ヘリコプターを使わなければいい
ヘリコプターで逃げ去るシーンの撮影において、何が危険で、何にコストがかかるかと言えば、ヘリコプターにである。
だったら、はじめっからヘリコプターを使わなければいいのだ。
そこで考えたのがコチラ!
ごらんのように、てっぺんにおもちゃのヘリコプターを付けたトリックアート的なはしごを用いて撮影すれば、ヘリで逃げ去るようにみえるという寸法である。
ヘリで逃げ去るように見えるはしごの作り方
作りかたはこうだ。
白のテープを巻いた二本の棒の一方の幅が狭くなるように配置。
白いテープを巻いていない残りの棒を、はしごの持ち手の部分になるように、幅がだんだんせまくなるよう適当な長さに切ってくっつける。
つづいて、てっぺんのヘリコプター部分を作っていく。
できたものを自室のベランダから空にむかって持ち上げてみると…
なかなかいい感じである。
しかし、地上や低い建物は映らない方がそれらしく見えることもわかった。
ということで、地上が映らないようにもっと高いところに行ってみよう。
高いところで撮影する
高いところを探して、海沿いの展望台にやってきた。
展望台の手すりが映らぬようにカメラをセットし、作ったはしごを持ってみると…
今まさにヘリコプターから垂らされた縄ばしごにつかまり大空高く飛び立とうとしているシーンである。
まあ、怪盗だが西部警察だがキャラがよくわかないものの、間違いなくヘリで逃亡する悪党には見えるのである。
よーし、この調子でどんどんいってみよう!
別アングルからも撮影しよう
このはしごは、地上さえみえなければあらゆるアングルにも対応できそうだ。
とくに真下からのアングルでは完全に空しか映らないので、よりそれっぽく見える。
もっと広いところで撮影しよう
今度は正面から全身を入れたシーンを撮影してみたい。
しかし、展望台のうえは思いのほか狭く、全身を映そうとすると手すりが入ってしまう。
もっと広くて、全身を映せるようなところはないか?
と、展望台から眺めてみれば、真下に突堤と呼ばれる海に突き出す構造物があった。
この突堤の先に立ち沖合に向けてカメラを設置して撮影すれば、空しか映らず全身の画像が撮れるに違いない。
ということで移動する。
そして、突堤の先に到着。
録画ボタンを押して…
っておーい!!
波が高く足首まで水びたしになり、置いておいたカバンもずぶ濡れになったが、元気に撮影をつづけることにする。
ラストシーンの撮影開始!
いよいよ準備は整った。それでは改めて、ヘリコプターで逃げ去るシーンの撮影いってみよう。
それでは、よーい、スタート!
はい、OK!!!!!!!!!
またヘリコプターの音を入れると臨場感もでるので、下記動画でご確認いただきたい。
結果、念願のヘリコプターで逃げ去るシーンの撮影は大成功となったのである。
日本映画界のみなさまへ
これまで実写でヘリコプターが出てくる映像作品といえば「ブラックホーク・ダウン」「超音速攻撃ヘリ エアーウルフ」「特攻野郎Aチーム」などなど枚挙に暇がないが、どれもこれも洋画ばかりで、邦画では「戦国自衛隊」ぐらいしか思いつかない。
原因はやはり、安全面とコストの問題であろう。
これではますます日本の、とくにアクション映画は衰退していく一方である。
しかし、今回私の作ったこの道具を使えば、安全に、わずか三千円弱という費用でヘリコプターを用いた作品と同等のシーンの撮影ができることが証明されたのである。
さあ日本の映画監督たちよ、この道具でアメリカ映画に対抗してみないか?!自己責任で!!