デジタルリマスター 2024年2月17日

アイスの当たりくじ、「アタ…」に油断するな (デジタルリマスター)

アイスの「当たり」棒なんて、もう季節外れな話かもしれない。でも今だからこそ、言わせて欲しい。

当たりくじ付きアイスを食べ進むうち、「ア、タ…」という焼印が出現、そこで手放しに喜んじゃあ、いないでしょうか?

絶対に気をゆるめてはいけない。なぜならこんな危険が隠れているかもしれないからだ。

来年のアイスライフに向け、警鐘をならすものである。

2010年9月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

前の記事:チョコベビーで作る『チョコアダルト』 (デジタルリマスター)

> 個人サイト 妄想工作所

あの小さな木片にこんなに手こずるなんて

「警鐘を鳴らす」などと力んでみたが、具体的に何をするかというと、「アイスの棒にさまざまな“警鐘焼印”を入れる」というだけである。どんな警鐘かは、最後のページで明かされる予定だ。

焼印を入れる「だけ」?果たして、そうだろうか。あの「アタリ」という焼き印、どう素人が入れられるというのか。

まずは、テスト用の棒を用意したい。あ、それには一本食べないとですね、調達できないわけですよ。もぐもぐ。

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当たりくじ付きでないものを選んだ。ここで当たり出ちゃったら、目的を見失いそうで、えへへ。

うまかった。さあ、で、どうする。

焼印用の金属ゴテなんか作れるわけないから、代わりの方法を試してみたい。アルミテープを貼って、バーナーで焼いてみるのはどうか。うまく行きそうじゃないか?

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台所の流し台の隙間に貼ったりするアイツです。
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文字通り「アタリ」をつけて、と。
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刃先ボロボロを覚悟で、文字の部分を切り抜き。
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初めて使う、バーナー氏登場。

テープにすることで、文字を切り抜いたときにもアルミが棒からはがれなくて済む!頭イイ!なんて思っていたのだが。

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ゴーーー。腰、引け気味真っ最中である。
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お、焼かれたっぽいではないか!
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どいーん。

何なんだ。全部焼けてるじゃないか。

準備しているときから薄々感じてはいたが、アルミを通して熱が全体に伝導してしまい、このように焼かれてしまうのだった。何とかなるかなーと思っていたけど、何とかならないもんだな、あはは。

もしかしてバーナーでは火力が強すぎる、とか?ではおなじみのチャッカマン氏ではどうだろう。

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そういえば100円ライターは来年姿を消すんですってね。
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なんて雑談してたら、「すす」で黒くなった。そのココロは「離し(話し)過ぎ」。こらダメだ。
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もっと近づけてやってみる。
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文字は出たが、ねばねばが気になるぞ。

このねばねばは、テープに塗られた接着剤が溶けたものだろう。お湯で洗ってもとれない。しかも文字も結局はすすみたいなもんだから、薄くなってきやがった。

接着剤、これは痛い。もっとこう、ペリッと取れたりするのを軽く想像していたから、予想外の障害だ。これ、最終的にはアイスに突っ込んで食べてみる、という企画だから、こういうデンジャラスなものがくっ付いていてはならないのだ。

テープは止めだ。600円以上したけど、止めだ止めだ。

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なんとまだ続く

では接着剤を使わない方法で行おう。すなわち、ただのアルミホイルで覆うのだ。だがそれをまたバーナーなどであぶると進歩がない。電化してみよう。

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若干不安はある。
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なぜなら「タ」の中央の部分など、周囲を切り抜いてしまう部分はどうするかって話だ。
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そこで、そういう部分が下に落ちない、水平に焼けるトースターが役に立ってくるわけだ。

180度で10分、それでも足りず220度で10分、もう一回10分、など恐る恐る焼いていた。アイスの棒なんかで火を出したくないからさ。

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そしたらぜんぜん焼けないんだな。もう待てん。
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あえて避けていたハンダゴテを投入。

もう仕方がない、ふだん電子工作などに使っているハンダゴテを使おう。自分の力の入れ加減で焼け具合が変わってしまうかもしれないので、遠ざけていたのだ。

そしてもうひとつ。普段はこの先っちょでハンダを溶かしたりしている。そんなもんでアイスの棒を焼くなんて、デンジャラスもいいとこではないか。しかし今までの失敗から、こういうことが言える。

