小出し記事「中国の巨大都市・重慶の高低差にふるえる」
ライター:ネッシーあやこ
第一回:重慶はどこにあるのか
第二回:道路に興奮したはなし
第三回:地上から高さ約68メートルに設置された歩道橋のはなし
第四回:ロープウェイとリフトのはなし
第五回:地下鉄のはなし
※小出し記事は書けたところから即、小出しに公開する連載企画です!
巨大都市・重慶
まずは「そもそも重慶ってどこにあるんですか?」ってところからはじめたい。重慶は中国の内陸部にある。
飛行機を降り、ホテルまで向かう途中の風景にさっそく圧倒された。
撮影しながら、この1枚の中にいったい、何千人、何万人の人の住まいが写り込んでいるのだろうと考えた。少し想像してみただけですーっと気が遠くなる。
そんな重慶市は、中国内に4つある「国家直轄市」のひとつ(※ほか3つは北京、上海、天津)。市内の総人口は3000万人以上にもおよび、なんと北京や上海よりも多い。
成田からは、中国国際航空と春秋航空による直行便が出ていた(現在は休止中)。
春秋航空の機内では、乗員乗客らが突如ラジオ体操を始める…という話をTwitterでみたことがあり、非常に気になっていた。
もしその場に居合わせたら、自分も参加してみようか。いや、静かにただ見守っていようか。
どちらにしようかと考えながら、乗員の動きを見守っていたのだが、わたしが乗った便では、そのような展開はまったく訪れなかった。無念極まりない。
火鍋とモノレール
重慶をまだ知らない人に「重慶には何があるの?」と聞かれたとき、重慶と日常との接点を感じてもらいたいなと思い、真っ先に答えがちなのが「火鍋」だ。重慶の街には火鍋を食べられるお店が多くある。
重慶に行く際はひとり旅だった。ゆえにひとりで火鍋で食べ切るのはちょっと……と思っていたら、ひとりで食べられる、火鍋と遠くない味がする食べ物がそこかしこにありホクホクした。
それぞれの街に「街のにおい」ってあると思うんだが、重慶の街には麻辣のにおいが立ち込めている。においだけでも既に辛い。
「通常時の摂取量の1年分くらいの唐辛子が入ってそうだなぁ」と適当な暗算をしながら、1時間近くかけてゆっくり完食したのも、いまとなっては良き思い出である。
そしてモノレール。重慶の街にはモノレールが走っており、その誕生には、日本も大きく関わっている。
一方、まったく見当たらないものがある。自転車だ。
なぜないのか。重慶の街中を少し歩いてみたら問答無用で納得した。高低差が激しいのである。
高所恐怖症な人、ちょっと散歩にでるだけで心臓ばくばくになっちゃうんじゃないだろうか。心配になる。
次回以降はその高低差に圧倒された話をつづっていきたい。