も囚われているのか思い知りました。そんなことを油に教えられました。
揚げ物に油をかけるのはコロンブスの卵でした。やったことないけどすぐにできることでやってみたいこと、そういうのが見つかると新しい世界がひらけたような気持ちになりますね。みんなも揚げ物に油をかけて新大陸を発見しよう。

コロッケって、すごく手間がかかる割には、食べてもさほどカタルシスはない厄介な食べ物ですよね。でも、柴犬ももがコロッケに見えてしまったので、仕方がなかったんです…。そういえば、先日「大きなコロッケパンだけダイエット」というのをやったりもしたので、僕コロッケ好きだと思われがちなのですが、別に僕、コロッケ好きでは全くないので、以後お見知りおきください。
定期的に茶色いたべものを柴犬みたいにするヨシダプロによる揚げ物記事です。コロッケで犬をつくってました。毎回かなりかわいい仕上がりなんですが、コロッケもなかなかよくできていますね。茶色い食べ物が尽きるまで柴犬化はひきつづきやってほしいです。

おいしそうだなと思ってやってみたら想像以上においしくて、緩急のない、ずっとおいしいおいしいと言うレポートになりました。ワールドカップっぽさを出すために飾ってあるふわふわしたお花は、作るのが楽しくて失敗が少ないので、これからもたくさん作っていきたいです。
トルーのフレーバーポテトの記事です。背景に花が飾ってあって花火みたいになってます。ことしから僕が彼の担当編集になったのですが、撮影の前に「ちょっと写真が地味になりそうなので、工夫して盛り上げてください」的なことを言ったらこうなりました。今後の派手にする工夫にも期待しています。

続いては玉置さんのこちらの記事。一人で揚げ物もいいですが、みんなで揚げ物もいいです。
練馬ってぜんぜん縁のなかった場所ですが、いいところですよね。

住んでる友人(この記事の反響で3人もいることがわかった)は、みんな最高の街だと言ってます。

このつりぼりカフェはちょっと狭いので、席が空いているか事前に電話確認するといいですよ。

もし空いてなかったら、タイ料理屋のひょうたんで飲むとか、最高じゃないですか。

水槽が3つもある広々した吉祥寺店がオープンしたので、こちらもおすすめですよ。
その場で天ぷらにできるとふつうの釣り堀以上に楽しそうでいいですね。デートに打ち合わせによさそうです。練馬にはいろいろおもしろそうな店があるんだろうなという気になってきます。
揚げ物への意志
揚げ物への意志

「レバニラ専門店」ってだけでひとつ記事が書けるくらいのインパクトがあるにもかかわらず、それだけにとどまらなすぎる超展開がとてもエキサイティングだった記事です。この世に存在する数え切れない料理人たちの中にほんの一握り、独自のこだわりがありすぎたり、考えてることがぶっ飛びすぎてたりして、「もはや料理の変態!」と感じる方がいるんですが、こちらの店主はまさにそういうタイプですよね。もちろん最大級の褒め言葉です。
こちらのレバー専門店ではレバーフライが食べられてそれがおいしそうだったが記憶にあったのでピックアップしました。すごいこだわった店でどれもおいしそうです。パリッコさんがおいしそうに食べるところが何枚もあるところもみどころです。

以上揚げ物の記事の中でもポップな感じだったものでした。というと次ページ以降の記事がポップじゃないみたいですが決してそういうことではありません。揚げ物は基本的にポップだからです。
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揚げ物をとりまく楽しさ

つづいては、揚げ物の記事の中でもなんだか楽しそうなものをチョイスしました。
見どころはポンチキ早食い競争に出る私です。
記事の中でも触れてますが、ポンチキはふわふわなのでぎゅっと押しこむと2/3くらい口の中に入ってしまいます。が、口の中でかためられた(押しこむから)ポンチキはあごの動きを鈍らせ、さらに口の中の水分を一気に吸い取ってくるのです。無理に飲みこんで脂の木曜日を台無しにする前に、命の大切さに気がついて本当によかった。

と書くとポンチキがとんでもない凶器みたいですが、無理やり口に詰めこまず食べるポンチキは最高なんですよ。
「脂の木曜日」という祝日、揚げ物ファンはだまって聞き流すことができません。ポンチキ早食い競争のアットホーム感はなんだろうと思っていたら、記事の最後で餅つき大会に触れていてなるほどあの感じかと思いました。

揚げ物でパーティっぽい記事といえばこんなものもありました。中身を隠して串カツパーティをやる北向さんの記事です。
串カツって気を抜くと「これなに揚げたんだっけ」ってすぐわからなくなるくらい見分けがつかないと思うんです。そんな串カツの長所を活かして闇鍋ならぬ闇串カツパーティーを開催しました。

揚げピザパンと揚げコンビーフ、メニューにあったら頼むのでどこか採用してほしい…ワイワイガヤガヤ、大変ビールに合う企画です。
たのしそうにやっているのは揚げ物の力でしょうか。同仕様もなくなったときに使うソースを「レスキューソース」と名付けているのがその場の楽しい雰囲気を出していてよかったです。

これも記事に書いてある通り、ある日突然思いついてやってみて、そしたら色んな回転寿司チェーンに同様の脆弱性があったので実際に調べてみたという記事です。
こんな事でもお店に行って食べて写真撮って並べれば記事になるので、世の中にはまだまだ面白い事って転がってるもんだなぁと。かっぱ寿司からの帰り道で自分が転がっちゃいましたけど。怪我は1週間ほどで完治しました。

