踏めなかったレゴ
長い面を下にして立てたレゴ、あれを踏んだ痛みを今回のマックスにしたい。
だからこれは踏めなかった。
レゴを踏むと痛い。いや、「踏むと痛いものと言えばレゴ」と言ってもいいぐらい象徴的なアクシデントになっている。
あまりに象徴的で具体的なことを知らない。どのブロックが一番痛いのだろうか。
レゴ、踏み比べだ!
そうだ、この感じ。すごく嫌な痛みだ。膝がガクッと抜けて「イィィ〜」と声が出た。
急いで足を振ってブロックを離した。
突然異物が体にめり込み、去った後も輪郭が残った。ポップコーンの弾けなかった豆をうっかり噛んじゃった感覚に近い。わざとやってもちゃんと嫌な感じがしておもしろい。
この後ゆっくりじわっと踏んでみたが痛みは全くなく、気持ちいいぐらいだった。踏む勢いで感じ方が変わるみたいだ。
今回は自然に歩くように努めたが、それでも意識できない部分で遠慮があったかもしれないし、心の準備もできたので痛みもこの程度で済んだ。
本当にバタバタ歩いてうっかり踏んだ時の痛みはこんなものではないだろう。
「痛みの原因が2倍になった」と感じた。さっきはブロックの細い辺が足に刺さってきて痛かったのだけど、今回は縦の辺も横の辺も刺さってくる。
踏んで痛いのは2マス以下なのだ。早速どうでもいい発見があった。
痛みより気持ち良さが勝った。「面」で押されている感じ。3マスでも同じだった。
痛いのは2マスから、踏んで痛いレゴは2マスからだ。
踏んだ瞬間、痛みはさておき「刺さったかどうか」を心配してしまう、そういう種類の嫌な感情が通り抜けた。
紙で指をシャッとやってしまって「切ったかどうか」を心配する、あの感情である。つまりすごく嫌だ。
単純に痛みだけで比べるなら2マスのよりマイルドかもしれない。
ここまでで基本的な3種類のブロックを踏み比べた。しかし床に散らばったレゴは必ずしもきれいに寝ているわけではない。
息がヒュッとなりその場でうずくまった。今までのがアマチュアのパンチでこれがプロのパンチ。それくらいはっきり違いが分かる。
高さが出て深く刺さるようになったからだと思う。幅は1マス分しかなくなったが、深く刺さるので何マスであろうと関係なく痛い。
2分ぐらいずっと痛くて呆然としていた。
痛い順に並べるとこのようになる。
立ったレゴの踏み比べもできそうだが、あまりに痛いのでやりたくない。立ったレゴと2マスには気をつけよう。それが分かった。
長い面を下にして立てたレゴ、あれを踏んだ痛みを今回のマックスにしたい。
だからこれは踏めなかった。
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