ライター:トルー
第一回:明治 さいておいしいモッツァレラ
第二回:デイリーヤマザキのロースとんかつおにぎり
第三回:キューピー つぶしてつくろう たまごサラダ
第四回:カネテツデリカフーズ ほぼカニ
第五回:日本ハム 袋のままできるチキンオムライス
※小出し記事は書けたところから即、小出しに公開する連載企画です!
なぜ「つぶしてつくろう」なのか
スーパーで見かけて、一瞬意味が分からなかった。
封を開けて盛り付けるだけでいいたまごサラダが世の中にはたくさんあるのに、敢えて一手間残した商品。なぜその一手間を残したのかが分からなかった。
もちろんこれは僕の料理に対する意識が低いからである。そこにはたくさんのビジネスマンが納得するだけの理由があり、たまごをつぶすことについて話し合った会議があったのだろう。想像してみよう。
つぶすって、たのしい。
しかしじっくり考えたところで、これ、という理由は見つからなかった。たまごサラダへの意識が低い。申し訳ない。
どれももっともらしい理由ではあるが、一番の理由はなんだろう。製品のホームページをみるとPRの動画があり、こんな感じでメッセージが現れた。
見れば見るほど分かるような分からないようなメッセージである。「分かる」と「分からない」がちょうど同じ勢力の軍勢となって頭の中の関ヶ原で睨み合っている。今戦ったら相討ちでどちらも死ぬ。
しかしこの商品はあのキューピーが出したものだ。ゆでたまごをつぶすことに関しては抜きん出て強い思いがあるのかもしれない。
いや、どうだろう。社内では言いにくかったけど「たまごをつぶすのって、楽しいかな…?」と言いたい人が何人かはいたんじゃないだろうか。
もちろん社内の全員が「つぶすって、楽しい。」に共感する必要はなくて、その商品がターゲットとする人たちにつぶす楽しさが届けばいいのだ。好きな人が気に入ってくれればいい。
しかしそれでもなんとなく釈然としないのは、今問題になっている楽しさが「米びつに手を突っ込む楽しさ」とか「口に手を当てたり離したりしてあわわわと言う楽しさ」とか「両手を広げて走る楽しさ」とかと似た、人の根元に関わるわけのわからない楽しさだからではないだろうか。
なんで楽しいんだろう、と考えだすとどんどん深みにはまっていく。
こうならないように、やはり会議でももう少し詰めておく必要があるだろう。
たまごをつぶすのが楽しいことを説明する
「なぜ楽しいのか」を議論しだすと話が長くなりそうだ。でも「楽しいかどうか」なら、説明できるような気がする。
例えば、決められた動作をしながら頭の中で3分カウントする。それが短ければ短いほど楽しいと感じている、みたいな説明はできそうだ。想像だけど。
こんなテストをして、他の楽しそうな動作に引けを取らないぐらいゆでたまごをつぶすことが楽しければ、みんなも納得するかもしれない。
そう考えると上のグラフの3つでは比較対象として少し弱いかもしれない。他にも考えてみた。
ゆでたまごをつぶすのと同じぐらい楽しそうなこと
- 練り消しを作る
- 自分の耳たぶをもむ
- 水たまりで足踏みする
- アリを見る
- 自分の膝をくすぐる
- 投げたマシュマロを口でキャッチする
- サランラップの筒を口に当ててしゃべる
- 水を口に含んだまましばらく過ごす
- ハンモックで寝る
- みかんの皮をむく
- 日向で目をつぶった時に現れる模様を見る
- 辛いものを食べる
- イスの上に立つ
- 鉄棒にぶら下がる
- 冷蔵庫に耳を当てて音を聞く
- 扇風機に向かってあーと言う
- 踊る
…やはり考えだすと深みにはまる。たまごをつぶすのは楽しいのか。楽しいよな。
「楽しい?」と聞いたら「楽しい」と言ったのでホッとした。「お絵かきとどっちが楽しい?」と聞いたら迷わず「お絵かき」と答えた。
ライター:トルー
第一回:明治 さいておいしいモッツァレラ
第二回:デイリーヤマザキのロースとんかつおにぎり
第三回:キューピー つぶしてつくろう たまごサラダ
第四回:カネテツデリカフーズ ほぼカニ
第五回:日本ハム 袋のままできるチキンオムライス
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