トル―という男
デイリーポータルZにはイラストやマンガ、そして文章を書く「トル―」という男がいる。
本名は北村真一という名前だが、北村ヂンさんと名前が被るため「目立たないのでは?」ということで2016年11月にトルーに改名した。
本人希望は真一の「真」にちなんで「トゥルー」だったが、小さいウは発音しづらいという理由でトルーになった。飲み会の席で決まったことである。大人たちの悪いところだぞ。
事情を知らない他のライターたちは、ライターページの北村真一からトルーへと名前が変わるのを見て戸惑ったのを覚えている。
そして、千葉県にトル―という喫茶店がある。トルーがトル―に行ったらおもしろいかもしれないと思ったので誘って行くことにした。
喫茶店のトル―があるのは千葉県木更津市だ。イオンタウン木更津朝日内と、駅から離れた文京店がある。今回は文京店に行こう。
木更津駅から歩いてトルーへ
午前11時に千葉県の木更津駅に集合した。天気は雨で真冬並みの寒さになるという。駅構内も少し寒い。そんな中、トルーさんが現れた。
木更津に来たのははじめてのトルーさん。
トルー:でも、焼津には友人がいて行ったことがありますよ。
江ノ島:漁港で有名な。
という会話をしたが、あとで調べたら全然、漁港で有名じゃなかった。有名なのは静岡県の焼津だった。名前が似ているから。
江ノ島:ちなみにトルーという喫茶店があるのを知ってました?
トルー:前に調べたときに「千葉にあるなー」とは思っていました。ちょっと気になってはいましたけど、記事になるかわからないからそのまま放置してました。
江ノ島:今回、行くわけですけど、気持ちはどうですか?
トルー:ついにかという感じです。
私自身は木更津には千葉のローカル弁当を求めて来たことがある。周辺にはトルーさんよりも詳しい。
江ノ島:この近くに休める商業施設があるんですよ。ちょっと行きませんか?
スパークルシティ木更津という複合商業施設がある。2015年誕生した施設で、上階には市役所が入っている。
ここの商業施設はドラマのロケ地にも使われており、芸能人のサインが飾ってあるのだ。それを見に行こうと思う。
江ノ島:トルーさんってドラマとか見ます?
トルー:あんまり見てないですね。でも、今ブラッシュアップライフ(バカリズム脚本のドラマ。かなり面白いらしい)は見てます。
江ノ島:あれ、面白いらしいから見たいんですよ。Huluであるらしいですけど、それのために登録するのは面倒なんですよね。DVD出てほしいな。
トルー:見たほうがいいですよ。
江ノ島:見るかー。
芸能人のサインを見たあと、トルーへと向かうことにした。雨はまだ降っているが、「でも、まあこれぐらいの雨なら」と言って傘をささずに歩き出したトルーさん。強いなと思った。
歩いているとトルーさんが「そこから出そうですね」と指を差す。見ると、居酒屋があった。
江ノ島:トルーさんってお酒を飲むんですか?
トルー:飲みますよ。家で飲んだりしますね。居酒屋で1人で飲んだりもしたい。
江ノ島:トルーさんって地方に行ったりしないじゃないですか。どこか行きたい場所ってあります?
トルー:あーあんまりないかもしれない。居酒屋に1人で行きたいぐらいですかね。
そんな中、雨が強くなってきて、さすがにさそうと言う話になった。
トルーさんのデイリー加入について聞いた。
江ノ島:トルーさんってデイリーで書き出したの2015年ぐらいからじゃないですか。その前にデイリーで開催されたライター講座に参加されていて
トルー:なつかしいですね
江ノ島:なんでライター講座を受けたのかなって
トルー:もともと、デイリーを読んでいたんですよ。そこで「みんなで家を作る」という記事があって、それを見たとき、みんなで楽しいことをするのっていいなって。そこに参加できたらと思って応募しました。
江ノ島:講座でどんなことをしていたかって覚えてます?
トルー:ネタを相談して、それをもとに外に撮影して書くというのをしましたね。それで最初に書いたのが「公園の遊具を磨く」という記事でした。
江ノ島:なんか覚えてる! なんかすごいことをしてるなと思いましたもん。この記事を読んで度胸のある天才がやってきたなと思った記憶があります。
トルー、トルーへ到着
そんな話をしていたら、目的地であるトルーへと到着した。
こちらの店名「トルー」の由来をオーナーの人が教えてくれた。
――トルーの由来ってなんですか?
