特集 2017年7月14日

夫が言った「料理のレシピを路線図にしてみたい」

そんな夫の願いが叶った図(こちらの記事</a>より)
そんな夫の願いが叶った図(こちらの記事より)
夫が言った「料理のレシピを路線図にしてみたい」。

さらに言う。

「銀行の統合を樹形図にしたい」
「電車の柄の鯉のぼりを作りたい」
「地下鉄の清掃マシンを思い出みたいな画像にしたい」

なにいってんだろううちの夫は。私だったらそう思ってしまうかもしれない。
しかしそうは思わないパターンがあった。
東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

前の記事:「ハーゲン」ではなく「ダッツ」がいけてる ~そうきたかという略し方

> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

料理のレシピが、本当に路線図になった

冒頭で紹介した“夫”は当サイトの人気ライターである西村まさゆきさん。そしてその記事のデザインの凝った画像の多くを実は奥さんである西村ゆきさんが製作しているのだ。

お話の前にまずは一気にその成果物の一部を見ていこう。
銀行の統合は本当に樹形図になった(こちらの記事</a>より)
銀行の統合は本当に樹形図になった(こちらの記事より)
地下鉄の柄の鯉のぼりが本当にできた(こちらの記事より)
地下鉄の柄の鯉のぼりが本当にできた(こちらの記事より)
福岡と東京のバス乗客の乗り方の違いがこんなにも明確に(こちらの記事</a>より
福岡と東京のバス乗客の乗り方の違いがこんなにも明確に(こちらの記事より)
地下鉄の清掃マシンも思い出みたいな画像になった(こちらの記事</a>より
地下鉄の清掃マシンも思い出みたいな画像になった(こちらの記事より)
ライター西村まさゆきは、いってみれば奥さんであるゆきさんを巻き込んだ編集プロダクション「西村プロ」みたいな部分があるのだ。

戦地で死んだときのために足のサイズを履歴書に書きました

というわけで、いつもありがとうございますとゆきさんにナボナを渡した
というわけで、いつもありがとうございますとゆきさんにナボナを渡した
赤いシャツのゆきさんと白いシャツの筆者。うっかり紅白歌合戦みたいな状態でお中元を手渡す。「盆と正月がいっぺんに来る」を体言した我々だが、それは置いておこう。
西村夫妻はナボナを食べたことないそうで喜んでくれました
西村夫妻はナボナを食べたことないそうで喜んでくれました
ゆきさんは美大出身で普段はテレビ局でWEBディレクターをしている。いろいろあって勤務会社自体は報道カメラマンの派遣会社なのだそうだ。

「最初の履歴書を書くときに足のサイズを書く欄があったんです。どうしてですか?って聞いたら『そりゃあ戦地で死んだときに身元確認するためだよ』って。そんな履歴書はじめて書きました」

……のんびり友人夫婦をたずねるような気持ちでふらりとうかがったらいきなり濃いエピソードトークがはじまった。

Web担当として入社したので以降異動で報道カメラマンになり足のサイズで身元確認されることなく、そうしてゆきさんは会社から帰るとまさゆきさんの仕事を手伝っている(今回どっちも「西村さん」なので以降は下のおなまえで呼んでいきますね)。

「木じゃ」の裏にある苦労

現在はディレクターだがかつては製作にも携わっていたそうで、なるほど画像製作などはお手のものだろう。しかし夫の仕事を、自分の仕事が終わったあと自宅で手伝うのは…………大丈夫なんだろうか。

実は仕事についてはまさゆきさんがライターになる前、編集プロダクションに勤めていたころから手伝ってきたのだそうだ。
そんなむかしから!(暑かったので店に移動しました)
そんなむかしから!(暑かったので店に移動しました)
なのでお話を聞いていると息をするようにごく普通のこととして手伝っているのが伝わってきた。

しかし最近になってこれまでで一番大変だった仕事があったという。今年のエイプリルフールだ。
つらかったのはこないだ銀行の統合のやつ。事情も聞かされず明日までなんだけどって。しかも3つも!
明日まで、っていうタイミングだったんですね!
なんとも説明しづらいのだが当サイトでは今年のエイプリルフールにライターが全員「木」の格好をして木になりきって記事を書くという謎企画を推し進めた。

