宮崎と私と神々
宮崎と言われて何を思い浮かべるだろうか。シーガイア、南国、チキン南蛮、日本神話、マンゴーなどいろいろあるだろう。西南戦争では主戦場にもなっているし、野球チームのキャンプ地にもなっている。
そんな宮崎をツイートやメールなどで教えていただいた皆様のオススメで旅する。私は鹿児島と大分に住んでいたので、宮崎を挟む感じ。オセロで考えれば宮崎にも住んでいたと言っても問題ない。つまり私は宮崎に住んでいたのだ。
小学校の修学旅行も宮崎だったし、曾祖母も宮崎に住んでいた。家族旅行でシーガイアにも行ったし、冷汁が好きだし、うどんも好きだし、かなりの割合で私は宮崎で作られている。宮崎はいいところなのだ。
日本神話を旅する
宮崎を旅する場合、やはり日本神話を外すことはできない。神話に登場する場所がたくさんあるのだ。その中でオススメされた場所に行ってみようと思う。まずは江田神社。全国の神社であげられる「祝詞」の発祥の地だ。
なかなかに神聖な感じがする。鳥獣を避けるためなのか、遠くで空砲のような音がする。私がここに来たことへの祝砲なのかもしれない。宮崎の「宮」はここを指すという説もある由緒正しい場所だ。ここら辺一帯は市民の森になっている。
さらにここは「禊」の発祥の地。伊邪那美命が火の神である迦具土神を生んだ際に火傷で死んでしまい、伊邪那岐命が黄泉の国へと妻である伊邪那美命を追いかける。いろいろあって、伊邪那岐命は穢れを受けて戻って来る。そこで行ったのが「禊」なのだ。
その禊を行った池があるのだ。それが御池(みぞぎ池)だ。リリーパッドが広がっている。ここで禊をして、ご存知、天照大御神が生まれた。私が北九州の足立クリニックで生まれたように、天照大御神はここで生まれたのだ。同じ九州生まれなので親近感を感じた。
江田神社の入り口には「みそぎの碑」もあった。市民の森を歩くと「シーガイア」と矢印が出ていたので、ここからシーガイアに行くこともできる。神々とリゾートが同居する場所。それが宮崎なのかもしれない。
天照大御神、隠れたってよ
天照大御神が生まれた場所を見たので、次は天照大御神が隠れた天岩戸に行こうと思う。それは高千穂にある「天岩戸神社」。高千穂といえば、天孫降臨の地だ。神様がたくさん登場して、プリキュアオールスターズみたいだ。いや、プリキュアオールスターズの元祖がこちらか。
神社の横を「岩戸川」が流れている。水の流れる音が神聖な感じに拍車をかける。社殿などがある場所から川を挟んで天岩戸がある。禁足地だけれど、無料で参加できるツアーがあり、天岩戸を見ることができる。
天岩戸神社を通り抜けて行くと、「天安河原」がある。天照大御神が天岩戸に隠れ、世界が闇に包まれた時に、神々が集まって相談した場所だ。流れる水は美しく、とても涼しげな場所だ。
ここで神々が相談したのだ。仰慕ケ窟にはたくさんの石が積まれている。相談を室内ではなく、こういう場所でやるのがいいかもしれない。神々に習い、オープンな場所で会議をするのだ。開放感がポイントだ、たぶん。
高千穂峡のめんつゆ
高千穂といえば、高千穂峡だ。五ヶ瀬川にかかる峡谷で国の名勝になっている。子供の頃に来たことがあるのだけれど、水が綺麗で素晴らしい場所だった。透き通るような水と滝がやっぱり涼しげでいいのだ。
雨の影響で水がめちゃくちゃ濁っていた。ただこれも宮崎なのだ。2018年の降水量が日本一の宮崎。リアルな宮崎を見ることができている。そして、高千穂峡といえば、そうめん。そうめんのつゆなのだ。
スーパーに行くと必ず「高千穂峡つゆ」が売られている。シリーズなので、「かつお味あまくち」、「しいたけ味」、「あごだし」などがある。今回は一番人気の「かつお味うまくち」をチョイスした。ラベルに高千穂峡が載っている。濁っていない高千穂峡がめんつゆで見ることができるのだ。
食べてみるとこれが美味しい。深い部分で甘さを感じる。この甘みこそが九州の味だと思う。懐かしく感じられる。甘みがそうめんの美味しさを増幅させてくれる。いや、このめんつゆを飲む口実として、そうめんを食べていると言ってもいいかもしれない。