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先っちょをアルミホイルで巻けばいい。
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それでも難なく焼ける。最初っからこうすりゃ、良かった。
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だがホイルの抜き型に頼りきってなぞっていたら、やっぱりその下も焼けてしまうわけである。学習しないヤツ。

かくして、ついにアルミホイルも脱ぎ捨てるということに相成った。まわりまわって、結局は自分の腕一本で勝負である。

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なんとまだ焼いてる

やっと本番の棒に焼き付ける段階となった。が、ここにも不確定要素がある。

最終的に、また元のアイスに棒を戻して、用例を寸劇で見せたい。そのためには、なるべくアイスは無傷のまま棒を取り出したい、しかしうまくアイスから棒を引っこ抜けるのかどうか。アイス居合抜きである。居アイス抜きとでも言おうか。いやどっちでもいいが、アイスの棒の世界には未知の部分がまだまだあるのだ。

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ここで登場するのが、当たり付きでおなじみのコレ。
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まず、包丁でこわごわ縦に割ってみる。
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崩れるけど、取り出せはする。しかしなるべく原型をとどめる方法はないものか。

魚をさばくように、アイスを。ガリガリ君を。3枚に下ろす。

ここで崩れたとしても、押し固めて復元すればいいか、なんて思っていたが、ふと思い立って力ずくで引っこ抜いてみた。崩すのが怖くてやらなかった方法だ。

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もう、簡~単。

まず棒を少しづつキュキュキュキュねじり、だましだましゆっくりやってみたら、簡単に抜けた。そのうち、えいっとまっすぐ引くことでもっと簡単に抜けるように。アイス居合抜き、いや居アイス抜きの免許皆伝である。今、アイスの棒を抜かんと欲すれば乙幡より他に頼む者はあらず。

そうやって確保した棒たちを乾かし、やっと本番の焼付けへと進むのだった。

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ペン(ハンダゴテ)を立て気味に持ち、ゆっくりと、絵手紙を描くように。
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書き取り帳のように、最初点線でだいたいの位置を記す。鉛筆で下書きするわけにもいかないからな。
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「ア、タ、…」次はなんとする?ところでコレ、真似して違法にアイスをせしめないようにネ♪
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描き終わり、元のおうちへ帰される棒たち。

こうして、「アタ」と見るや諸兄においてはうっかり「当たり」を確信しがちな昨今であるが、次のようなケースもないことはないと思わずにはいられないので、よく覚えて帰って欲しい。

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○○拳、もしくはどっかに足の小指ぶつけた感じ

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おっ!
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おほ!これは!
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やったー当たり…ん?何か違う。
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アタタ?安達太良(アダタラ山)?
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「アタタタタタタ」、かー…。
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江戸っ子アイス

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やった、当たりだ!
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「当たり棒?」
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あたぼうよ!って何がだ。
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受験用の知識でしかないのだが

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やった、当たりだ!
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え、無し?
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キリスト教の一派かー。

ロックなアイス

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やった、当たりだ!
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値?!
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あんた、あたいの何なのさ。

朗々と読み上げたい

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やった、当たりだ!
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アタ、アタッカーYOU?
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勧進帳、ですかな。

むしろ貴重

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やった、当たりだ!
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急にQ数落ちた!
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「与えられた数より小さい素数の個数について」。ドイツの数学者・リーマンが1859年に発表した論文のタイトルである。後世に多大な影響を及ぼしたという。

見なくなって久しい

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やった、当たりだ!
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と思ったらアダチ、さあどのアダチだ。ミツルかユミってとこだろう。
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ユミ、想定内ではある。
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と思ったら母だったでござる。
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いきなり場所は変わって、「あぢー、あぢー」
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こういうときは、アイスをだな。
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当たりくじ付きではあるが、もう大人なので特に気にかけずにいただくわけだな。
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…などと無心に食べ進めば、「アタ」(当たり)の文字。
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うーん、もう一本。イヤッホウ!
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もう知らない人のほうが多いんじゃないか。
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「------」終了音。

このように、少しくらい焼印が見えたからといって、油断してはならないのだ。すっかり頭の温まってしまったこの季節、くじ付きアイスにはことさらに注意深く臨んで欲しい。

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それにしても本当の当たりが1個も出なかったのだ。

最後は一人寸劇になってしまった。他の人に食べさせて様子を伺うこともしたかったような気もするが、全文出現したあとの場の空気を想像して戦慄した。でもコテでアイスの棒に字を書くのは楽しかったので、またやってみた現代の木簡感覚である。次はやっぱり般若心経あたりだろうか。

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