広告企画♪ 2022年4月15日

デイリーポータルZの工作は王様のアイディアに受け入れられるのか

王様のアイディアとは1965年から2007年まで存在し、今年復活したアイディア商品のセレクトショップである(こちら)。色めき立つ世代と触れてこなかった世代がくっきり分かれるようだ。

そんなビッグな相手に今まで記事で作った工作をプレゼンできる。イチローに見てもらえる少年野球チームってこういう気持ちなのかもしれない。

2022.4.13追記 商品のおまけ画像と使用例写真を追加しました
 

1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

前の記事:良い香りがしそうな物体の作り方


プレゼンするのはこの5名(敬称略)。おもしろ雑貨への相性はバラバラだが皆張り切って2、3点持って来た。
そして王様のアイディアからこちらの4名(敬称略)。

王様のアイディア店長の大澤さん、おもちゃクリエイターの高橋さん、チーフバイヤーの桃原さん、アシスタントバイヤーの斎藤さん。

とても和やかな雰囲気で始まったが僕は内心不安だった。僕が張り切って持って来たものは『おもしろ雑貨』なんだろうか。なんだろうなあれは。頭が整理できないまま始まってしまった。

とにかく順に紹介します。14アイテムもある。気長に読んでください。

給食費の袋

「じゃあ、私から」と言って林さんがぬるっと封筒を出した。
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和やかな空気が一変、ざわざわとし出した。

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アピールポイント
財布として使う封筒。飲み会などで割り勘したお金をこの封筒から出そうとすると、子供の給食費を使おうとしているように見えるので周りが止めてくれる。
桃原:あー、なるほどねー!
高橋:どこから突っ込んだらいいか
桃原:ちゃんと未払い分もある
大澤:いやー、ここから出されたお金はもらえないですね
高橋:担任が林で主任も林だ
べつやく :(小学校の名前も担任も林なので)林しかいない世界の封筒
11月はハンコが給食センターになっている。給食センターは小林。
林:この月は提出が間に合わなくて給食センターに直接持って行ったんですよ
トルー:無駄にストーリーがある
乙幡:そんなことできるんですか?
林:分かんない

ひとしきりディテールを楽しむと在庫の有無や値段の話になった。「あ、本気だ」と思った。見てすぐ分かるし取り扱いのしやすさが好感触だったと思う。地味だけどその地味さがじわじわとウケていた。

ポール・モーリアになれる鏡

他にはこちら。 

ポール・モーリアのジャケットのように画面の隅にぼやっと浮かんだように映る鏡。(登場した記事:ポール・モーリアのように顔を出したい
こうなれる鏡。(写真は初登場時の記事より)

桃原:あれを再現しようと思ったのがいいですよね
高橋:知恵の無駄遣いって言葉がありますけど、ここまですごい無駄遣いもない
高橋:無粋なことを言えば、パワポとかフォトショがあればできますよね
林:そうなんですよ。でもそれをアナログでやりたかった。…確かに努力の方向が違う気がしますね
高橋:ポール・モーリアファンはこの鏡のファンと重ならないかもしれないですね

高橋さんが終始マジだ。かっこいい振り切れ方。


USBポートのシール

林さんの最後のプレゼン。

パソコンの然るべき場所に貼るとUSBポートやVGAポートが増えたようになるシール。スマホのカメラのレンズもあった。
拡大

高橋:(貼ってあるPCを遠くから見て)挿したくなる感じあります。なんか引き寄せられる
桃原:パソコンのスペックが高くなった感じします
大澤:これ、いっぱい欲しいですもんね
桃原:プレゼン前にここ見たら緊張がほぐれるかもしれない
林:このパソコン社長に貸して間違えて挿してたら気まずいですね
高橋:想定ターゲットは?
べつやく :パソコンを使う人類全員じゃないですか?