まさゆきさんは木になって銀行の統合の歴史を語るという記事を書いたのだ。
「ごきげんいかがかな? 木じゃ」ではじまる強気の記事
「ごきげんいかがかな? 木じゃ」ではじまる強気の記事。そしてこの画像にふわふわ浮いている3つの木の画像がゆきさん作
もうちょっと早めに言ってくれればうれしいんですけど。ギリギリに思いついてるんですよね。
なんかご飯食べたあとすごいくつろいでテレビ見てるときに「そういえば」みたいな感じで切り出してくるんですよ。
「水曜日のダウンタウン」見終わったあとでなんで今いうの? って。
録画したやつな!
録画したやつなの?! それいつでも観られるやつですよね?! ちょっと!
そう、録画したやつなのに…。でもやんないと困るっていうので、やります。もっと良い木の形ないの?とか言うんですよ。3つあって、木の形を全部変えてよって。そこから素材を探して。めちゃめちゃ項目が多くて、指示書の殴り書きを確認しながらのの清書が大変でした。
しかしやりきった(メガバンク3行、本当にバックの木の絵が違う…!)
しかしやりきった(メガバンク3行、本当にバックの木の絵が違う…!)
徹夜…ですよね。
ほぼ。4時とか。で、寝て朝7時に子供学校に行かせて自分は会社に行きました。
怒ったりとかってあるんですか?
めっちゃ怒ります。指示があいまいだって。
あ、そういう怒り方なんですね! 「私をなんだとおもってるの!」みたいな怒りとはぜんぜん違いますね。怒るというよりも困る、だ。
どうなの、これどうなの? わかんないだけど、書けないんだけどって。普段は発注側の仕事をしているので、なるべく作る人にストレスかけないように指示は明確にとか思っているんですけど、ものすごいラフな指示がくるんですよ。ディレクターとして納期の考え方がゆるすぎるんじゃないかと。
頼まれた側にストレスかけないような明確な指示を…だいじ…。
怒ってもう画像作んねえよ、プンプン、みたいなことはないですね。仕事でやってるのに画像がないのは困るだろうなと。
その仕事がふざけた内容で。「木じゃ」って出てくるという。
指示では最後どうなるかまでは教えてもらってないんですよ。で、記事に画像がうまったのを公開されてから見て、あ、こういうことだったのかと。
徹夜してがんばって画像を仕上げて夫に渡して出社する。そうして会社で公開されているのを見たら夫が木になっているというなにがどうしたらそうなるのかという状況である。

しかし木が語るという謎記事にもかかわらずこの図がはんぱなさすぎて記事はツイッターで大いにバズった。

あのバズの裏に一家の徹夜があるのだ。

「はあ?」とは思わない

なんかこの仕事おかしいな? と思うことってないですか。たとえば…この画像も作ったのゆきさんですよね?
せっかくなので冒頭につづいてもう一度、銀座に浮かぶ清掃車掲載していいですか
せっかくなので冒頭につづいてもう一度、銀座に浮かぶ清掃車掲載していいですか
ああ…これは「清掃車を思い出っぽい画像にしたいんだけど」っていわれて、「なるほど、じゃあこうしようか」と。
「なるほど…じゃあ」って思うんですね?! 「はあ?」って思うんじゃないんですね!
思いついたアイディアについて「それは違うんじゃないか」と言ったことはたぶんなくて。作業者として発注者のアイディアに応えたいというのはあるんですよね…。
まじめだ!

しかしなんだろう、お話を聞いていると単純なまじめさや責任感というだけではない雰囲気がある。

夫婦で生活していると、仕事が変っただとか子供が生まれただとか、がらっとそれまでの生活スタイルが変るタイミングで夫婦間のパフォーマンスバランスがおかしくなることがある。

そういうアンバランスな時期をうまいことそれを乗り切きった、その先にある生活を共にする共同体である家族の日常を見る思いだ。

発注者のニーズにあわせた対応をしたまで

福岡と東京のバスの乗り方のも結構ちゃんとやりました。シルエットの素材からサラリーマンとか学生とかいろんなパターンのやつを配置して大きさをそろえて…バスは最初作ったら「こういうバスじゃない、路線バスだよ、これじゃ観光バスじゃん」っていわれて。
ハイデッカーじゃなくて路線バスにしてって言ったんだ。ドアがほら、前後にないと。
それでドアをもう一個付けて。発注者のニーズにあわせて対応させていただいております。
対応!
赤丸のバスの部分みてください! この対応!
夫が「ハイデッカーじゃなくて路線バスにしてよ」といって妻が対応する、そういうことで齟齬がない(指示があいまいだとコラ~と思うことはあるとしても)。

