特集 2012年10月22日

10年ぶんの失敗をふりかえる

スライドの背景は、地獄
スライドの背景は、地獄
先日、失敗ナイトというイベントを開催した。

デイリーポータルZの10年を振り返りながら、数々の失敗を披露するイベントだ。久しぶりに休載中のライター、住さんにも登場してもらい、10年の振り返った。

そのようす(収録できるところのみ)をお伝えします。
1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと新宿区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

前の記事:ハヤシネーター

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「穴を掘る」(2003年8月)
穴を掘る」(2003年8月)
「カニのはさみを使いこなす」。(2005年4月)
カニのはさみを使いこなす」。(2005年4月)

10年のアーカイブからひどい記事

林:まずはむかしのひどい記事を選んでみました。最初は「穴を掘る」。おれと住さんで穴を掘ってるだけの記事で。
住:そうそう「ブエノスアイレスに届け」とか言ってね。届くわけない。
林:しかもなぜかモノクロになってる。
住:インスタグラムに先駆けました。
林:このときほんとは10㎝ぐらいしか掘ってない。
住:すっごい硬いんだもん、川原。
林:しかもうんこみたいなにおいの土が出てきて、
住:もうやめちゃいましょう、って言って埋めた。なんでしょうね、穴を掘るって。
林:今は載らないですね。


林:あとこれ、「カニのはさみを使いこなす
住:使いこなせるわけない
林:「髪は切れない、でもアップルパイはカニのはさみで切れることが判明。でもちょっとカニくさい」で終わりなんですよ。
住:これはどういうことですか

林:べつやくさんのはこれもひどいですよ。「奴らはどこに行ってしまったのか」。
住:タイトルかっこいいじゃないですか。
林:この奴らが犬のうんこのことなんですよ。川原で犬のうんこを探すという記事。
住:ちょっと説明してください。
べつやく:さいきん犬のうんこ落ちてないですよねーって会議で言ったら林さんが「いや、河原にはたくさんあります」って言ってたので探しに行った。
住:あったんですか?
べつやく:ものすごくたくさんありました
林:最近西村さんがうんこの絵本を取り上げて、そのとき会議でうんこという文字をタイトルに入れるのはいかがなものかと議論したんですが、むかしは平気で入れてましたね。
べつやく:いれてないですよ。奴らです。
住:カニのはさみはなんですか?
べつやく:もっと発見があると思ったんですが
林:今だったらプープーテレビでやれ!って言いますね。
べつやく:情報ゼロですからね。カニ四駆の先駆けですよ
唐突に引き合いに出されたカニ四駆(ミニ四駆全国大会にカニで出る</a>)
唐突に引き合いに出されたカニ四駆(ミニ四駆全国大会にカニで出る)
衝撃の書き出し。「アメリカンドッグのあの部分を思いっきり味わいたい」(2006年1月)
住正徳。名義の記事。「日本人の3人に1人は痔にかかってます」
住正徳。名義の記事。「日本人の3人に1人は痔にかかってます

名前変えたり文体変えたり

林:「漁船に乗って夜光虫を見よう」おれと住さんが夜光虫を見る観光船に乗ったけど見られなかったという話なんですよ。情報ゼロ。しかも最後、おれが酔ってぐったりして終わり。
住:林さんとなんどか船に乗りましたけど、100%酔ってます。
べつやく:しかも酔うわりに船に乗りたがる。
住:プロペラ機とかも好きじゃないですか。酔うくせに。
林:たしかにこうなってる写真多いですよね。でもこれも船長の目が光ってるのを夜光虫と書いてる。
住:光ったからね。

