楽しかったです
こうして新幹線の駅に置き去り企画は進んで行った。詳しくはそれぞれの記事を読んでもらいたい。全部がおもしろくて、全部がちょっと寂しくて、全部が行きたくなると思う。
楽しい企画だったのでいつか別の路線でまたやりたいと思います。
2019年の年末から2020年の年明けにかけて、デイリーポータルZではライターをひとりで新幹線の駅に置き去りにする企画を掲載した(こちら)。
今回はこの企画の総括として、新幹線の駅に置き去りにされると人は何を見てどこへ行き何を食べたのか、横断的に見ていきたいと思う。
まずは当たり前だけれど、ひとりで新幹線の駅に置き去りにされると不安になる。
今回はあえてあまりたくさんの人が降りなさそうな駅を選んだので、期待とともに駅に降りた時の不安はたいへんなものだったのではないか。これを書いている僕も新花巻駅で置き去りにされたのでみんなの気持ちはわかるつもりだ。
おのおのが最初に見た景色を並べるだけでもみんなの心細さが伝わってきて胸がキュンとなる。
だいたいみんな同じような風景を見ていたことがわかる。
そんな中、三土さんだけは最初からポストの写真を上げていた。
三土さんはかねてから仙台にある変わったポストを見に行きたいと言っていたのだ。そんな折、強運を発揮して見事仙台の切符を引いた。今回の企画において唯一最初から期待感に満ちていたといえる。
駅に置き去りにされて、まず何をしたらいいのか途方に暮れたライターは、そのへんにある顔はめパネルにはまった。何かしなくちゃいけない、という焦りと使命感が感じられる。
観光ガイドや情報サイトで顔はめの写真を見ることはあまりない。もちろん僕たちだって駅に降りて目の前に滝があったりダチョウが飼育されていたりしたらそっちを優先するだろう。あえて顔はめパネルを撮っているということはそれだけ平和な街だということなのかもしれない。
顔はめ写真を撮ったライターはそれぞれ街に出た。大宮で降りたきだてさんは「近い!」とぼやきながらもすぐに鉄道博物館に行っていた。
ライター間のメッセンジャーでそれを知ったわれわれは、正直うらやましかった。
鉄道博物館も変わったポストもない駅に降りたライターが向かったのは、だいたい道の駅かイオンだった。
イオンがあれば便利に違いないと思ったのだけれど、そうも言ってられなかったようだ。
みどころがないと言っても旅である。見たことないものを食べたらテンションも上がるだろう。その土地にしかない美味い物を探すのはデイリーのライターが得意とするところだ。
今回、申し合わせたわけでもないのにライター間のスレッドで盛り上がったのが各地のぎんなんの値段対決である。
最初にその安さを自慢したのがくりこま高原のべつやくさんである。
これに対抗したのがいわて沼宮内の編集部石川。
この後も次々とみんなぎんなんを見つけては値段を競い合った。
結局くりこま高原でべつやくさんが最初に見つけた150円を下回るぎんなんは現れなかった。こういうちょっとした勝負が僕たちに前をむかせた。
これに触発されて東京で通常業務についていた編集部橋田さんからも報告があった。
こうして新幹線の駅に置き去り企画は進んで行った。詳しくはそれぞれの記事を読んでもらいたい。全部がおもしろくて、全部がちょっと寂しくて、全部が行きたくなると思う。
楽しい企画だったのでいつか別の路線でまたやりたいと思います。
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