そもそも知ってる? 日暮里・舎人ライナーって
カッコよさを伝えたい……という以前の問題として、そもそも「日暮里・舎人ライナー」が何なのかがまったく知られていないという気もします。
だって「日暮里・舎人ライナー」って、東京以外の人だったら(場合によっちゃ東京の人でも)読めないでしょ? 「日暮里」(にっぽり)はともかく「舎人」が……。しゃじん? しゃひと!?
正解は「とねり」なんですけどね。フツー読めねーよ!
……というわけで、まずは「日暮里・舎人ライナー」がどれくらいの知名度を持っているのか、デイリーポータルZ編集部の面々にアンケートを取ってみました。
みんなも考えてみよう!
林さん
石川さん
安藤さん
古賀さん
橋田さん
藤原さん
横山さん(東京カルチャーカルチャー)
まあ、ざーっと見てもらえればいいと思いますが、とりあえず全部読めた人はいないという……。
「読めない地名」として逆に有名なので、「舎人(とねり)」はわりとみんな読めていますが、その他の漢字自体はカンタンだけど地味に読めない駅名に引っかかってますね。
「高野」とか、どう考えても「たかの」って読んじゃうもん。正解は「こうや」。
確かに「高野山(こうやさん)」とか「高野豆腐(こうやどうふ)」とかいうけどさぁ~……。しかも、その「高野山」とはまったく関係のない駅名です。
正解はこんな感じ
さらに、根本的な問題として日暮里・舎人ライナーがどこを走っているのかを質問したところ……。
林さん
石川さん
安藤さん
古賀さん
橋田さん
藤原さん
コレが正解。日暮里~西日暮里部分が山手線に沿っているのと、埼玉県手前までで途切れているというのがミソです
さすがに、日暮里駅からなんとなーく上の方に向かってるんだろうな的なイメージは持たれているようです。
日暮里・舎人ライナーっていうくらいだから、日暮里から舎人に向かってるんだろうな……。でも、肝心の舎人がどこにあるのかがよく分からない! 都内? 埼玉!?
……そんな感じでしょうか(終点は舎人じゃないけど)。
ちなみに、東京カルチャーカルチャーの店長・横山さんの答えはなかなか衝撃的で。
環状線……?
オッケーオッケー。これくらいの結果は想定内だぜ。別に傷付いてなんかいないよ。
そんな、みんなよく知らない日暮里・舎人ライナーに乗ってみたくなるように、日暮里・舎人ライナーのカッコイイところを紹介しよう!
日暮里・舎人ライナーのちょっといいとこ見てみたい!
カッコイイところ1・駅がカッコイイ
道路の上にそびえる高架をビュンビュン走る日暮里・舎人ライナーだけに、当然駅も道路の上!
四角くて無機質な駅舎が道路の上に浮かんでいる……というか、高架の下にぶら下がってる感じが何ともフューチャーでカッコイイ!
見沼代親水公園駅
江北駅。おおう、カッコイイ!
カッコイイところ2・短いエスカレーターがいっぱい
駅が道路の上に浮かんでいる……というのに関係してきますが、狭い敷地内で上下移動をする必要があるため、メチャクチャ短いエスカレーターがちょこちょこあるんですよ。
いるか、コレ?
5歩くらいで上がれる高低差なんで、「階段でいいんじゃ……」という感情がモヤモヤとわき上がってしまいますが、これが優しさってヤツですよね。カッコイイ!
カッコイイところ3・ホームもカッコイイ
日暮里・舎人ライナーのホームは全駅ホームドア完備!
まあこの辺は「ゆりかもめ」でも同じですけど、日暮里・舎人ライナーの方が新しいだけにピカピカ感がまだ残っていてカッコイイ!
(駅によっては)人もあんまりいないからカッコイイホームを堪能できるぞ
カッコイイところ4・走ってるところがカッコイイ
そしてやっぱりコレ。交通機関たるもの、走ってるところがカッコよくなければ!
高架の上を走っているのと、ホームドア完備のせいで走っている車体自体は外からあんまりよく見えないんですが、中からの車窓風景はホントにカッコイイぞ。
というのも、日暮里・舎人ライナーは自動運転で走っているので、通常の列車だったら運転士さんが座っているような最前列のシートに座れるから!
栄光の最前シート
2本やり過ごして最前列をゲットしたぜ。う・れ・し・い!
お年寄りだけじゃなくて、子どもにも席をゆずらなきゃならない時がありますが……
最前列に座れるというのは「ゆりかもめ」など、他の新交通システムの路線でも同じことですが、「ゆりかもめ」が海の上とか、わりと何もないお台場を走り回っているのに対し、日暮里・舎人ライナーが走っているのは街中!
