作ってみたい方へ
今回は足を3Dプリンタで作ったが(モデルはここでDLできます)、真似してみたいけど3Dプリンタがないという方がいたら割り箸とかでも代用できる。
本体は、紙コップのような縦長のものは倒れやすいしモーターも取り付けにくいので、横長の箱型のものが歩かせやすいと思う。
ピクサー映画の冒頭で電気スタンドがぴょんぴょん跳ねる映像が流れるけれども、物がああやって跳び回ったり、歩き回ったりする様子はおもしろい。
今回は紙コップを、CGでなく現実で歩かせることに成功した。これがとても可愛いかったので見てほしい。
8月にトルコから知人が来て、お土産にお菓子をもらった。
↑トルコ人の話はこちらで
ロクムというトルコ独特のお菓子。砂糖にデンプンとナッツを加えたものらしいが、マシュマロみたいなフカフカ感のある甘いお菓子だ。
お菓子をおいしくいただいたあと、空き箱が残った。けっこう丈夫な箱だし、せっかく海を渡ってやってきたのだし、捨てるのももったいない。小物入れにするか、薬ケースにするか、あるいはそのまんまおかし入れとか…。
ロボットにした。中にはマイクが入っていて、箱をノックするとその音に反応してモーターが動き、ノソッ、ノソッ、と這って逃げる。
スーッと前に進むのではなく、体を少し持ち上げながらノソッと這うのがいきものっぽい動きで気に入っている。
※余談だが、具体的に「○○虫っぽい」と言うと急に気色悪く見えてくるので、虫っぽいものを作って人に見せるときは「いきものっぽい」にとどめておくのがコツである。
モーターに丸いタイヤを付けたらスーッと走っていくだけだけど、かわりに十字のパーツをつけるだけでいきものっぽさが生まれた。おもしろい。
歩くロボットといえば二足歩行。でもロボットに二足歩行させるのは難しい。足をつけて、関節も作って、各関節を適切な順番に動かしながらバランスもうまく取って制御しなければいけない。かつてASIMOがあれだけ話題になったのはそのむずかしさゆえだ。
でもスラッとした足をつけないで、ノソノソと歩いているように見せるだけなら、意外に簡単にできるのかもしれない。
さっきの這っている動きも良かったけど、あの仕組みを2つ作ってそれぞれ右足左足にして、交互に地面に着くようにすれば、もっとリアルに歩いているように見せられる気がする。
ということで実験だ。必要なのはモーターと足。
ミニ四駆に使う普通のモーターだと早すぎるので、こういう黄色いモーターを使う。ギアが入っていてゆっくり回るやつだ。TTモーターという名前らしく、電子部品屋やAmazon等で1個250円くらいから手に入る。
まとめ売り、バラ売り、銅線の有無などいろいろあるのでお好みでどうぞ
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この足をモーターの両サイドにつけた状態でモーターを回すと、左右の足が交互に地面を蹴るので歩いているような動きになると思う。モーターを回してみよう。
なんかスキップっぽく跳ねてしまった……が、これはモーターが軽すぎるせいだと思うので、いったんロボットにつけてから様子を見ることにしよう。
さて、今回は何をロボット化しようか。ちょうど机の上にこれがあった。
顔もついているし、歩かせるのにちょうどよいだろう。
関係ないけどカーネル・サンダースが胸につけてるリボン、身体に見えますよね。
電池2本だと回転が速すぎたので1本にしたかったが、1本用の電池ボックスが家になかったので針金で短絡した。見えないところでこう雑に手を抜く、これが工作を楽しくやる秘訣である。
一見普通のコップだが、スイッチを入れれば歩くはずだ。やってみよう。
僕の設計の甘さによりカーネル・サンダースが顔面を強打した。ごめん。
足の動き自体は悪くないものの、上げ底の上に電池がきたせいで重心が高くなり、転んでしまったと思われる。
こういう時はおもりを足して、下を重くする。
そして改めて動かしてみると…
上のアニメーション、紙コップが歩いてくると思うとかわいいのだが、笑顔でこっちに迫ってくるカーネルサンダースに注目すると急に怖くなる。かわいい前提で話を進めたいので、薄目で見たりして意識をうまくコントロールしてほしい。
ともあれ、関節も姿勢制御もなしに、めちゃめちゃ簡単に紙コップを歩かせることができてしまった。大発明である。
僕が知らなかっただけで大定番のメカだったらごめん。そのときは「大発明である」は撤回、「再発明である」に訂正させていただく。
これがタイヤでビューンって走るだけだったらこんな愛嬌はあるまい。ヨタヨタ歩くからこそかわいいのだ。
面白がって構成も考えずいろんな動画を撮った。それを今ならべたところ、ケンタッキーの紙コップが産業スパイだというストーリーができあがってしまった。
不審な人物やロボットを社内に入れないようにしましょう。情報セキュリティ部門との約束だよ。
今回は足を3Dプリンタで作ったが(モデルはここでDLできます)、真似してみたいけど3Dプリンタがないという方がいたら割り箸とかでも代用できる。
本体は、紙コップのような縦長のものは倒れやすいしモーターも取り付けにくいので、横長の箱型のものが歩かせやすいと思う。
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