最近は回転寿司チェーンのラーメンに注目してます。
ふたたび松本さんの記事です。チェーン店のメニューをアレンジするのは楽しいですよね。ところで松本さんの記事にはチェーン店の品物の値段が買いてあることがあって、何年か経って読むと「変わっとるな」と思うこと度々です。この記事も「マクドナルドのダブルチーズバーガー320円」などと書かれているので数年後に読んでみたいです。

わたしが大好きな「お弁当どんどん」のから揚げ弁当を、林さんと西村さんを静岡に招いて(実際は呼びつけて…?す、すみません!)食べてもらいました。天気のいい日に掛川城前の広場で食べたので、写真を見ただけでもピクニック気分が味わえます。

見どころは林さんと西村さんの全力ダッシュGIFです。シャッタースピードの関係で片足で走っているように見えるこのGIF。西村さんからは「魔法使いみたい」というコメントをいただきました。
お弁当どんどんの唐揚げ弁当がおいしそうなのはさておき、GIFアニメのおかげで楽しそうです。あと背景が城。
テンションたかい
テンションたかい

ということでポップにつづいて楽しい記事を選んでみました。他の記事が楽しい感じがしないということでは決してありません。なぜなら揚げ物はおおむね楽しいものだからです。
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エモーショナル揚げ物

最後は揚げ物を前にして書き手がインナースペースに入ったり、感情が高まってきたりした記事です。
見どころとしては、妙にノリノリな文章でしょうか。追い塩がおいしいよに聞こえるとか塩味中心の味覚世界とか、何言ってんだって感じですが、しかしこれは本当に好きなものについて書いているときのグルーヴですよね。半年以上たったいまでも飽きずにポテトチップスには塩をかけています。塩分摂取量に関しては「低血圧なのでいいか」と思って割り切っています。(本当にいいのかは知りません)
今年は「みじかい記事」というスタイルの記事がありました。シンプルなワンテーマで記事を書いてみようという試みです。その代表格とも言えるのがこれなのではないでしょうか。

しかし読んでみると「やったー、味が濃い! イエーイ!」みたいな内容ではまったくなく、味覚世界…自由…などやたら深みにはまっていくのでした。

この日は楽しくて、ケンタッキーで泥酔してしまいました。そして、次の日はガンガンに二日酔いになりました。しかし、その日のうちに原稿を上げなくてはいけないスケジュールだったのです……。

そんな中で生まれたのが「ケンタッキー高田馬場店を一人の女性として見る」という文体です。気がついたらそういう文章になっていました。そんなメチャクチャやっていいのかな、と一瞬思ったのですが、頭痛が全てをかき消しました。本当に酒は何一つ良いことがありません。

無事掲載されましたが、今見ると猛烈に恥ずかしいです。
いろいろおつまみもあったけど結局たどり着いた結論が「フライドチキンが一番うまい」。「このあと泥酔する」という一文で締める終わり方が味わい深いです。

「かき揚げがタワーみたいになっている」という違和感の一点突破でどこまでいけるか頑張ってみました。突破できたのかどうなのかわかりませんが。最後のまとめ、適当に書いた(だいたい適当ですが)けれど、それなりにそれっぽくなってて気に入ってます、どうでしょうか? あと、この記事は、画像選んで、書き上げるまで3時間ぐらいで書けたんですが、まとめのところに使ってる画像の加工は自分でやったので1時間ぐらいかかりました。
巨大なかき揚げをどう撮影したらいいかと悩む記事です。最終的に巨大なかき揚げのそびえ立つ姿にバベルの塔を思い浮かべてます。そのくらい揚げ物はすごい。
揚げ物のBABEL
揚げ物のBABEL

会社近くのコンビニがサンクスからファミリーマートに変わり、(もしかしたらこのままだと、多種多様なフライドチキンたちが無くなり、全てファミチキになってしまうのでは?)と焦燥感にかられて書きました。もしかしたら、無くなってもいい言う方もいるかもしれません。しかし、フライドチキンを、レジの隣にあるフライドチキンを、あのコンビニのあのフライドチキンを食べたい熱い気持ちは誰の心にもきっとあるはずなのです。そのことに自分自身が気づいていないだけなのではないでしょうか。自分の中にあるこの思いを未来へ残すことができて満足です。

みどころは各コンビニのフライドチキンを入れる袋がおしゃれさとフライドチキンのおいしい食べ方が載っているところです。

余談ですが、こないだダイエットでサラダチキンとサラダしか食べない日々を過ごしていたところ、なんとなく「もういいか」とコンビニのフライドチキンを食べたらおいしくてふるえました。油っておいしいですね。
文中に何回「フライドチキン」という言葉が出てきたか数えてみよう!

心に揚げ物を 唇にあぶらを

いかがでしたでしょうか、2017年記事集「揚げ物編」。誕生→宇宙→乱世とギリギリのところで繋がっていたバトンをみごとに落とすことになりましたが、揚げ物がいいものだということはよくわかっていただけたのではないでしょうか。

我々デイリーポータルZはみなさまの生活をカラッと活き活きさせる揚げ油のような存在でありたいと改めて思いました。来年も揚がっていきましょう!

それでは今年もありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします! よいお年を!
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