特集 2021年11月1日

ヘリコプターで逃げ去りたい

アディオス・アミーゴ!

映画やドラマで、追いつめられた主人公が、仲間の操縦するヘリコプターの縄ばしごにつかまって間一髪で逃げ去るシーンがある。

かっこいい。

私もあんな風にヘリコプターで、大空のはるか彼方へ逃げ去るシーンを撮影してみたい。

だからといって、本当にやると莫大な費用がかかるうえ、非常に危険である。

そこで、安全、かつリーズナブルにヘリコプターで逃げ去るシーンの撮影ができる方法を考えたので説明したい。

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。

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> 個人サイト 日本海ぱんく通信

ヘリコプターを使わなければいい

ヘリコプターで逃げ去るシーンのイメージ

ヘリコプターで逃げ去るシーンの撮影において、何が危険で、何にコストがかかるかと言えば、ヘリコプターにである。

だったら、はじめっからヘリコプターを使わなければいいのだ。

そこで考えたのがコチラ!

図解:ヘリコプターで逃げ去るように見えるはしご

 ごらんのように、てっぺんにおもちゃのヘリコプターを付けたトリックアート的なはしごを用いて撮影すれば、ヘリで逃げ去るようにみえるという寸法である。

ヘリで逃げ去るように見えるはしごの作り方

作りかたはこうだ。

棒を三本用意する(画像は二本だが)

 

そのうち二本の棒が縄ばしごの縄にみえるように白い布テープを巻き付ける

白のテープを巻いた二本の棒の一方の幅が狭くなるように配置。 

このようにします。

白いテープを巻いていない残りの棒を、はしごの持ち手の部分になるように、幅がだんだんせまくなるよう適当な長さに切ってくっつける。

つづいて、てっぺんのヘリコプター部分を作っていく。

ヘリコプターのおもちゃ

 

白い針金と割りばしで、はしご状のものをつくり

 

できあがったミニはしごにヘリコプターのおもちゃを結束バンドでくくりつける

 

ふたつのはしごをつなげれば完成!

できたものを自室のベランダから空にむかって持ち上げてみると… 

ローアングルで撮ればヘリコプターから垂らされた縄ばしごに見える

 なかなかいい感じである。

しかし、地上や低い建物は映らない方がそれらしく見えることもわかった。

ということで、地上が映らないようにもっと高いところに行ってみよう。

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 高いところで撮影する

高いところを探して、海沿いの展望台にやってきた。

日和山展望台

 

これぐらいの高さ

 

展望台からの景色

 

ここに立って

展望台の手すりが映らぬようにカメラをセットし、作ったはしごを持ってみると… 

ヘリコプターから垂らされた縄ばしごをつかんで

 

ズキューン!

 

逃げながら追手を威嚇射撃しているようにみえるではないか!?

 

今まさにヘリコプターから垂らされた縄ばしごにつかまり大空高く飛び立とうとしているシーンである。 

「幻のダイヤはいただいたぜ!」

まあ、怪盗だが西部警察だがキャラがよくわかないものの、間違いなくヘリで逃亡する悪党には見えるのである。

よーし、この調子でどんどんいってみよう!

 

 別アングルからも撮影しよう

このはしごは、地上さえみえなければあらゆるアングルにも対応できそうだ。

上からのアングルで縄ばしごを登ってくる悪党

とくに真下からのアングルでは完全に空しか映らないので、よりそれっぽく見える。 

縄ばしごを登ってくる追手と格闘中

 

追手を振り切り勝利のおたけびをあげる

 

さらばだ

 

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もっと広いところで撮影しよう 

今度は正面から全身を入れたシーンを撮影してみたい。

しかし、展望台のうえは思いのほか狭く、全身を映そうとすると手すりが入ってしまう。

もっと広くて、全身を映せるようなところはないか?

上からみるとこんなにせまい

と、展望台から眺めてみれば、真下に突堤と呼ばれる海に突き出す構造物があった。 

展望台の真下にあった突堤

この突堤の先に立ち沖合に向けてカメラを設置して撮影すれば、空しか映らず全身の画像が撮れるに違いない。

ということで移動する。

一見、仕事をさぼって釣りにきたサラリーマン風

そして、突堤の先に到着。 

突堤の先端

 

三脚にセットしたカメラを沖合に向ける

録画ボタンを押して… 

波が押し寄せてくる

っておーい!! 

ザッパーン!

波が高く足首まで水びたしになり、置いておいたカバンもずぶ濡れになったが、元気に撮影をつづけることにする。 

こえーよ。
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ラストシーンの撮影開始! 

 いよいよ準備は整った。それでは改めて、ヘリコプターで逃げ去るシーンの撮影いってみよう。

それでは、よーい、スタート!

諸君、残念だったな!
また会おう!
ヌハハハ、ヌハッ…ハッ
って、ちょちょちょ、おい
操縦は慎重にって…
うわああああ
助けてー!!!
さらばだぁぁぁ…
………

はい、OK!!!!!!!!!

またヘリコプターの音を入れると臨場感もでるので、下記動画でご確認いただきたい。

 

結果、念願のヘリコプターで逃げ去るシーンの撮影は大成功となったのである。


日本映画界のみなさまへ

これまで実写でヘリコプターが出てくる映像作品といえば「ブラックホーク・ダウン」「超音速攻撃ヘリ エアーウルフ」「特攻野郎Aチーム」などなど枚挙に暇がないが、どれもこれも洋画ばかりで、邦画では「戦国自衛隊」ぐらいしか思いつかない。

原因はやはり、安全面とコストの問題であろう。

これではますます日本の、とくにアクション映画は衰退していく一方である。

しかし、今回私の作ったこの道具を使えば、安全に、わずか三千円弱という費用でヘリコプターを用いた作品と同等のシーンの撮影ができることが証明されたのである。

さあ日本の映画監督たちよ、この道具でアメリカ映画に対抗してみないか?!自己責任で!!

 

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