つけ麺屋で勝手に食べ放題をするのは初めての体験だった。
ひとつの麺とスープと対峙して、味をとことん楽しむのも良い。しかし、麺とスープをクロスオーバーさせ、独自の組み合わせを堪能するのもすごく楽しい。
つけ麺の食べ放題やバイキングが、いつか普及することを願うばかり...
デイリーポータルZで代々伝わる「勝手に食べ放題」企画に参加させてもらえることになった。どうやら好きな店で好きなだけ食べていいらしい。最近食欲の増加が著しくて外食費がかさむことに悩んでいたけれど、この企画なら胸を張って暴飲暴食できるからありがたい。
どうせなら、大好きな店でこの企画をやりたいと思い、三田製麺所を選んだ。
実は大学生の頃、三田製麺所でバイトをしていた。元々つけ麺が大好きだったけど、初めて三田製麺所の濃厚魚介豚骨スープを飲んだ時、雷が落ちたような衝撃を受けたことを覚えている。しかも、麺もコシがあっておいしい。こんなにも黄金バランスを保ったつけ麺チェーン店があるのか...と、当時は感激した。
バイト中、賄いで出るつけ麺が美味しすぎて、どんどん食べるようになっていった。ついにはつけ麺大盛りをペロリと平らげてしまうぐらい胃袋が成長した。今でも私の胃袋は発展途上だ。友達からも「よくそんなに食べれるね」とよく言われる。
いつもはつけ麺一つだけ頼んで量を多めにするけど、今日は食べ放題。麺を小盛にしてもらい、たくさん頼むことで、いろんな種類のスープを同時に味わえるという作戦で挑みたい。まさにつけ麺ドリームである。
普段はケチってトッピングはつけないが、今日は特別なので、食べたいトッピングを全て頼むことにした。この時のために、朝から一口も食べずに我慢してきた。もう私を誰も止めることはできない。
トッピングで魚粉を頼んだことがなかったけれど、初めて頼んでみた。楽しみ!
濃厚なスープを味わうために、お口をスッキリ爽快に仕上げておく。アルコールを入れて気分を高揚させながら、つけ麺たちを待とう。
ねぎ、野菜盛り、三田盛り、魚粉が到着。とにかく数が多い。1人でこの量のトッピングを食べたことがないので、既に貴族になった気持ちだ。
ここで三田盛りの話をさせてほしい。彼はとても優秀で、トッピングとしてだけではなく、個人戦でも輝く。つけ麺のスープに入れるのはもちろんだが、一皿をつまみとしていただいてもおいしい。たまご1個、メンマ、チャーシュー、海苔....少しずつ絶妙な数とバランスで配置された三田盛りは、お酒との相性最高。
この一皿で、こんなにいろんな種類のおつまみが食べれるなんて....!と心の中でありがたがっている人は多いのではないか。現に、三田飲みをする人たちは必ず最初に三田盛りを頼むのだ。
やばい、どう考えても一人で食べる量ではない。そんな焦りもありつつも、私の好きなつけ麺がところせましと並んでいる情景に、とにかく圧倒された。
朝からご飯を抜いているので腹が減りすぎている。ああ、つけ麺に飛びつきたい!今すぐ咀嚼して胃にいれてしまいたい....!!
はやる気持ちを抑えるのに必死だった。落ち着け、最高のディナーを楽しむためには下準備は不可欠なのだよ....と自分に言い聞かせ、トッピング作業へ移った。
先ほど散々紹介した三田盛りを.....
大量のトッピングをつっこむのが痛快で楽しい。味の差別化をするため、どのスープにどのトッピングをつけるかあらかじめ家で決めておいた。
そして、最強のディナーが完成した...!!!
これぞ禁断のトライアングル食べ。つけ麺ドリームである。
スープに入れた大量のトッピングが絡んでうれしい。これを口に入れたら、うれしくて発狂してしまうかもしれない。
スープにたっぷり麺をつけて、大量のトッピングと絡めていただく。口いっぱいに麺を頬張る瞬間がたまらない。
こってりな背脂つけ麺を食べた後に、即座にさっぱりの鯛だし塩つけ麺に移行できる。つけ麺は同じスープを食べ続けなければいけないという前提を完全に凌駕した3種類食い。これは革命だ!!!
インドカレー屋で3種類のルーのセットを頼んで暴れ食いしている時のような気持ちになった。これがつけ麺でできるなんて、嬉しすぎる...!
スープだけでなく、麺の注文にも気を使った。三田製麺所ではあつもり(あたたかい麺)ひやもり(冷たい麺)が選択できる。私はもっぱらひやもり派なのだが、今回はバリエーションを出すためにあつもりも注文。鯛だし塩つけ麺は元から細麺がついてくる。
食べ進めていくと、麺とスープの相性がだんだんわかってきた。
正直どれもおいしいのだが、独断と偏見で評価してみた。圧倒的ひやもり派の偏りが出てしまっている気はするが、私の個人的な意見としてみてほしい。
つけ麺・背脂つけ麺×細麺ひやもりは、意外な発見だった。太麺とは違う、さらさらと食べれるおいしさを感じた。細麺のメニューがあってもいいくらいだと思った。
鯛だし塩つけ麺は、やはり冷たくて細い麺が一番おいしい。なんだかんだ言って既存の組み合わせが最強なのは当然なのだが、とにかく細麺のポテンシャルに驚かされた。
いろいろな食べ方ができるのが嬉しすぎて、完全に調子乗りになってしまった。まさに”やりたい放題”やらせていただきました。
やはりつけ麺となると少なめにしてもらっていても量は多く感じた。朝から何も食べずに空腹を蓄えておいたのでなんとか完食することができた。
本当は割りスープをいれて3種のスープ飲み比べ選手権もやりたかったけど、お腹がパンパンすぎてギブアップ。お腹いっぱいになれました。
つけ麺 | \880 |
背脂つけ麺 | \990 |
鯛だしつけ麺 | \880 |
三田盛 | \300 |
野菜盛 | \110 |
ねぎ | \110 |
魚粉 | \50×2 |
レモンサワー | \400 |
合計 | \3770 |
合計金額3770円!居酒屋で飲むのと同じくらいだ!
つけ麺屋で勝手に食べ放題をするのは初めての体験だった。
ひとつの麺とスープと対峙して、味をとことん楽しむのも良い。しかし、麺とスープをクロスオーバーさせ、独自の組み合わせを堪能するのもすごく楽しい。
つけ麺の食べ放題やバイキングが、いつか普及することを願うばかり...
▽デイリーポータルZトップへ | ||
▲デイリーポータルZトップへ | バックナンバーいちらんへ |