「近くで見てもいいですか?」
「近くで見るとそうでもないな」

ふざけて作ったシールに対して遠慮のない意見が飛び交う。なぜなら本気だからだ。

このあと桃原さんが使っていたパソコンに貼ってみる。「パソコンのボディがシルバーだと馴染む」「シールのフチの部分は無くせないのか」など活発な議論が起こる。

カット線をもっとギリギリのところに作れば透明のフチがなくなってよりリアルになるのでは、という改善案でプレゼンが終わった。

たくさんの大人が給食費の袋やUSBポートのシールに群がって真剣に議論する様子には異様な迫力があった。「ツッコミ不在」という言葉があるが、あの場には「ボケ」すらいなかった。ただただ、真面目で本気なのだ。 

布団叩き叩かれ

次は僕である。人が変わると工作のタイプも変わる。

布団叩き叩かれ・アピールポイント
音がうるさい、布団が痛むなどの理由から布団叩きを使うシーンを見なくなった。布団の方はそれに変わるケアの方法があるが、布団叩きは眠ったままである。
だから布団叩きに叩かれるための物体が必要なのだ。上の写真は記事を書いた当時のもので、プレゼンでは簡易的に再現したものを持ってきました。(登場した記事:叩け! 布団叩き
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叩いてもらう。
高橋:生まれて初めての感情
林:明け方に見る夢みたいですね
桃原:すごい世界観だなあ
高橋:ターゲットは明確なんですよね
「叩く意味がないから空虚な感情になるのかもしれない」と、高橋さんが競技にしてはどうかと提案してくれる

高橋:叩いたら良いことがある、前に進んでることにする感覚が欲しい
桃原:コップをすごい速さで重ねるやつとかもそういうことですよね
乙幡:居合抜きとか
べつやく :叩いてかぶってじゃんけんポンとか
乙幡:枕投げも選手権がありますもんね
林:トルー がぶん投げたものを皆が世間に寄せてくれてる

「20年近くこの業界でやってて本当にシュールなネタとかも見てきたんですけど、ここまでの気持ちにさせられたのは初めて」

良かった。良かったのだと思う。この物体が商品化されて各家庭でボスボスされる未来を切に望みます。

昔の人の顔付きハンガー

アピールポイント
ハンガーに昔の人の顔が付いていたら、現代の服を着せ替えて楽しめる。(登場した記事:モナリザの顔付きハンガーにはエプロンを掛けろ

桃原:おー、有りですね
大澤:狙いが分かりやすい
高橋:他にどんなモデルだといいですかね
乙幡:石膏像とか
トルー:裸ですもんね
林:自分の顔は?
桃原:会社とかで自分のハンガーが間違われないように使えますね
高橋:ホワイトボードになってて落書きも可能っていうになっているのはどうでしょう
べつやく :服が汚れません?
林:「服が汚れるハンガー」という商品

全員真面目なのに「服が汚れるハンガー」に着地した。

真面目さが行きすぎて不真面目になった。グラスを磨きすぎて割ってしまった時みたいな悲しみがある。

犬の等身大パネル

アピールポイント
等身大パネルには独特の存在感がある。犬の等身大パネルには本物の犬のような存在感が宿る。(登場した記事:犬が飼えないのでパネルで作る

大澤:確かに存在感ある
桃原:でかいですね
大澤:本体を送料が超えたりしない?
林:風呂のフタみたいに折りたためるようにしましょう
乙幡:人工衛星の羽みたいに
大澤:アクリル板とかで作るのどうですか?
乙幡:あ、めちゃくちゃでかいアクリルスタンドいいですね
大澤:今の状態だと周りの白いフチが気になるんですけど、アクリルで作ればそこが透明になるので

持ってかわいがってもらう時間を設けた。全員真面目である。
乙幡さんにも。

以上が僕からのプレゼンだった。自分でも思うんだけどおもしろ雑貨とは少し距離がある内容だったと思う。それでも皆さんに何かが刺さった感触はあった。いい汗をかいた。

ヘリで逃げてるように見えるはしご

さあさあ3人目、つりばんど岡村さんのプレゼンである。

新潟からリモートで参加。今までのやりとりも画面を通して見ていて、時折スピーカーから笑い声が聞こえてきていた。一人だけリモートだと「フィクサー」という感じがする。

アピールポイント
遠近法を使ってヘリコプターから垂らされた縄ばしごをコンパクトに再現。ヘリで逃げ去る様子を撮影できる。写真は初登場時の記事より(登場した記事:ヘリコプターで逃げ去りたい

