板を割ったら次は石
6年ほど前、空手愛好家の花川さんから指南を受け、板割りに挑戦した(記事はこちら)
ポイントを押さえればわたしのような空手未経験の素人でも気持ちよく板を割ることができ、大成功だった。
多少の生傷は負ったものの、自分史に残る貴重な経験である。
実はその後、板割りの経験を婚活に生かし、翌年空手黒帯の旦那と結婚することができた。そして板割りの記事を見た旦那がある日こう言った。
「石も割ってみる?」
石を割るだと…!?
板割りは試割り板という板割り専用の板があった。けれど石割りに使う石は自然に転がっている種も仕掛けもない石だ。
半信半疑どころか零信全疑だが、本当に割れたらすごいし、どんな自己啓発セミナーより自分に自信が持てそう。今後石割りをする機会もなかなかないだろうしやってみたい!
ちなみにわたしの格闘技歴は、ジャッキー・チェン好きが高じて小学生の時カンフーのカルチャースクールに少し通った程度である。
そんなわたしでも本当に石が割れるのだろうか?
石割りのポイント
そもそも石割りはどのような場面で行うのか。
演武のようにパフォーマンス的な立ち位置で行われているものかと思いきや、空手の昇段試験のひとつとしても組み込まれているそうだ。
流派によって試験内容は異なるが、旦那も級から段、茶帯から黒帯への昇段試験の際、石を割って無事昇段した。
子どもの頃、半紙を透かしてお手本をなぞろうとした私の習字の昇段試験とは大違いだ。石割りなんてごまかしようがない。
そんなごまかすことを前提として生きてきたわたしでも、本当に石が割れるというのだ。旦那いわく、板割りと同じようにいくつか押さえるべきポイントがあるらしい。
素人が石割りを成功させるため、今回挙げてもらったポイントはこちら。
② テコの原理を利用して割る
③ 「絶対割れる」という強い気持ちを持つ
やはり石割りも板割りと通ずるポイントがある。
ポイントをひとつひとつ押さえながら挑戦してみたい。
石割りへの第一歩、割りやすい石を選ぼう
まずは肝心の石を拾いに畑へ。
近所に親戚のパセリ畑があり、ちょうどよさそうな石がゴロゴロあったので、そこから5~6個拝借した。
ちなみに河原にある石を石割り用に持ち帰ってもいいか河川事務所にも確認したところ、個人利用で持ち帰る分には問題ないそうだ。対応してくれた職員さんが少しざわついていたので、わざわざ“石割り用”と告げる必要はなかったかもしれない。
まだ割ってもいないのに強い人アピールをしてしまい、恥ずかしくなった。
ところで今回は石を割るのが目的なのでポイントに「割りやすい石を選ぶ」と挙げたが、実際の昇段試験では師範や先生があらかじめ石を複数個用意していて、その中から割る石を指定されるそうだ。
割る側は内心「この石がいいな」と思っていても、その石に当たらないことの方が多いらしい。石を割るほどの強者たちがそんな気持ちで石を眺めているのかと思うと、みんな人間なんだなと安心する。
では、どんな石が割りやすい石なのか。
割りやすい石の特徴その1 つかみやすい石
のちほど出てくる割り方のパートで詳細を記載するが、テコの原理を使って石を割るため、片手でつかみやすい石が望ましい。つかみにくいとテコの原理をうまく利用できないので、割れる確率が低くなる。
割りやすい石の特徴その2 握りこぶし2個分くらいの石
石が小さすぎるとつかみにくい上叩きづらいので、自分の握りこぶし2個分くらいの大きさの石がベスト。わたしの手の場合、これくらいの大きさの石になる。
割りやすい石の特徴その3 平らな石
平らな石の方が叩く手の接地面が安定し割りやすいので、できるだけ平らな石を選ぶ。
割りやすい石の特徴その4 石の顔を見て「お前ならいける」と思う石
あとは自分の直感を信じ、割れそうな石を探す。
石を割るという経験が初めてすぎて残念ながらわたしの直感は働かなかったが、経験を積んでいくと割れる石がキラキラ光って見えるのだろう。
厚さに関してはもちろん薄ければ薄いほど割りやすいが、せっかく石を割る以上できるだけ割りごたえのある石を選びたい。厚さは割る人の気持ち次第といったところ。
こうして割りやすい石を無事入手。
準備は万端!頼む、割れてくれ。