どこでも謝罪会見・生きているゴミ・エレクトリカル叫び
ここまで特に気になった作品を紹介してきたが、技術とトンチが合わさった面白い作品はまだまだある。
セルフ記者会見セット(NEXT+α)
SUICAのチャージが足りなくて改札を渋滞させてしまった時や、間違えて社長にため口で話しちゃった時など、これでいつでも謝罪会見ができる。
と思って僕も神妙な顔でやってみたけど、フラッシュの点滅が想像の何倍もまぶしくて笑ってしまった。世間の謝罪会見、みんな真顔で謝れてるのすごい。
21歳以降の自由研究(亀井里咲)
動くぞ!?
関節のような折り目を曲げ伸ばししながら不規則にモゾモゾ動く姿に、本当に虫を飼っているような愛着を感じるから不思議。生き物って何だろうという気持ちになる。
ウオォォラコースター(接点事務所)
動画でもどうぞ
自分の大声が元気よくキラキラした動きとして見えるのが気持ちいい。となりで体験していた方々は「職場の休憩室にほしい!」と盛りあがっていた。分かる。
デイリーポータルZブースも大盛況!
そして我らがデイリーポータルZのブースも多くの方に楽しんでいただいた。
作るための技術を作る
最後にご紹介したいのが、こちらの皆川達也さんによる「新しい作り方」の展示だ。
立体をつくりたいと思ったとき、昔からある技術の1つとして、型に材料をいれて固めるというやり方がある。(型成形というそうです)
この型成形の技術は、鉄からチョコレートまでいろんな素材で丈夫に大量に作ることができるメリットがある一方で、
上の図のカタチB(右側)のように外側からは見えない表面がある場合、型を外すことができないので作れないという弱点があった。
3Dプリンターの普及により、こういった型成形では難しかった形は作りやすくなったものの、これはこれで素材の制限があったり、横からの力に弱いといったデメリットがある。
そこで皆川さんが考えたのが、あとから溶かせる材料を使うことにより、いろんな素材で、丈夫に、かつ自由な形を作れる型成形だ。
例えばこういったチェーンのような形。
従来の型成形であれば右側の輪は埋まってしまっていたが、そこ(ピンク色の部分)に熱や水で溶ける素材をつかい、型から外した後に溶かすことで、チェーンを作り出すことができるのだ。
皆川さんは「3Dプリンターよりこっちの方が優れているということではなく、作りたいものに応じて使い分けられる選択肢を増やしたい」と言っていた。
作られたものだけでなく、その土台となり、作ることの幅を広げる技術まで応援する。そんなMaker Fairの姿勢も感じる展示だった。
また何か作ろうと思わせてくれるイベント
今回、イベントの取材だけでなく初めての出展もしてみたら、たくさんの人に作品を見てもらえるのが本当に楽しく「このイベントのためにまた何か作りたい」と思った。
きっとこの日参加していた多くの人がそう感じ、毎年これだけの盛り上がりになっているのだろう。
ものづくりの祭典Maker Fairは、そんなメイカーたちの体温を上げてくれるイベントでした。
花咲かじいさんのまま参加した最後の集合写真。カメラマンさんから「そこの水戸黄門の方もうちょっと中に入ってください」と声かけがありみんなで笑った。
【お知らせ】Maker Faire Tokyo2024にも出展します!
今年のMaker Faire Tokyoは今週末開催。もちろんデイリーポータルZも出展します!
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