大澤:見える見える!
高橋:これすごい、めっちゃ上空にいる
桃原:おもしろいなー
大澤:想像の30倍すごい

大好評! 記事の写真を出して歓声が上がった。

アート作品として受注生産してもいいのではないかという案が挙がった。おもしろ雑貨というと文房具やアクセサリーが思い浮かぶが、こんなに大きなものでもいいのだ。

誰もが知ってるけど見たことはない。そしてそのイメージが一瞬で再現できる。そのおもしろさが王様のアイディアの皆さんの心を掴んでいた。

鉄仮面

アピールポイント
ダンボールで作る鉄仮面のキット。スケバン刑事がモデルだが、北斗の拳のジャギにも対応可能です。写真は初登場時の記事より(登場した記事:スケバン刑事の鉄仮面やってみた伝説
桃原:これダンボールなんですか!
つりばんど岡村:鉄を加工するのは大変ですがダンボールなら作りやすいです。没頭して楽しかったですよ
高橋:南野陽子さんも家で作ったんですかね
つりばんど岡村:いや、あれは組織から逃げるためにかぶらされたんですね
大澤:さっきのはしごから鉄仮面って傾向が読めないですね
べつやく:テレビが大好きなんですよ
高橋:映像作品からインスパイアされているんですね

ヨネスケのしゃもじ

アピールポイント
飲み会に誘われた時にこれを持っていたら、お金を払わないぞという意思表示になる。写真は初登場時の記事より(登場した記事:突撃される視点でみる突撃!隣の晩ごはん

林:払わない? なんでですか?
べつやく:ヨネスケはお金を払わないで晩ごはんを食べるから?
つりばんど岡村:はい、ごちそうになるので
高橋:ヨネスケにただ食いのイメージはなかったな
高橋:なぜか今いらっしゃる部屋がすごく素敵な部屋に見えてきました

商品化という視点から見ると版権が関わるものは現実味がないが、ヘリで逃げているように見えるはしごがとにかく好評だった。冷静な高橋さんに「素敵な部屋」と言わせてしまうほどに。

あと少し、あと少しでつりばんど岡村さんに「ヘリで逃げているはしごアーティスト」という難しい肩書きが付くぞ。

リアル野球サイコロ

4人目! べつやくさん。

アピールポイント
6面の野球サイコロというものがあるが、各プレーが起こる確率が現実的じゃない。サイコロを20面体にしてリアルな野球に近づけた。(登場した記事:野球消しゴムを現実的にしたい

高橋:おもしろい!
べつやく:サイコロにパターンがあってもいいんですよ
高橋:好きな選手のデータで
林:9個のサイコロ同士で戦ったらいいんですね
べつやく:ピッチャーとの相性とか考えるとすごい数のサイコロになるけど
べつやく:これ自体は展開図にすれば売りやすいですし
桃原:すごいなー
高橋:いや、めっちゃいいですね

文句のつけようがないおもしろ雑貨だと思った。おもしろい。欲しい。遊びたい。買えそうだし。4人目にして「こういうのだよな…!」と自分の中で腑に落ちた。

アブダクションメモ

アピールポイント
何を書いてもアブダクションされるメモ

桃原:かわいい
高橋:アブダクションにロマンを感じる人は多いですもんね
大澤:普通に売れそうですよね
林:まともなものが来て戸惑ってる
大澤:普通にいけそう

丸の内仮面

アピールポイント
丸ノ内線の柄のところを使って仮面にしました。(登場した記事:丸の内仮面、登場!

桃原:柄のところねー!
高橋:こうなってるんですね
高橋:この柄ってみんな知ってることなんですか?
大澤:丸ノ内線で通学してたので、この柄分かりますよ!