ああ、これが西村家なのだと思った。夫婦のどっちがどうとかじゃない、家だ。強靭な西村家力を感じる。

……。

ちょっと待て。

「木じゃ」だったり「清掃機を思い出っぽくしたい」だったり「ハイデッカーじゃなくて路線バスにして」の話題からなんで私はこんな夫婦というものについて考えさせられているのか。

画像製作のほかに、つらかったエピソードがあるというので聞いたらこちらもなかなかだった。次のページに続きます。
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ガス田に行く途中脱輪した

つらかったエピソード、ガス田に行く途中に田んぼのあぜみちで車が脱輪したのだという。画像製作の苦労話から一気に現場が田んぼになった。
手伝ってもらった企画で思い出したのが、茂原のガス田に行ったとき。
あれつらかった~~~! 1回行って、それで脱輪したんですよ。JAFを待ってものすごく時間がたっちゃって。雨も降ってガス田の写真も撮れなくて。それでもう1回行ったんですよ。あぜ道をマーチで走って。まだ小さかった子供を連れて。
決して責めるわけではないのが事実なので書くと、まさゆきさんは自動車の普通免許を持っていない。なので車で行く必要がある取材や搬入時はゆきさんが運転している。茂原のときも悪路をひやあせかいて運転したのはゆきさんだ。
でもドライブ楽しかったよな!
楽しかった…かな…。まあ脱輪なら…人の生き死ににかかわる事故じゃなくて良かったかな…。
西村さんが出演するイベント「国語辞典ナイト」は毎回たくさんの辞書がならぶのが名物になっているが、この大量の辞書もゆきさんが車を運転して運んでいる
まさゆきさんが出演するイベント「国語辞典ナイト」は毎回たくさんの所有の辞書がならぶのが名物になっているが、この大量の辞書もゆきさんが車を運転して運んでいる
辞書は赤帽などほかの解決策を模索した結果、自分が運ぶのを手伝うのが一番リーズナブルであるという結論に達しました。でも運転に自信がないので、事前にルートを確認したりなどして精神的プレッシャーが大きいです。
もう拝むしかない。ありがとうございます…!

接着剤は1日そこらじゃ乾かないよ?

さらにまさゆきさんは今後手伝ってもらう気まんまんの企画をさらにあたためているのだ。今回いい機会なのでゆきさんに対し前もってお願いすることにした。
でかい金印を作りたいんだいんだ。それは予告しとく!
金印、これ(こちらの記事</a>より)
金印、これ(こちらの記事より)
「俺…でかい金印をつくりたいんだ」

本稿のタイトルどおり、夫がこんなこと言い出すのが西村家である。

ここまでの流れでも感じたが、こう言われたとき一切ゆきさんは動じない。
スチパネ(発泡スチロールのパネル)で作る…? パネルを積んで圧着してけずって丸みを…。
でも(1m四方くらいの空間を手で描いて)これくらい大きいの作りたいんだけど。
……あほちゃう……。でもそれならやっぱりスチパネがいいよ、粘土とか考えないほうがいい。
テキトーにやったらできんじゃね? ではなく、製作を現実的に考えるゆきさん
テキトーにやったらできんじゃね? ではなく、製作を現実的に考えるゆきさん
等高線みたいにすればいいのか!
大学生のときに友達が2メートルくらいあるプレステのコントローラーを作りたいっていって、ずっと手伝ってたんです。スチパネを重ねて切り出して、やすって色塗って。ボタンは押せなかったんですが、できました。
めっちゃノウハウがある…! 美大では何を専攻されてたんですか?
私は映像科なんですが、学内の工房は使ってよかったんです。金属加工工房とかプラスチックの加工工房とか。
でかいプレステのコントローラーを作る、デイリーポータルZでも十分にやりそうなネタだ。まさゆきさんよりもむしろゆきさんのほうがそもそもデイリーポータルに近いタイプの人なのかもしれない。
金印、本当に押せるやつがいいの?
印面はスポンジで作れないかなーとおもって。それで水をふくませて道路にスタンプしたくて。ね! たのしそうでしょ!
スポンジで…いけんのかな…それ実験した?
してない!
スポンジはあんまりどうなんだろうって今思ったなあ。やってみないとわからないけど。スカスカのスポンジじゃなくて、スコッチブライトみたいな…水を含ませるとじゅっとなるああいうやつだったらいけるかも?
あ~っ。なるほど、普通のスポンジだと水をつけて押すあいだにぼたぼた水がたれちゃうのか。
あと、1週間じゃできないんじゃないかな。接着剤が乾くのって時間がかかるから。
あうわ~~~っ!「接着剤が乾く時間」それ絶対考慮しないやつだ。簡単にできるだろうと思ってできない歴史なんですよ、デイリーポータルの歴史は。
ゆきさんのほうがデイリーポータルに近いかもしれないなどと言ったが、こんなちゃんとした人、当サイトにはいない。

