悪夢ではない
顔はめパネル、あれはパネルの世界の中に本物の顔を入れるコラージュ作品である。
これの『逆』を考えた。
リアルな景色に顔のパネルを添える。
顔はめパネルは、その独特な味わいで老若男女に人気があるが、『その逆』も不思議な存在感があっておもしろいと思う。
やってみた。
何をしているのかというと、『顔はめパネルの逆のやつ』を作ったのでお見せしている。悪夢ではない。
この顔は、冒頭のブラックホールの顔はめの顔である。『顔はめパネルから出ている顔のパネル』だ。
パラレルワールドなのでは
写真を撮っていたら、だんだんこれは顔はめパネルが切り捨てたもう一つの世界なのではないかという気がしてきた。
顔はめパネルというものがそもそも『パネルの世界』と『現実の世界』を合成したものなので、当然捨てたものをかき集めると世界がもう一つできる。
顔が僕の写真なのは違和感があるが、どこかのパラレルワールドに『僕の顔はめパネル』というものがあったら、顔の部分はくり抜かれて捨てられるんだろう。それが今、ここにある。
そうか、パラレルワールドだ。ここは僕たちが捨ててきたものでできているパラレルワールドなんだ。
あまり楽しい世界には思えないかもしれない。しかしあなたが今までの人生で捨ててきたものがこの世界のどこかにある。もしやり残したことがあるのなら、扉が開いてるうちに会いに行ってみるのはどうだろうか。