特集 2020年1月11日

新幹線の駅に置き去りにされた人は何を見たのか

まってまってまって

2019年の年末から2020年の年明けにかけて、デイリーポータルZではライターをひとりで新幹線の駅に置き去りにする企画を掲載した(こちら)。

今回はこの企画の総括として、新幹線の駅に置き去りにされると人は何を見てどこへ行き何を食べたのか、横断的に見ていきたいと思う。

1975年愛知県生まれ。行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。(動画インタビュー)

前の記事:新花巻には注文の多い料理店とでかい毘沙門天がある ~新幹線の駅にひとり置き去り~

> 個人サイト むかない安藤 Twitter

 

不安

まずは当たり前だけれど、ひとりで新幹線の駅に置き去りにされると不安になる。

今回はあえてあまりたくさんの人が降りなさそうな駅を選んだので、期待とともに駅に降りた時の不安はたいへんなものだったのではないか。これを書いている僕も新花巻駅で置き去りにされたのでみんなの気持ちはわかるつもりだ。

 

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おのおのが最初に見た景色を並べるだけでもみんなの心細さが伝わってきて胸がキュンとなる。

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くりこま高原で降ろされたべつやくさんが最初に見た景色。
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水沢江刺で降ろされたトルーが最初に見た景色。
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新花巻で降ろされた僕が最初に見た景色。

だいたいみんな同じような風景を見ていたことがわかる。

そんな中、三土さんだけは最初からポストの写真を上げていた。

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異端。

 三土さんはかねてから仙台にある変わったポストを見に行きたいと言っていたのだ。そんな折、強運を発揮して見事仙台の切符を引いた。今回の企画において唯一最初から期待感に満ちていたといえる。

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今回最も企画をエンジョイした人と言っていいだろう。

 

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顔はめパネル

駅に置き去りにされて、まず何をしたらいいのか途方に暮れたライターは、そのへんにある顔はめパネルにはまった。何かしなくちゃいけない、という焦りと使命感が感じられる。

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ファニーな中にも表情の硬さがそれぞれに見られた。
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観光地にある顔はめパネル、あれ誰がやるのかなと思っている人。僕らがやるのだ。
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トルー、2度目の顔はめ。
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顔の中にさらに顔をはめるタイプ。

観光ガイドや情報サイトで顔はめの写真を見ることはあまりない。もちろん僕たちだって駅に降りて目の前に滝があったりダチョウが飼育されていたりしたらそっちを優先するだろう。あえて顔はめパネルを撮っているということはそれだけ平和な街だということなのかもしれない。

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林さんの顔はめ写真は動く(人に撮ってもらったから)。
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古賀さんのは厳密には顔はめではないが、マインドとしては同じだろう。

顔はめ写真を撮ったライターはそれぞれ街に出た。大宮で降りたきだてさんは「近い!」とぼやきながらもすぐに鉄道博物館に行っていた。

ライター間のメッセンジャーでそれを知ったわれわれは、正直うらやましかった。

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全員がうらやましいと思った。

鉄道博物館も変わったポストもない駅に降りたライターが向かったのは、だいたい道の駅かイオンだった。

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道の駅とイオン

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いわて沼宮内の道の駅。道の駅ではたまに巨大な木彫りなんかを見かけるが、あれはいったいどういう人が買って帰るのだろう。
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こちらは二戸の道の駅。特産品に混ざって栄養ドリンクが売られている。観光が日常に吸収された瞬間である。
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七戸十和田。砂漠で見つけたオアシス感が写真に出ている。

イオンがあれば便利に違いないと思ったのだけれど、そうも言ってられなかったようだ。

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べつやくさんが降りたくりこま高原には駅前にイオンがあっていいな!と思ったけど、言い方を変えるとイオン以外何もなかったらしい。
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藤原くんは七戸十和田で道の駅とイオンを6時間くらいかけて見て回ったと書いてあった。そしてイオンがアメリカみたいに広大。キャプション

ごはん

みどころがないと言っても旅である。見たことないものを食べたらテンションも上がるだろう。その土地にしかない美味い物を探すのはデイリーのライターが得意とするところだ。

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きだてさんの食べた大宮ナポリタン全部盛り。海賊の食事である。
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三土さんは仙台で名物牛タンを食べていた。「楽しかったとしかいいようがない」と書いてある。そうだろうそうだろう。
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水沢江刺で道の駅ならぬ「まちの駅」でトルーが食べた食事。特に感想が書かれていないが、美味しくなかったわけがない。
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新花巻では駅前唯一のお店「山猫軒」で買ったリンゴを食べた。100円だった。
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林さんは二戸でこれぞ地方!というパンを食べていた。
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七戸十和田で藤原くんが食べていた「そば串もち」。地方ならではの味の濃そうな餅である。
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青函トンネルをくぐると食べ物が一気に華やかになる。古賀さんが函館で食べたイカ。他にもきれいな海鮮丼を食べていたけど悔しいのでピックアップしない。

今回、申し合わせたわけでもないのにライター間のスレッドで盛り上がったのが各地のぎんなんの値段対決である。

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ぎんなん対決

最初にその安さを自慢したのがくりこま高原のべつやくさんである。

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外は雨が降っていたという。

これに対抗したのがいわて沼宮内の編集部石川。

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しかし値段で負ける。

この後も次々とみんなぎんなんを見つけては値段を競い合った。

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水沢江刺216円。
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二戸180円。
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新花巻200円。
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七戸十和田200円。

結局くりこま高原でべつやくさんが最初に見つけた150円を下回るぎんなんは現れなかった。こういうちょっとした勝負が僕たちに前をむかせた。

これに触発されて東京で通常業務についていた編集部橋田さんからも報告があった。

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「東京は水煮かよ(きどりやがって)」と思った。

楽しかったです

こうして新幹線の駅に置き去り企画は進んで行った。詳しくはそれぞれの記事を読んでもらいたい。全部がおもしろくて、全部がちょっと寂しくて、全部が行きたくなると思う。

楽しい企画だったのでいつか別の路線でまたやりたいと思います。

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新幹線の中がとにかく楽しかった。
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帰ってきた安心感。
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