ネコの話をする
去年、ネコがうちにやってきた。
生まれて数ヶ月の子が２匹。初めてのことで緊張していたが、ありがたいことにどちらも元気でみるみるうちに大きくなった。
１年ほど一緒に暮らしてそれぞれの性格もはっきり分かってきたし、ネコもヒト一人一人を認識しているのが分かる。
ずっとこちらを凝視するので、近づいて撫でてみると「ワナナナ！」と喜んで床を転げ回ったりする。
冬は布団の中に入ってきた。夜中ふと起きたら２匹が脇腹のところにギュウギュウになって真顔でこちらを見ていた。こんなマンガみたいなことあるんだと感動してしまった。
かと思えばイメージ通りいかないこともある。すごく毛が抜ける。いや、抜けるとは思っていたのだ。しかしその覚悟を越す勢いで毛が抜ける。成長期だからだろうか。
日向でゴロゴロしているネコがかわいいと思って撫でるとすごい量の毛が宙に舞う。ニュースで見る竜巻の映像みたいなものが目の前に現れる。ネコを見て緩みきった僕の顔面の筋肉が一瞬で強張り、目を細めて息を止める。ネコは気持ち良さそうだ。ゴロゴロ言っている。かわいい。息ができない。撫でる手が汗ばむ。しかしネコはかわいい。
ここにネコとヒトの、如何ともしがたい溝があった。掃除をするしかない。
コツの要るクリーナーだった
ブラッシングで抜け毛を減らすことはできるが限度もある。抜けた毛を地道に掃除することにエネルギーを注いだ。
粘着テープのクリーナー。実はこちら、最近買ったもので以前はテープの切り取り線が一直線のものを使っていた。
長いこと一直線のテープを使っており、使ううちにコツを会得した。コツが分かると楽しいだのが、妻と子どもは会得がまだなので苦労しているようだった。
妻が「斜めカットのやつがおすすめだよ」と言ってくれるのだけど僕は「いつも買うお店にないんだよねー」とはぐらかしていた（買う担当は僕）。いつもの行動を変えるってエネルギーが要るのだ。
でも取っても取ってもたまる毛と、まだらのクリーナーを見て決心した。使いやすいやつを買おう。
皆が掃除するようになった
妻も子どもも喜んで使ってくれた。今まで爪でカリカリやって破りながら少しずつ剥いていたものが、一発でスルスル剥がれて爽快だった。コツなんかもうどうだっていい。
「ペットの毛が取れる」という粘着テープだけど、もちろん埃や髪の毛もよく取れる。色が緑色で、白い毛も黒い毛も取れているのがよく見えて達成感がある。
こうして粘着クリーナーで掃除をするヒトがほぼ１人から、３人になった。誰かが気づいたら、そのヒトが即掃除してくれる。家がきれいだ。そんな気がする。埃っぽさが減った。
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