まごころという意味の英語「トゥルー」から取りました。日本人は「トゥルー」を「トルー」と言うじゃない。なのでトルーという店名にしました。
まごころを込めた接客はもちろん、ごはんもまごころを込めてクセになる味に仕上げてます。
お客さんとよく喋っちゃうので、お客さんからは「あそこ、一言多いけど印象に残るよね」なんて言われたりして、それもまごころがあってのサービスなんです。
――どのぐらいやられているんですか?
今48年目です。ここの場所では44年ほどやってますけど、スタートは木更津駅の東口で開店したんですけど移転して今のお店になりました。
話を聞いていると横から常連客の方が「雰囲気もレトロだけど、人間もレトロだからね!」と言って笑い合っていた。お客さん、店員さんともにいい関係で地元の人に愛されるすてきなお店だと感じた。ゆったりして過ごしやすいなと感じたのだが、それはここにいる人たち全員がこのお店を愛しているからだろうな。
トルーで注文しよう
ボックス席へと通される。軽食からがっつりとしたごはん、こだわりのコーヒーも置いてある。
どれを頼んでもおいしそうだ。一度、メニュー表を持って帰って社内で検討させてください。
自分のペンネームの名前がついたステーキ。いいなステーキ。自分も食べたいが、おすすめのハンバーグもおいしそうなので、トルーさんはトルーステーキ、自分はハンバーグステーキを頼んだ。
また、コーンポタージュもセットで頼めるので頼んだ。だって、コーンポタージュを飲みたいから。
ほめられた記事と自分の好きな記事
そうだ、今回、トル―ファンのライター爲房さんと北向さんからも聞きたいことや伝えたいことを聞いてきた。
江ノ島:まずは北向さんから「自分の書いた記事の中で褒められて、印象的だった記事はありますか?」
トル―:褒められた記事か……。よく言われるのは集合写真の記事ですかね。「集合写真らしさをずらしていくと途中にヤバい写真が現れる」です。
江ノ島:めっちゃくちゃ早く撮影が終わったやつ。
トル―:15分ぐらいで終わりましたよね。よく、おもしろいとか写真がいいとか言われます。
江ノ島:ちなみに今まで自分の中で一番印象に残っている記事ってあります?
トルー:「顔のパネルを景色に添えると顔はめパネルの逆のやつ」はすごい覚えてます。なんかいいなと思いながら書きました。気に入ってます。
江ノ島:これ、デイリー以外のライターさんも「天才だ」と言ってましたよ。なんか夢に出てきそうだなーと思いながら見てました。
ネタの出し方を聞く
江ノ島:爲房さんからは「マンガ、ネタ元は何本くらいストックしているのでしょうか。日常生活がネタ探しに侵食されていないか心配です。」ともらってます。
トルーさん、記事多いじゃないですか? 週1とか多い時は週2とか。どうやって考えてるんですか。
トルー:日常で思ったことや考えたことをノートに書いておいて、記事にしようと思った時にそれをもとに考えてますね。
江ノ島:トルーさんの記事って、独特の雰囲気があるじゃないですか。なにか影響を受けたテレビやマンガってあります?
トルー:少年漫画はだいたい好きなんですよ。でも、中学生の時、シャーマンキングは読んでましたね。
江ノ島:ワクワクしましたね。デザインがいいですよね。ちょっとオシャレというか。
トルー:そうそう。あの絵にしかないかっこよさがありますよね。
江ノ島:ちなみに最初書くときに参考していたライターさんっていました?
トルー:参考にしたというつもりはなかったですけど、べつやくさんと小野法師丸さんとじゃ藤原さんと大北さんの記事はライターになる前から見てました。なので、もしかしたら頭のどこかで参考にしていたのかもしれない。
江ノ島:あれですね、みなさん、テンションが高い系ではなく、淡々とおもしろいことを書く人じゃないですか。今のトル―さんの方向性と似ている感じがしますね。
トルー:そうなんですかね。
江ノ島:ちなみに好きな記事ってあります?
トルー:小野法師丸さんの「合意の上でウザくする」 が好きかもしれない。
「ウザくする」というお題だけでこんなに楽しい文章が作られていることにすごく勇気づけられるんですよ。
ウザくする技も豊富で、どれも絶妙にウザくて楽しそうで懐かしさも感じて。小野さんが「タグホイヤー!」って叫んでいるところが一番好きです。
そんな話をしていたらステーキとハンバーグがやってきた。
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