れんさい企画「小出し記事」 2020年8月13日

企画会議を想像する その1

想像の資料

スーパーやコンビニで商品を見ていると、たまに「どんな話し合いを経てこうなったんだろう」と思うことがある。

そんな時、大人がその気になって行動すれば大抵のことは分かってしまうものだけど、答えを知る前の、想像をする段階がけっこう楽しかったりする。

想像してみよう。

編集部よりあらすじ
たしかにある「どんな経緯でうまれたのか」という商品。今回の企画はその経緯を想像するそうである。本当に想像するだけなのか、とくとご覧あれ!

1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

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※小出し記事は書けたところから即、小出しに公開する連載企画です!

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会議を想像するのが楽しい

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例えばこちらである。

さけるチーズである。色んなさき方をして遊べることが分かるので、子ども向けなんだなーと思う。

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「モッツァレラ星人」を作ってみた。楽しい。

そう言えば子ども向けのさけるチーズって今まで見た記憶がない。さけるチーズといえば大人が、家で一人でお酒を飲む時のつまみである。しかし、その隣に子どもがいて、さけるチーズを分けてもらっている様子もなんとなく思い浮かぶ。

食べる前に「さく」というアクションがあるのが楽しいんだろう。だから子どもはさけるチーズが好きだ。だったら子ども向けのさけるチーズがあってもいいだろう。

なるほどなるほど。そんなことを会議で話し合ったんだろうな。

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想像の企画会議

会議である。想像の。

やはり大事なのは、子ども向けのさけるチーズがない、という市場の状況だろう。想像だけど。

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となると資料ではこんな表を作るんだろうか。想像して作った。市場が実際にこんな状況なのかは分からない。
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とにかく大きな会議室のスクリーンに「さける」とか「さけない」とか表示されるのがたまんないですね。

想像の中の(株)明治の会議室に、想像した変な表が映し出される。それを想像の中の明治の偉い人たちが真剣に見ているのだ。

しかし想像とはいえ、会議はすんなり進まない。想像だからこそ、多少紛糾させたいのだ。

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想像の中の偉い人は、こういう面倒くさいことを言う。

確かに市場にないからといって、それを消費者が必要としているとは限らない。よく知らないけど限らないと思う。だってビジネス用のピヨピヨサンダルってないけど、あっても売れない気がする。

「そもそも求められてないから市場にないんじゃない?」

そんな指摘も見越して、子どもがさけるチーズを求めているという資料も想像しておこう。

僕たちは、事前にターゲットを集めて実験をしていたのだ(想像)。何もない真っ白な部屋に5歳から7歳の子ども30人を集め、人数分の絵本と積み木とさけるチーズを同時に与えた(想像)。

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さけるチーズ圧勝。

…っていう実験があったら偉い人は納得するんだろうか。ここまでしなくても「さけるチーズ好きですか?」というアンケートをとるだけでよかったかもしれない。

とにかく偉い人が納得してくれればそれでいい。

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こういう、別の偉い人のだめ押しがあると丸くおさまる気がする。

そこまで言うならしょうがないな、となり無事に子ども向けのさけるチーズの企画が通った。

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「よし、やってみようじゃないか!」

それからなんやかんやあり(子ども向けのクセのない味を開発したり、どうやってさいて遊ぶかをみんなで考えたりした。チームに器用な人がいて50種類以上のさき方を考えてくれたけど、難し過ぎてほとんどボツになり、その人のあだ名が「サッキー」になった)、発売され、僕の手元に届くことになった。

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色々あったなあ…
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僕の想像はこんな感じでした

『さいておいしいモッツァレラ』を手に取って僕がした想像はこんな感じである。皆さんの想像の会議はどんなものだろうか。良い会議が想像できたら教えて欲しい。

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さいて食べながら考えるとちょうどよかったです。

こんな感じで、商品を変えてあと4回想像します。

 

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