和楽器は難しい?
尺八や琴、三味線など、和楽器にはどうしても「難しそう」というイメージがつきまとう。趣味として気軽に始めていいものなのかすらわからない。
そんな和楽器の難しい部分をいっさいとっぱらって、自由な発想で誰にでも吹ける尺八を開発している人がいる。
それが「徳島竹笛研究会」の富川さんだ。
富川さんのブログより。
富川さん、今日はよろしくお願いします。最初にこの「
徳島竹笛研究会」というのは何人くらいが所属されているんですか。
徳島竹笛研究会の富川さん。手、気をつけて!(回ってないです)
ブログの書き口がとても真面目だったのでお堅いタイプの方を想像していたのだけれど、出迎えてくれた富川さんはいい意味で予想を大きく裏切ってくれた。
超おちゃめなのだ。
今回は知っているようで知らない「尺八」という楽器について、富川さんにいろいろ教えてもらおうと思う。
尺八の持つ堅苦しさを打破したい
尺八っていうのは、やっぱり伝統が重んじられる世界なんでしょうか。
尺八はな、規則がもんのすごい厳しんや。楽譜もドレミちゃうしな、達人の演奏なんか聞いても素人にはさっぱりわからんで。音かすれとるがな思うもの。
富川さんはその尺八の現状を変えたいと思ったわけですね。
そうや。堅苦しいこと言っておっては世界に通用せえへんからな。
やっとらんよ。吹くのは見よう見まねや。今でも調律するときに吹く程度やね。
見よう見まねのレベルじゃない!でも吹いたことのない尺八をいきなり作り始めたんですか?
尺八には作る専門の人がおってな、製菅師ちゅうんやけど、資格つきの仕事なんよ。まずはその人に教えてもらわないかん。何年も何年も先生について修行するんや。それでも製菅師になれるのはほんの一握りやで。
なるほど。では富川さんもその製菅師の方に習ったんですね。
だいたいのことだけ教わってな、あとはようわからんうちに作ったのがこれや。
富川さんがいきなり作ったという尺八がこちら。
ブログタイトルにもなっている「紀正(きしょう)」というブランドの誕生ですね。
そや。他にはないまったく新しい尺八、それが「紀正」。わたしの名前の「正紀(まさのり)」をひっくり返したった。
「紀正」ブランドの尺八たち。すべて富川さんの自作。
ほとんど手探りやから3年かかったけどな。わたしもう72歳やで、このくらいの歳になったら人はなんでもできるようになるんよ。
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