ネットを見れば尺八が作れる時代!
では改めてこのオリジナルブランドである「紀正(きしょう)」の尺八の作り方を教えてもらえますか。というかこれ、教えちゃっていいんですかね。
作り方はインターネットに全部公開しとるから、それ見て真似して作ってもらったらいいんやけど、誰も真似せえへんのよ。なんでや、ほんま腹立つわ。
やっぱり尺八というだけでハードルが上がるんですかね。この記事で「徳島竹笛研究会」のブログを読めば誰でも作れる、ということを知らしめましょう。
せやな。よっしゃまずな、いい具合の竹を切ってくるんや。
「いい具合」っていうのがもう感覚的で難しいですよ。
尺八は7節で1尺8寸って決まってるわけや。それに合うやつを掘ってこい。
わかりました。
そしたらな、家の裏に持って行ってなんとかゆう水圧でポンプびやーいうて洗ったるわけや。泥とか石とか全部飛んでくで。
高圧洗浄機で洗うんですね。ご自宅の裏が作業場なんですか。
なんや水路になっとるわ。ここでじゃー洗ったってな、そや、裏にぶどうも作っとるよ。シャインマスカットやら巨峰なんかも植えとる。今度ハウス作ってイチゴとスイカも作るからな。
富川さんはもともとお仕事は何をされていたんですか。
キッチンとか風呂とかな、設備の組み立て屋さんの親方をやりよったんよ。
なるほどー、だから尺八を作るための工具なんかもお手の物なんですね。
まあそやね。尺八を作る道具は使いやすいように自分でこさえとる。これは竹の皮をぴゃーゆうてむく機械でな。普通の尺八はみんな皮ついてるけど、あとで見せる新しいやつは皮がむいてあるんや。
この先の作業は工房や、寒いから工房はいろ。
工房はご自宅なんですね。立派な松が植えられているじゃないですか。
庭木も全部自分で作ったんやで。これなんかも山でとってきてな、20年でこんなんなったわ。
どうしてそうやってなんでもできるんですか。
なんにでも興味をもつことやね。あとはさっきも言ったけど、人は70くらいになってくるとほとんどのことは経験しとるから、見よう見まねでなんでもできるようになるんですよ。
それほんとですか?だとしたらすごい楽しみなんですけど。