ビルの谷間をギュンギュン走り回る感じがタマラナイのです。
それじゃあ、日暮里・舎人ライナーのナイス車窓風景を紹介していきましょう。
日暮里駅からスタート!
日暮里駅近辺のコースは何かゴチャゴチャっとしていて、それもまたカッコイイ!
走り始めはメチャクチャゆっくりです
日暮里駅を出てすぐに急カーブがあるせいか、徒歩より遅いんじゃないかというくらいゆーっくりスタート。
それが「都会(日暮里)で大騒ぎしていると怒られるから」と気を遣っている感じでカワイイのだ。
それが直線コースに入ると……。
グイッと急加速!
「こっから先は暴れてオッケー」とばかりにフオオオオオオッと加速していき、身体にGがかかってくる感じも興奮します。
もうジェットコースター感覚ですよ!
ビルとビルの間をギュンギュン走る走る!
スワーッと駅に滑り込んでいく感じもジェットコースターっぽい!
さあ、ここから早くもハイライト。首都高を乗り越えるところ!
通常は首都高と同じくらいの高さを走っているため、首都高と交差するところだけ「ちょいと失礼しますよ」という感じでちょっと高度を上げて乗り越えていく。
このアップダウンがまさにジェットコースター!
写真だと分かりづらいけど、グーッと上がってるでしょ?
ほい、首都高上を通過!
外側から見るとこんな感じです
首都高を通過した後、下りながらククッとカーブしているコースもサイコー!
この首都高乗り越えポイント、日暮里→見沼代親水公園ルートだと、直線&上昇→首都高と交差→カーブ&降下という感じ。
逆に見沼代親水公園→日暮里ルートだと、カーブ&上昇→首都高と交差→直線&降下となって、よりジェットコースター感が味わえます。
見沼代親水公園→日暮里ルートから見た首都高乗り越えポイント
さて、首都高を越えたあたりからは、低い建物ばっかりになっちゃうんですが
それだけに色んな物を見下ろせて、空を飛んでる感じがハンパない!
なーんか見ちゃダメな感じのするファミレスの屋根の上とかね……
そして「舎人公園」のあたりにやって来ると森ゾーンに突入
さっきまでビルの間を走っていたのに、メッチャ大自然!
日暮里駅から終点の見沼代親水公園駅まで約20分程度の行程なんですが、その間にビルを抜け、首都高を乗り越え、森の中を行き……盛りだくさんのコースじゃないですか。
ちなみに運賃は330円。日暮里・舎人ライナーは運賃が高い高いといわれるけど、アトラクションとして考えたら全然安いでしょ!? 東京ドームシティのジェットコースター(サンダードルフィン)なんて1030円もするじゃん!
そんなこんなで終点の見沼代親水公園に到着
はー、カッコよかった。
しかしここで満足しないでもらいたい! まだ見てもらいたいカッコイイポイントがあるんです。
カッコイイところ5・高架が途切れててカッコイイ
ここで終点なので当然といえば当然なんですが、「こっから先、作る必要ないもんねー」とばかりにブッツリ高架が途切れているんです。
「工事途中?」って思っちゃいますよね
コレ、ブレーキが壊れて止まらなかったらビョーンと飛び出して大惨事になっちゃう! もしくは銀河鉄道999のように飛び立ってしまう……。
そんな妄想広がる途切れ高架がカッコイイ!
ホント目の前が埼玉県。埼玉には一歩も足を踏み入れないぞ! という強い意志を感じますね!?
観光スポットは……ない
さあ、ここまで見てきてアナタも日暮里・舎人ライナーに飛び乗りたくなってきたでしょう!?
えっ、せっかく乗るんだから、どこかに寄って観光して帰りたいって?
舎人公園か見沼代親水公園ね
13個しかない駅の中に「○○公園駅」がふたつ、「○○小学校前」がひとつ含まれているあたりでお察し頂けるように、公園くらいしか見どころないよ……。
まあ、いい公園ですけどね
「ぽねりライナー」という略称はどうでしょう
何度乗ってもまあまあ興奮してしまう、ナイスな日暮里・舎人ライナーですが、イマイチ知名度が上がらない原因のひとつに、名前の長さもあるんじゃないかと。
しっくりくる略称もないので、なんとなく「舎人ライナー」とか書いちゃいますが、そもそもその「舎人(とねり)」がよめないという……。
ボク的には「にっぽり・とねりライナー」というとこで「ぽねりライナー」という略称を推していきたいと思います!