とんでもないブレーンである。

確定申告のやり方を忘れちゃう

ブレーンついでに言うと、まさゆきさんは社会科は異常に得意だが算数が苦手である。計算ができないので確定申告もゆきさんにやってもらっているという噂は関係者内では有名だ。
あ、でも2年前から1人でやってもらってます。それまでは手伝ってたんですけど。
だってわかんないんだもん。あれわかります?! むつかしすぎませんか?!
私わりと大丈夫です。せっかちなんでフリーのライターだった頃は初日に提出してました。
私もテレビ局のアルバイトだった頃があって確定申告が必要だったのでやってました。それで、ここまでは経費だよ、これは按分されるよ、とか教えて。締め切りの3日前くらいにならないとはじめないんですよ。で、去年のことを思い出してやってみなって言うんですが忘れちゃう。
手順を覚えてその通りにやるのが苦手なんですよ。勝手にはしょったりしちゃう。
わかりやすくダメだ。

でも、ふとこのとき思ったのだ。確定申告でいいなら私も夫の、ちょっと手伝いたいなあと。得意なことは手伝える。

夫婦はそれぞれの夫婦ごとに絶妙なバランス感覚でやっているものだろう。なにができてなにができないか、どんな作業はストレスでどんな作業は楽か。人によって違うそのバランスをパズルみたいに組み合わせていくのだ。

やばい…!私…人口で町の大きさをはかるようになってる…!

算数は苦手だが社会科は大好きなのがまさゆきさんだ。ここいらで少しはいいところも紹介したい。

社会科で勉強するようなこと、地図、地形、地域の主要な産業、人口、歴史などなど得意分野がたくさんある。そういう部分でゆきさんをケアするようなことがあるんじゃないか。

たとえば県境ファンとしても有名だ。ゆきさんは県境とか好きですか?
なお県境の画像については全部まさゆきさんが自作している(こちらの記事</a>より)
なお県境の画像については全部まさゆきさんが自作している(こちらの記事より)
めちゃめちゃ興味あるよな? ものすごい興味あるよな?
地図とか歴史とか…興味ある分野が違うんですよね…。
おもしろいじゃんねえ?
おもしろいは面白いんですけど、そこにロマンとか感じなくて。社会科だめな人と社会科大好きな人なんです。
補完関係……ってことになりますかね…!
どこか行くとすぐに人口の話になるんですよ。「ここは人口○万人だな」とか言ってから検索して「ほら! ほらみろ!○万人だったろ!」とか。
でもこないだ滋賀の出身の人が会社にいて。大津が県庁所在地だって聞いて、へー人口何万人だろうって検索しちゃってたんですよ。「やばい…!私…人口で町の大きさをはかるようになってる…!」って。
完全に毒されてる!
ハッ!って思いました。手がつい「大津市 人口」って入力してたんです。
大津って人口何万人だっけ?
34万。
人口の話でまさゆきさんとここまでツーカーなのは、あとはうちの編集長の林くらいである。
人口ってGoogleですぐ出てくるからな。ちなみに死んだ日も出てくるから。「織田信長 死んだ日」って1582年6月21日ってすぐ出てくるから。
すみません、そこまでは聞いてません。