林:乙幡さんの「アメリカンドッグのあの部分を思いっきり味わいたい」の書き出しが「みんな犬食べてる?」なんですよ。
住:食べてないですよ
べつやく:このまえ発見して乙幡さんすごいと思った
林:全体にこの文体ですからね。冗談きついって?まあききなよ、とか
林:むかしは記事ごとに名前まで変えてた。 住さんも変えてたじゃないですか。
住:住すなおとか住正徳。(すみまさのりまる)ね。あれはいぼ痔のとき。
林:いま記事をデータベースで管理してるから名前を気軽に変えられないんですよ。
住:いぼ痔がふたつだから住正徳。。とかだめなんだ。
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腐ったご飯そのものというコメント。「いろんなもので納豆を作る」(2004年2月)
腐ったご飯そのものというコメント。「いろんなもので納豆を作る」(2004年2月)
「体臭を活用する」。(2006年7月)
体臭を活用する」。(2006年7月)
「雪とひとつになりたかった男」。(2009年1月)
雪とひとつになりたかった男」。(2009年1月)

生命の危機が迫るほどの無邪気さ

林:これ古賀さんの自薦ひどい記事。「いろんなもので納豆を作る」これがほぼ全部腐ってるんですよ。
べつやく:今だったら全ページに食べないでくださいって注意書きを入れるかも。
住:僕らコメントしてるんですね。「ガスが出てます」って、ダメでしょう。
べつやく:しかもアンモニア臭って書いてある。食べものとして相当ですよ。

林:安藤さんの「体臭を活用する」もひどい。自分の汗を集めてそこらに吹きかけて縄張りって言ってる。
住:めちゃめちゃじゃないですか。
林:犬にかけたりもしている。
安藤:のら犬が好きな時期で、のら犬が縄張りを作るので自分でもやってみたくなって。
林:安藤さんの「大掃除は高圧洗浄機で」。これ家を壊してるんですよね。
安藤:沖縄で店やっている時期に、店の外の壁が汚かったので洗うつもりが塗装がはげちゃって。全部はがしたら、前にあった店の看板が出てきた。大家さんにものすごく叱られました。「はがしたの?」って言われて。
べつやく:そりゃ言われる

林:「雪とひとつになりたかった男」。白いタイツで雪の上に寝てる記事。
べつやく:車じゃ気がつかないかもしれない。
安藤:轢かれますね。
住:なにやってるんだろう
べつやく:櫻田さんは雪にふりかけをかけて食べたりもしてましたね。
はじめて経費を使った出張でした(それまでは自腹)「八丈島の光るキノコ」(2003年6月)
はじめて経費を使った出張でした(それまでは自腹)「八丈島の光るキノコ」(2003年6月)
人んちに連れて行かれて困っているところ
人んちに連れて行かれて困っているところ
イベントのスライドから。ずぶ濡れ取材集。
イベントのスライドから。ずぶ濡れ取材集。

乳首を出したことをまだ恨んでる

林:八丈島の光るキノコは2003年。
住:これ気持ち悪いんだ
林:このとき住さんにビデオカメラでナイトショットで撮ってもらってて
住:見えるんですよ。暗闇にうごめく大量の虫が。
林:なに騒いでるんだろうと思ってました。

林:現地の人に案内頼んだら、知らない家の誕生日会に連れて行かれて全然きのこが生えてるところに連れて行ってくれなかった。
住:これを光るきのこってことにして帰ろうって話しましたね。
林:このあとバーにも連れて行かれて、バーテンに好きなカクテルを作りますからどうぞって言われて言ったらパソコンで検索してた
住:素人だ。
林:あのバーテン新しいですね。
住:検索バーテン

林:このころよく取材でびちょびちょになってました。
住:左下の写真。林さん自分だけ乳首かくしたんですよ。
林:よくそんなこと憶えてますね
住:憶えてますよ。僕、乳首ですもん。
林:デイリーで乳首見えてる記事ってこれだけじゃないかな。
住:壁紙にしてください。
林:誰かNAVARとかで「乳首が見えてるデイリー記事まとめ」って作って欲しいです。
事件発生。「強いお酒友の会」(2003年7月)
事件発生。「強いお酒友の会」(2003年7月)
サイトがなくなりそうなのに。「七草を求めて川を下る」(2004年1月)
サイトがなくなりそうなのに。「七草を求めて川を下る」(2004年1月)
イベントのスライドから。Zくん写真集
イベントのスライドから。Zくん写真集

