つくば特集 2023年2月20日

俺たちのつくばに巨大書店「コーチャンフォー」が来た!

略して「コーチャンフォー」なのは、なぜか

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今日はよろしくお願いします。
このコーチャンフォー、つくばにできると聞いたとき、北海道の出身の知り合いが有りえないほど喜んでいたんですが、北海道ではどういう存在なんですか。
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それはありがとうございます。
北海道では6店舗を展開していて、テレビCMを打っていることもあり、おかげさまで道内認知度は97.8%をいただいています。

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すごい、まさに「知らぬ人はいない」存在なんですね。ところでなぜ北海道から僕たちのつくばに来てくださったんですか。
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9年前に東京の稲城市に関東1号店を出してご支持をいただき、さあ2号店を出すぞ、というときに稲城市と同じく育児世代の多いつくば市にご縁があって、こういう運びとなりました。
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コーチャンフォー、って不思議な語感ですよね。「Coach & four」をなぜ「コーチャンフォー」と表記しているんですか。
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ま、呼びやすいからです。
Coach & Fourという名前自体は、4頭立ての馬車という意味で、本だけではなく、文具や雑貨、DVDなどさまざまな商品を取り扱っていますよ、という意味があります。
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店内に飾られる4頭立て馬車の図。馬が大暴れしてますが平気ですか。
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 「本のチカラ」を、そのまま届ける

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ところで僕思ったんですが、このお店って表紙の「面陳列」をしている割合がすごく高いように感じるんですが、これはやはり意図されているものなんですか?
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その通りです。
本、という存在は装丁職人や印刷会社など、色々な人の想いがこもった存在であり、それ自体が強い力を持っていると考えています。
その力を届けるには、明るくて白い店内で、その表紙をお客様に見せることが最善だと思っています。
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たしかに、このガーデニングコーナーの表紙なんか、見ているだけで華やかな気持ちになりますもんね。
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広い庭の家を求めて住む人の多いつくばでは、ガーデンニングに絶大な人気がある
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 なぜ看板が無いのか?

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全体の雰囲気がすごく統一されていて、こだわりを感じました。外観なんかも独特だなー、と思うんですが、何かイメージはあるんですか。
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金属の装飾品であしらわれた独自の外観。ぱっと見では本屋には見えない

 

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よくそんなご意見をいただくんですが……(笑)、装飾は「城」をイメージしています。
看板を出していないのは、「本屋」「雑貨」と出すと、それだけを売っているお店のイメージが出てしまうからです。
僭越ですが、私たちは「文化」を取り扱っているという気持ちがあるので、看板はあえて出していません。
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すごく個性の強い建物ですよね。
正直、Amazonなどが台頭している時代に、自社物件で新規店舗を構えるのはリスクもあると思うんですが、どんな戦略があるんでしょうか。
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やはりテナントを借りると、どうしても利益を追わざるを得なくなるし、他のテナントに気を使ったりもして、理想の店づくりに限界が出ます。
自分たちの考える「書店のミッション」を追えなくなるのは避けたいですね。
なるべく多くの本をお客様にお見せし、思いもかけなかったような本に出会い、わくわくしてお客さんに買ってもらう。これは25年前のコーチャンフォー1号店から一貫しています。
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本をいくら買っても、親は怒らない

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児童書、に力を入れているように見えますが。
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子供が走り回る児童書コーナー。入り口すぐに絵本。次に低学年、さらに外側に高学年と、多層にわたる
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その通りです。
本、って、おじいちゃんやおばあちゃんがいくら買ってあげてあげても、親は絶対に怒らないんですよ(笑)
オモチャなんかを勝手に買うと怒られますが、絵本を買って怒られることはない。
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すごくわかります、それ!(小学生育児中)
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たしかに!(同じく小学生育児中)
子供のクリスマスプレゼントはここで買ったんですが、ここの物なら本も文具も何を欲しがっても大丈夫のような安心感がある。
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ありがとうございます。
そのように家族みんなで来て、みんなが笑顔で帰っていく体験を、長く楽しんでもらえる場になる、というのが目標と言えるでしょうか。他店さんよりも児童書の売り上げ比率はかなり多いです。
そうして、子供たちが未来の読者に育ってくれればと思います。
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 北海道名物の売れ行きは、正直どう……?

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北海道といえばこれ。「やきそば弁当」も各種類が面陳列。

 

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北海道の物産コーナー、と言ったらいいんでしょうか。あのコーナーの評判はいかがですか。
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「マルシェ」ですね。たいへん調子いいです。想定以上でした。茨城の方は食べ物へのこだわりがすごくある。

北海道の企業として北海道の食を振興することも使命だと感じているので、しっかり北海道に恩返しはできたかと思います。

なお北海道のマルシェでは成城石井さんのものを取り扱っています。
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あっ、だからつくばで成城石井の商品も並んでたんですね。
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これをきっかけに、今度は茨城名産の干し芋やレンコンなんかを北海道で売れたらいいなと思っています。こうして色々なところで恩返しをまたしていければと思います。
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最もハードな北海道土産「氷下魚(こまい)の干物」もある。本気。
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次に挑戦したいことは……

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今日はありがとうございました。
今後、お店としてはどんなことにチャレンジしていきたいですか。
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やはり実店舗に足を運ぶ楽しさ、という意味ではサイン会なんかも開いていきたいです。そして著者の方も元気になっていくような店にしたいですね。
そしてなるべく多くのお客様に、ページの紙質を味わいながら本に出会う楽しさを感じてほしいと思います。

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というわけで、コーチャンフォーを味わって知り尽くす充実の3時間が終わった。
本を選ぶこと、本に出会うことは、こんなにも嬉しい。その気持ちを大切にしたいからこそ、自社物件で巨大店舗を出すという、その心意気にすっかり胸を打たれてしまった。
気がつくと何時間でも本屋に居てしまった、という体験が大人も子供もみんながこれからもできるよう、心から応援していきたいと思う。

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そして本屋に何時間もいた結果、こういうことになる。
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