柄が分かった大澤店長にかぶってもらう。みんなで「お似合いです!」と言って盛り上げる。アクセサリーのプレゼンで「お似合いです!」は分かるんだけど、今日はそこが丸の内仮面。

ちゃんとしたサイコロとメモ帳の後に丸の内仮面が来た。緩急をつけてきたのである。どっちが「緩」でどっちが「急」なのか分からないが。 

参照ウオ

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いよいよ大トリの乙幡さん。マジ作家である。マジ作家とマジセレクトショップのマジ打ち合わせである。

アピールポイント
『参照ウオ』というサンショウウオのページ押さえ。サンショウウオファン垂涎。(登場した記事:サンショウウオでページ押さえを作ったら「参照ウオ」

林:サンショウウオってこんな顔でしたっけ
高橋:あ、押さえたら急に愛着が湧いてきた!
林:なるほど、押さえるとね
高橋:押さえたら命持つってすごいですね
乙幡:家に15個ぐらいあります
大澤:とりあえずそれを売りたいですね

商品化する前提で、乙幡さん個人で取り組んでいる量産化の状況や最適な素材の話し合いになった。乙幡さんはこの話以前に、数十万かけて金型を作ったり、参照ウオ専用のパッケージを作ったりしていた。本気度が違う。マジ打ち合わせなのだ。

辞表パスケース

ここまできた。最後のプレゼンは辞表パスケースである。

アピールポイント
辞表を叩きつける経験に憧れるがなかなかできるものではない。パスケースにすれば通勤中に駅の改札で毎日辞表を叩きつけられる。写真は初登場時の記事より(登場した記事:「辞表を叩きつける」をとりあえずパスケースで実現

大澤:素晴らしい
桃原:有りだ
大澤:受注生産でやりたいですね
桃原:辞めたい人がストレス発散で使うんですかね
高橋:どういう気持ちになるんでしょう
桃原:同僚がこれ使ってたら優しく接しちゃうかも
高橋:でもやってみたいよなあ
林:使ってみた人がどんどん辞めていったらどうしましょうね
大澤:呪いのパスケースだ

なんてやりとりは合間の雑談で、立体的になる文字の部分の技術やリードタイム(出来上がるまでどれくらいかかるのか)の話をしていた。

真面目に話し合っていたが議題そのものは辞表パスケースなのだ。そんなもの量産していいのか。日本の雇用情勢におかしな影響が出るぞ。 

衝動の14連発だった

お疲れ様でした。デイリーポータルZに登場したおかしな工作、14連発であった。それぞれ作り手の強い衝動が込められているので咀嚼するのも体力の要る作業だったと思う。

王様のアイディアの方々の反応を下にまとめた。全て僕の主観です。

大澤:いやー、おもしろかったです
高橋:ぐったりしましたね
桃原:すごい体力使いました

変な板書ができあがった

斎藤さんが板書に徹してくれていて、全部終わった後に見返したのだが「変な会議だな…」としみじみしてしまった。

「給食費の封筒はくしゃくしゃにしてポケットから出すとリアル」と書いてある。
速報!!!
今回プレゼンしたなかから「サンショウウオのページ押さえ」「給食費納入袋」「アディオス・アミーゴ!(つりばんど岡村さんのヘリコプター)」の取り扱いが始まりました!
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サンショウウオのページ押さえ

本当に売ってるのか確認したついでに買おう!

続報(2022.4.13):

1.アディオス・アミーゴ!におまけが追加されました。

つりばんど岡村さんの生チェキ 10枚セット

アディオス・アミーゴ!を買うともれなくつりばんど岡村さんのチェキがついてきます。10枚と多めに用意しました。
レアな商品にレアなおまけ。期間限定商品なので迷っている人は今すぐご購入ください。

2.給食費納入袋の使用例(風の写真)

給食費納入袋の効果がわかる写真を撮ってきました。

「おいくらですか」「いや、あの…」
「今回は、いいですから…!」

給食費の袋から出したお金は受け取りにくいのでこうなるかもしれません!(効果を保証するものではありません)

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