
林です。
面白がらせる、をテーマに語る連載第6回です。
面白がってもらえるものはどうやって見つけるのか、どうやってプレゼンしたらいいのか。そういうテーマですが、ちょっときれいに書きすぎではないか、そんな思いがもやもやと湧いてきました。
前半はそんな思いがにじみ出ています。ではどうぞ。

あえて違う人の視点から見てみる
前回から、それほど面白くないものをどうやって面白がらせるかというゾーンに突入しています。
それほど面白くないもの、という言い方は語弊がありますね。「自分だけが面白いもの」です。
語弊ついでに言ってしまえば城だって鉄道だって、自分だけが面白いものです。でもそれをうまいことプレゼンすることによって、興味のない人にも「おおそうか、面白いのかも」と思ってもらえる。
いまはネットがあるので、あまり説明せずとも同好の士が見つかったりしますが、デイリーポータルZはメジャー指向なので(これは本当)、「おれたちだけが分かる良さだよね、うふふ…」というのは認めません。そういうことをしているとテレビに変人枠で出されて消費されてしまいます。
もっと誰でも分かる面白さを目指します。ライバルはコカコーラと大谷翔平!!(こういうときにジャンルの違うものを例にあげると野望が大きく見えます。間違ってもほぼ日とか言ってはいけません)
どうせホームラン狙ってもシングルヒットなんだから最初からシングルヒット狙ってどうする、って昔リリーフランキーが深夜のロフトプラスワンで言ってました。俳優になる前の。
そのプレゼンの方法として、あえて違う人の視点から見てみるというのが今回のテーマです。
その前に余計なことを書いていいですか。
方法は助走
この連載では面白いって言ってもらう方法を整理してます。じゃあお前はこの方法で考えているのか、と言われたら、はい、考えています。ただし最初の1時間だけ、です。
企画を考えるときは机に向かって考えます。考えるぞ、と思って考えます。アイディアは降りてくることはないので時間をとって考えます。アイディアが降りてくることはあるかもしれないけど、それは1時間ひねり出したあとに降りてきます。
あまり企画が面白くない同僚(デイリーの編集部以外の人です)が「アイディアが降りてくるのを待ってるんだ」と言ってて納得したことがあります。これはただの悪口ですね。
企画を考えるときに、白紙から考えるのは手がかりがなさ過ぎるので、この連載で説明しているように10年ぐらい前に流行ったものとか、デザインのありがちパターンから考えます。広告記事の場合はテーマがあるので、そのテーマと関係のない単語をくっつけてみるとか、そういう順番で考えます。
そうしてA4の紙にメモをたくさん書いたり、複数人でブレストする場合はホワイトボードにみっちり書きます。アイディアがさらさら~って出てくるなんてはなく、本当に頭を抱えたり、手を洗ったり歩き回ったりと不審です。

ホワイトボード2枚目になると方法とかどうでもよくなって「カマキリに挨拶するか」とか「マッカーサーの服装で法事する」「腕毛スターウォーズ」とか口からでまかせを言うようになります。これが降りてくるってことかもしれません。

それが、それまでの順序立てて考えた企画の方法が生きているのかは微妙です。いや、ちょっとは生きてる気がします。意外な組み合わせとか、「あーそういえば」の要素は残ってるので。
根性みたいなことを書いてとても恥ずかしいのですが、アイディアを考えるというのはそのモードに入ってからが本番だと思っています。
そのモードに入るための助走として、この連載で説明している方法は有効です。サッカーを始める前の準備運動みたいなものです。あの太ももをあげて走るみたいなものです。サッカー未経験なので手探りで書いてます。
準備運動で基本動作を脳にしみこませてアイディア脳にします。ふだんの常識的な脳を殺すための時間といってもいいでしょう。そいつが生きてると「そんなの意味ない」「やらなくていい」とかろくなことを言いませんから。
そんな常識脳を一時停止させるための今回の方法です。
違う人の視点から見てみる
以前、掛川に祭りの時期に行ったら店舗に矢みたいな飾りが貼ってありました。地元の人に聞くと、ずっとあるので気にしてなかったとのこと。練馬区民は学校で「練馬の子ら」という文集を配られていたせいで、「子ら」という独特の言い方が普通だと思っています。練馬区民にとってコラはコラージュじゃなくて子らです。

よその町に行くと細かな違いは見つかるのですが、地元では見つけることができません。だってそれが見慣れた景色であたりまえだから。
そのためには外からやってきた人の視点になれればいいのですが、記憶を失わない限りなかなか難しい。そこでデイリーポータルZの過去記事から2つの方法を説明します。
まずひとつは外国人観光客です。いま日本は観光客だらけなので、彼らの行動から身近な変さに気づくことができます。
外国人向けの日本ガイドを見ていたら(ネタ探しのために定期的に見てます)、椎名町が登場していました。椎名町のニュアンスを説明するのが難しいのですが、池袋から西武線で一駅目のなんてことはない町です。親戚のおばあちゃんが住んでいるような町です。
その椎名町がフォトスポットになっていました。山手通りから駅前の店を見下ろすことができて、そのジオラマ的な景色が外国人観光客には面白いらしいです。ちなみに新宿駅南口も繁華街を俯瞰できるので観光客が写真をよく撮っています。
俯瞰するとネオンがあるのにリアリティがなくて面白いんですよね。水平に見ると「焼鳥食べたい」とか考えてしまうのですが、俯瞰するとそれが消える。
こうして外からの視点を得ることができました。
ちなみに外国人向けのフォトスポット情報には都立家政の商店街もよく登場します。西武線は外国人向けに映える景色を推したほうが良いと思います。
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