カツカレーのほうが喜べる

ちなみにゆきさんは製作者としてだけでなく登場人物としても過去何度か記事に登場してくれている。強烈な記事なので覚えている方も多いかもしれない。
なんといってもこれ(こちらの記事</a>より)
なんといってもこれ(こちらの記事より)
結婚してすぐに撮らなかった結婚写真を当日まで妻には内緒でいま撮ろう、しかも企画記事で! という読むと泣けるが心中やいかにという記事であった。
これはさすがに…怒りませんでしたか。
やられたーと思いましたが、こういう仕事している旦那をもつ嫁の宿命かと思い、切り替えて楽しみました。記事にあるように知ってたら前の日徹夜などせず寝てコンディションを整えたかった…。
そうなのだ、これ、前日ゆきさんは徹夜で、しかも撮影後すぐPTAの会合に出席しているのである。それにしても「切り替えて楽しむ」、「コンディションを整えたかった」。アスリートみたいなコメントが出た。
まあでも実家の親や祖母がよろこんでくれたのでよかったです。
おばあちゃん、いま100歳なんですよ。
結婚したときからおばあちゃんには写真だけはと言われてたので。よかった。
こちらはまさゆきさんがスリーピースでビシッときめてバラの花束をゆきさんに渡すという状況だが、企画としては「3500円のカツカレーを食べに行く」というものなのだ。

何がなにやらである。
そもそもの記事のテーマは時事ネタだった3500円のカツカレー
そもそもの記事のテーマは時事ネタだった3500円のカツカレー
詳しくは記事をごらんいただきたいが、カツカレーを食べた後、何か別にまた3500円を使ってみようということになりバラの花束を買うという内容だったのだ。
花束だけもらったときはうれしかったです。記事をみたら、わたしも花束じゃなくてカツカレーのほうが喜べると思いました。
ですよね~!!笑!
最初から聞いてたらカツカレー食べたかったです。3500円のカツカレー私も食べたいと思いました。
インタビュー時のメモにも書いてあったが、テープ越こしをしたらここ、やはり本当に「カツカレー食べたかったです」「カツカレー私も食べたいと思いました」と2回言ってられました。カツカレー、ですよね~!!

とっぴだがそれが暮らしで日常である

企画なのでとっぴなことをしているのだが、話を聞いているとすべてが日常の暮らしと一緒に起きたことなのがわかる。

企画で秘密で結婚写真を撮ろうということになる、撮影のあと、なにって息子の太郎君がバレないように黙っていられたことにゆきさんは驚いたと言っていた。そしてその写真を観たおばあちゃんが喜んだ。

起きたことが生活そのものである。待ち合わせてガス田に行くんじゃない、朝起きておはようと言ってそのまま車に乗り込むのだ。
インタビューの途中で家の鍵を取りに来た太郎くん、結婚写真のときは低学年だったがいまや6年生
インタビューの途中で家の鍵を取りに来た太郎くん、結婚写真のときは低学年だったがいまや6年生
ダンナがビシッときめて急に高額な花束を渡してきた、まあ嬉しいけどカツカレーのほうを食べたかった。とくべつな日のようでやはりできごとは家族の日常の延長線上にある(このときの記事のタイトル自体がまさに「なんでもない日常を、カツカレー代3500円分で祝う」!)。

家族の数だけ日常がある。夫がたまに急に言い出す変った画像製作のオーダーも、でかい金印づくりも、撮影のドッキリも家族に起これば非日常ではないこれからも続く日常の一部なのだ。

平たくまとめるのは恐縮するが、なんとなくぼんやりそう思った。

裸祭りで地元じゃ有名

サイト編集部の橋田からもゆきさんへの質問をあずかっていた。

ゆきさんの地元である青森の五所川原市での大晦日のお祭りにまさゆきさんが毎年参加していることについてどう思いますか? と。

極寒のなか裸になってお供え物を地元の神社に奉納するいわゆる裸祭りである(数年前にレポート記事にもしているが、以降も普通に毎年参加しているらしい)。

「近所では『東京からきたゆきちゃんの旦那』として知れ渡っています。一人で行動していても顔さされます」とゆきさん。

いいんだろうかそれは…と思ったが「なじんでいてうれしいです」ということだった。
なじみまくっている
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