取材中に置き引きにあう

林:この年は置き引きにもあいました。
住:「強いお酒友の会」という記事で、水元公園でね。
林:それでこれが交番で届け出を書いているところ
住:林さんはこの写真撮って満足したのか寝たんですよ。交番で。
林:置き引きにあうとか最近ないですよね。
林:2004年、会社でデイリー閉鎖の話が出て、そのとき河原で「七草を求めて川を下る」って記事の撮影してたんですよ
住:草の形も分らないのに適当に雑草とってた
林:いまだったら正しい知識で、実はここにあるんですという話になるんだけど、これは適当な雑草とって、食うと死にそうだからやめようで終わってる。
住:代わりにスーパーで買ってきた七草を食べてる

林:このころ、Zくんをビニール袋に入れて持ち歩いていたんですよ
住:右下、X線で調べられてるところだ
林:だからどこでも素早くかぶって駅とかで写真撮ってた。しかもデイリーに載せてないんですよ。
住:なにやってるんですか?
林:記念写真なのかなあ? 札幌ドームの前で撮った写真とか載せてないと思う。
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エイプリルフールでもないのに。「田園調布に宝を探しに行く」(2006年8月)
エイプリルフールでもないのに。「田園調布に宝を探しに行く」(2006年8月)
ペンギンの記事なのにサラリーマンにもできた、で終わる
ペンギンの記事なのにサラリーマンにもできた、で終わる

ざんはわショック

林:2006年にざんはわが登場した。「田園調布に宝を探しに行く」。まるでうそだった。
住:フィクション。
大北:一生懸命なんですけどね。初回で。力の使い道を誤っただけで。
石川:それまで嘘を書いてきてて、書かないって誘われたので嘘でいいんだと思ったんですよ。
住:逆ギレか
林:多くの読者が戸惑うなか、あれはすごいと絶賛していたのが住さんだけ
住:他の人の記事を見て衝撃をを受けたのがべつやくさんとざんはわ。べつやくショックとざんはわショックと呼んでいる。
大北:このあとに企画会議に参加したら住さんがやたら優しかったのを憶えてる
住:そしたらうその名刺を渡された。ざんはわツーリストって書いた。
林:そのころ大北くん、ざんはわツーリストってうその会社の名刺配ってた。
大北:サイトの名刺ですからね。
林:そしたらニフティがざんはわツーリストで取引先登録をしようとしてたんで慌てて止めた。
住:ペンギンのもあったよね
大北:それは二作目。「皇帝ペンギンがそんなに偉いのか
住:なんだこのヨーロッパの映画みたいな映像。
林:最後、サラリーマンにもできた!で終わってる
住:サラリーマンじゃないのに
買った翌日にビデオカメラをダムに落とす。「ダム湖に沈んだビデオカメラを見に行く」。(2008年1月)
買った翌日にビデオカメラをダムに落とす。「ダム湖に沈んだビデオカメラを見に行く」。(2008年1月)
詐欺被害に遭い、それを忘れないように警察署で撮った写真(損した話を聞かせて)
詐欺被害に遭い、それを忘れないように警察署で撮った写真(損した話を聞かせて
藤原がクビになったときも記念に写真を撮っていた。(「僕がクビになった日」から)
藤原がクビになったときも記念に写真を撮っていた。(「僕がクビになった日」から)

