片道3時間
そんなことを考えて、できる限り遠くのスーパーに行ってみることにした。前後の予定をギュッと詰めて、移動に費やせるのは片道3時間。これだけ移動したら遠くに来た感じも出るだろう。
移動に往復6時間も使っていつもの買い物をする。地に足、付いてるかな。付いてないかもな。でも楽しそうだからやろう。
自転車でやろう
この企画、以前もやったことがあり、その時は電車で移動した。
大変有意義な経験だったが、移動に時間を使いすぎて着いた場所でゆっくりできなかったのが心残りだった。せっかく遠くに来たのだから、その事実をもっと全身で味わいたかった。
いつもの買い物なので目的地に長居しないのは同じだが、自転車なら着くまでの景色や空気感をダイレクトに味わえる。自宅からゆっくりと「遠くのどこか」に変わっていくのが分かるはずだ。
出発!
朝、部屋着の上にコートを羽織って家を出た。スーパーに買い物に行こう。
だいたいこんな計画を立てていた。
電車と違って何時にここに着く、という計画が立てづらいので敢えて目的地は決めなかった。2時間半が経過したあたりで、近くのスーパーを探し始めればいいだろう。そこで牛乳やパンを買おう。
ライフやベルクスというスーパーをたくさん通り過ぎた。買い物が目的で外に出たけどそこには行かないんだ。3時間行った先のスーパーじゃないといけないんだ。
大きな道路をまっすぐ進むとすぐに知らないエリアになった。近所だったら通うであろう服屋さんや自転車屋さんがあって嬉しくなる。
布団を干しているお家もたくさん見て、偉いなあと思っていた。僕は今日干さなかった。早く買い物に行かなきゃいけなかったから。
舎人ライナーの断面図が見られた。この時点で出発から1時間。まだまだ進もう。
ちなみに、日暮里・舎人ライナーの終点については北村さん、JUNERAYさんの記事でも紹介されています。色んな角度から断面を見たい人は読もう。
休憩
舎人ライナーが終わるとまた雰囲気が変わった。お店が減って、倉庫みたいなのっぺりした建物が増えてきた。
出発から1時間半ほどでお尻が痛くなってきた。足のスタミナとか手の冷えとかを気にしていたが、最初に限界を迎えたのはお尻だった。
知らない街の公園で休んでいたら鳩と目が合う。前方にはテニスコートがあってみんな楽しそうにテニスをしていた。
この瞬間、求めていた旅情が完成したなと思った。一泊二日の、二日目の朝の気分だ。この公園は旅館の庭で、朝ごはんのあとチェックアウトまで時間があるので散歩をしているんだ。そんな気持ちだった。