特集 2019年5月17日

ポール・モーリアのように顔を出したい

日常にロマンを

ポール・モーリアはレコードジャケットでたいてい景色に溶け込んでいる。

ロマンあふれる景色のなかにポール・モーリアが境い目がなく重なっているのだ。

かっこいい。

僕もああいう感じで顔を出したい。画像加工ソフトを使うと簡単なのだがそういうことではない。その場ですぐ、ポール・モーリアになりたいのだ。

うまくポール・モーリアになる方法を見つけたので説明したい。

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと新宿区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

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ポール・モーリアのジャケットとはこれ

いきなりポール・モーリアの話を始めてしまったが、これを見てほしい。

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「恋はみずいろ」が有名です。SpotifyやYouTubeで聞きながらこの記事を読もう
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すごく透けてる

向こうに人がいるのが見えるほどにすけている。透け感とはポール・モーリアのことである。

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楽譜もすけちゃう
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あ、透けてないかなと思っても子持ち昆布みたいな灯りが透けている

このようにポール・モーリアさんはたいてい景色の上に境界線なくふわっと重なっているのだ。

ポールさんの指示なのかデザイナーの好みか、もしかしたら本当に半透明の人だったのかもしれないが、今回大事なのはそこではない。

僕もこれがやってみたい、ということだ。

画像加工ソフトやビデオミキサーを使うとできるのだが、もっと直感的で即時的な方法はないものだろうか。

鏡を使えばいいんじゃない?

カメラの前に鏡を置くとワイプのように自分が映る。

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家で試した無防備な写真

頭の悪い自撮りみたいな撮りかただが、この鏡の周辺が透けていればいいのだ。鏡のふちが徐々に透けていれば境界をぼかせるかもしれない。

そんな鏡はなかったので作ることにした。

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アクリル板に吹き付けると鏡になるスプレー

これを透明のアクリル板に吹き付けてゆく。

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マスキングしてない部分をだんだん小さくしながら重ね塗りした

中央部は最後まで重ね塗りされるのでスプレーが濃くなってほぼ鏡になる。周辺は最初の1~2回しかスプレーされないのでうすい。
 

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右下のボンカレーのマークのようになっているのが追い求めた鏡である。
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鏡の濃さで2種類作った(偶然そうなった)

これに顔を写して写真を撮ると…
 

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ポールモーリア!
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納豆に興味を示すポールモーリア
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ロールケーキによろこぶポールモーリア
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ポールモーリアになっているところ
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ポールモーリアのスマホ
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はたから見ても気分はポールモーリア

透けてなくてもポールモーリア気分である。いや、違う。そういうことではない。

こうしてポールモーリアのように顔を出すことが可能になったのだ。

人類みなポールモーリア、ポールモーリアの民主化である。

写真の上に貼ってもよい

この鏡は顔ハメとして使うこともできる。

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パリで撮った写真を大きく印刷してポールモーリア鏡を貼りつけた
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パリ上空に顔を出した

パリで「なんだかパリみたいな景色だな」と思って撮った写真が役立った。この顔ハメ、ふわっと重なるので背景を選ばないのだ。
 

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サイゼリヤの間違い探しに興じるポールモーリア
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「きょうは半熟卵のせちゃおうかな~」(恋はみず
いろのメロディで)

なんでも顔ハメになる鏡だ。この鏡の前と後で顔ハメの世界が変わったと言っても過言ではない。
 

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「やばい、歴史作っちゃった」と興奮して妻を見たらスマホ見てた

窓に貼ってもポールモーリアみあふれる

高いビルの窓に貼れば、ビルからの景色にフィットさせることができる。顔を、だ。

そう思ったらいても立ってもいられなくなったので会社に向かった。ゴールデンウイークで休みだったがポールモーリアには関係ない。
 

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うーん

光の加減が難しい。顔が暗くなってしまう。表情もどこかポールモーリアではなくクリムゾンキングの宮殿である。

しかし部屋の電気を消して照明を顔に当てることでポールモーリアに成功した。

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我が二子玉川の街とその民たちよ

灯りはiPhoneのライトを使っているのでちょっと忙しい。

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片手にミラー、もう片手にカメラとiPhone(ライトして)

このようすは編集部の藤原くんに撮ってもらった。彼に試してもらったらまた趣が違う写真になった。

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無表情が宙に浮いているのでなにかバグってる感じがする

手伝ってもらってバグとは失礼だが、「うっとりするとポールモーリア」という図式のほかにまだ可能性がありそうである。


おれたちの旅はこれからだ!

このポールモーリア鏡は旅行にもぴったりじゃないかと思っている。

風景写真では自分が入らないし、かといって自撮りだと自分フィーチャーすぎて恥ずかしい。

そこでポールモーリアだ。

景色とともにロマン、知らない土地への昂ぶる気持ちが表現できる。

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いまアメリカにいるので持ってきてます

 

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