これが不幸にあった人の顔

林:2007年の年末に大北くんがビデオカメラをダム湖に沈めた。それを見に行くのが「ダム湖に沈んだビデオカメラを見に行く」。(注:リンク先の記事最後の動画は泣けます)
住:なにを撮ろうとしてたの?
大北:吊り橋から撮ったらキレイだと思ったのかな…
林:いや、記事にはへんなものを持ってピクニックに行くとかでトイレ掃除のラバーカップ持ってピクニックに行ってた 。
大北:そうだ。カメラが沈んでいくんですけど、小さい泡がぽわーって浮かんで。カメラといっても空気はいってるんだなと思いましたよ。
林:ばしゃーんって音がするわけでもなく
大北:こぽぽぽぽ…って
林:人が不幸にあった記事は味わい深いですね。
住:深みが増しますね。
林:最近は拾ったものが6万になったみたいな明るい話題ばかり。(そのへんで拾った「サボ」を専門家に鑑定してもらった
住:すごい錬金術じゃないですか
林:住さんが詐欺にあったという記事(損した話を聞かせて)もあった
住:ありました。
林:へこんだできごとこそネタにするのがいいのかもしれない。
住:そこで不幸が昇華されるんですよね
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「泥棒になろう」(2008年4月)
泥棒になろう」(2008年4月)
不審なんだけど誰だかははっきりしている「頭の上に矢印がある」
不審なんだけど誰だかははっきりしている「頭の上に矢印がある
胃に穴が開きそうで思わぬところで寝る「世界遺産、の近くにある変わったパン」
胃に穴が開きそうで板の上で寝る「世界遺産、の近くにある変わったパン

泥棒ですか?と聞かれる希有な体験

林:「泥棒になろう」。編集部の男全員が泥棒のかっこうをして歩くやつ。これ石川くんがいわれたんだっけ?
石川:安藤さんが警備員に声かけられたんですよ
安藤:「泥棒ですか?」って
住:泥棒ですよね
林:「頭の上に矢印がある」このときも頭の上に林って矢印つけて写真撮ってたら、なんですかって聞かれたんですよ。でもどう見ても林ですよね。
住:書いてありますからね。
林:警備員もどう声をかけていいのか分らないみたいだった。
住:林…ですよね。と確認になる。
林:「世界遺産、の近くにある変わったパン」。これは住さんが胃潰瘍になったとき
住:穴が開いたときね
林:住さんが弱って板の上に寝てしまった
住:おもしろくないですよ。痛かったんだから。
林:このときのようすをビデオに撮ってカラオケにしたんですよ
住:悪意しかない。
最高の期待はずれ。「Macの起動音を生演奏で再現する」(2007年5月)
最高の期待はずれ。リンク先3ページ目の音を聞いてください。「Macの起動音を生演奏で再現する」(2007年5月)
2006年にカレンダーを作る企画で撮った宮城さんの悪夢のような写真
2006年にカレンダーを作る企画で撮った宮城さんの悪夢のような写真

宮城さんは「マン」である

林:宮城さんの忘れ物事件。
住:音姫の男版があってもいいんじゃないかってことで、生演奏でトイレの音をかくそうという企画ですね。(男だってトイレの音が気にかかる
林:トロンボーンで
住:宮城さんトロンボーン吹けるから頼んだんですよ。まず30分遅刻して、すいません!って現れたら宮城さんがトロンボーンもってないんですよ。なにしに来たのか。
石川:つくまで気づかなかった?
住:寝坊かなんかでテンパっていたんじゃないですか。
林:宮城さん、このころフリーでビデオのカメラマンやってたんだけど、ビデオ持ってないから仕事ができないんですよ。
住:肝心な道具がない。
林:カメラマンじゃなくて「マン」ですよ。

住:Macの起動音をオーケストラでバーンってやったらいいんじゃないかと思って、3人で宮城さんの母校行きましたねMacの起動音を生演奏で再現する)。宮城さん吹奏楽部でしょ、だから現役の生徒でできますよって言ってできた音がひどかった。
林:それぞれのパートの楽譜まで書いて
住:できたのがボエー。船か。だって楽器が3種類しかないんですよ。集められなかったみたいで。
林:大人三人が半日時間かけて、これ。
住:記事にしちゃいましたけどね。これ音程は合ってるんですかね。
林:あってないでしょう。

悪い意味でひどい

「ひどい」や「バカ」をほめ言葉として使うことがあるが、今回紹介した記事はほめ言葉ではない。悪い意味でひどい。病気をしたり事件に巻き込まれたり。よく10年もったものだと思う。

ここに書いた内容は失敗ナイトのごく一部で完全バージョンをお聞きになりたいかたは10周年イベントにおこしください。11月25日札幌 12月9日京都です。
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